パワハラ防止

2020年06月

2020.06.30

パワハラ防止法 過大な要求とは 

meden.co.jp/corporation/ パワハラ防止法における過大な要求とは、遂行不可能な目標を立て、いやがおうでも達成させるように、仕事をさせることなどを表します。

では、厚生労働省が定義するものはどのようなものでしょう。

 (該当すると考えられる例|パワハラ防止法)

(1)   長時間にわたる、肉体的苦痛を伴う過酷な環境下で勤務に直接関係のない作業を

命ずる

(2)   新卒採用者に対し、必要な教育を行わないまま到底対応できないレベルの業績目標

を課し、達成できなかったことに対し厳しく叱責する

(3)   労働者に業務とは関係のない私的な雑用の処理を強制的に行わせる

 今回の事例は、「パワハラ セクハラ マタハラ 相談はこうして話を聴く 著 野原蓉子」から興味深い

事例がありましたので、そこから引用いたします。

(事例1)

 外国籍のHさんは、日本で仕事をすることを望んで日本語を学びました。日本での生活は初めてですから日本の文化や人間関係に慣れるまでは苦労をしました。言葉の問題が一番大変でした。仕事を覚えるにあたってもわからない単語が多く出てきて、理解するのに時間がかかったり、仕事が時間内に終わらないこともありました。上司からは「お前は時間がかかって困る」、「てきぱきやれ」、「速くしろ速く」、「この仕事はあと10分でやれ」、「あの仕事がまだ終わっていないのはどういう理由があるのか」などと叱責されました。昼休みを削って仕事をしていることも、段階を踏んでやっていることも認めてもらえず、なんで終わらないのかと責め続けられたHさんは、この上司の下ではやっていけないと思うようになり、そのころから過食症、吐き気、胃炎、生理不順が起こって病院で薬をもらうようになりました。

Hさんは会社を辞めることを決めました。ただ、「日本で仕事をしたいと考えてがんばってきたのに残念」と涙ながらに社外相談窓口に訴え、「もう有給休暇が残っていません。そのくらい休んで、まわりのみんなに迷惑をかけました。この職場は親切な人が多かったのに上司の問題で辞めることになりました。父は会社を辞めることは反対でしたが、私の状態を見たらすぐに辞めるようにと言いました」と続けました。社外相談窓口は、Hさんの了承を得て、人事にこの話を伝えました。会社は、この上司に注意をすることは上の上司に任せました。上の上司はこの上司のマネジメントのやり方が問題とは思っていませんでしたので、軽い注意をしただけですませました。その後、この職場に別の女性が異動になったときに、当該上司の下で同様の問題が生じてしまい、その女性も体調を崩してしまいました。

(事例1への改善ポイント)

外国籍の人も相談しやすくなる工夫をする外国籍で、日本語で苦労している人が、相談窓口に訴えるのはかなり難しいことです。相談窓口が外国籍の人も相談しやすい場であるよう工夫した取り組みが必要です。近年日本の企業もグローバル化してきております。それゆえ、このような取り組みは早急に行わなくはなりません。

②体調回復を支援する:Hさんは体調を崩しています。初動としては、体調回復を優先してもらうことが重要です。

③行為者への対応を現場任せにしない:最初に相談を受けた職場上司(不適切な対応をとった上司)への注意指導は、現場に任せずに人事やコンプライアンス窓口で厳正に行います。そのことを対応マニュアルなどに明記しておくと、対応に一貫性を持たせることができます。パワハラ問題への対応には、ある程度の専門性や人事部門的な知識が必要です、対応に慣れていない現場に任せることによって、問題の先送りや無難というよりなれ合いの決着につながり、初動の対応を誤ってしまうケースが少なくありません。

(事例2)

  Kさん(男性)の異動先の課長は「うちの職場で一番残業が多いのは俺だ」と日頃から部下に言っているような上司です。課長は産業医から、自分の体調管理だけでなく、部下の健康に対する安全配慮義務があることの注意指導をしばしばされていますが、それを意に介することもなく、むしろ指導を受けていることを自慢しているほどです。Kさんはその上司の下で頑張り続けましたが、家に帰るのが深夜12時近くになる日が重なり、体調が悪化していきました。Kさんが異動して2ヶ月後には、もっとも長時間残業をしている同僚が出張中に倒れました。その同僚の残業時間の申告は月80時間以内のぎりぎりのところでした。Kさんは、課長に「このままでは、まずいのではないですか」と言ったところ、「本人も大ごとにしたくないと言っているのに、なんでそんなことを言うんだ」と威嚇されました。

Kさんは、上司からの報復を恐れて匿名で相談したいと思い、社外相談窓口に相談しました。社外相談窓口は、この状況を放置しておくと過労死する人が出かねないため、Kさんの了承を得て、社内相談窓口に伝えることにしました。その際、社内相談窓口には匿名での対応が依頼されました。社内相談窓口が当該職場の時間外労働を調査したところ、会社への申告時間を超える時間外労働が常態化していたことがわかり、課長には厳重注意がされましたが、異動などの処分にはしませんでした。それからしばらく経った職場の飲み会の席で、課長は「俺はひどい目に遭ったよ。この中のだれかに過重労働で訴えられた。懲戒処分にはならなかったけど俺のキャリアは傷ついた」と言いました。名前こそ出しませんが、Kさんを指していると誰もがわかる言い方でした。Kさんはその場にいるのが辛くなり、再び社外相談窓口に相談しました。

(事例2への改善ポイント)

産業医の指導を無視する時点で注意を与える

 このケースでは、上司は産業医の指導を無視しています。これを放置していては、過重労働防止、法令遵守は成り立ちません。産業医の指導を無視している時点で、上司に対して厳重注意を与えます。

職場での人間関係は続くことを認識する

 現場においては、人間関係はずっと続いていきます。ハラスメントを申し立てた人と、行為者とされる人が同じ職場での関係を続けていくことは、非常にむずかしいものです。匿名での相談であっても、明らかに行為者の側の非が大きいと判断した場合は、行為者を異動させるなどの対応が必要です。

「より重い行為者」にならないための約束をしてもらう

 このケースを放置した場合、当該職場では、過重労働でうつ病になったり、過労死したりすること人が発生する可能性が十分に考えられます。行為者を「より重い行為者」(ハラスメントを繰り返して被害を拡大させ、自身もより重い処分を受けるような行為者)にさせないためにも、「今後、同様の言動があれば厳しい懲戒になります。二度と同じことをしないことを約束してください。また、報復言動は許されません」と、約束してもらうことも必要です。

(該当しないと考えられる例|パワハラ防止法)

1】労働者を育成するために現状よりも少し高いレベルの業務を任せる

2】業務の繁忙期に、業務上の必要性から、当該業務の担当者に通常時よりも

一定程度多い業務の処理を任せる

 

まとめ

上記の事例以外に過大な要求として問題になっているのが、新卒研修におけるパワハラです。きちんと教育することなく無理やりな営業をさせ、目標を達成できないと厳しく叱責するなどは、パワハラに該当する事例もあります。営業部門での新卒研修でよく見かけられる光景ではありますが、多少の厳しい教育は認められるとしても、今の時代行き過ぎた研修はパワハラとなりうるので気を付けた方が良いと思います。またせっかく時間と経費をかけて貴重な人材を採用したにもかかわらず、最初の研修でダメにしてしまうのは、会社としていかがなものかと思います。

 

参考文献「パワハラ セクハラ マタハラ 相談はこうして話を聴く 著 野原蓉子」

 

2020.06.29

パワハラ防止法 人間関係からの切り離しとは 

 パワハラ防止法の人間関係からの切り離しとは、無視をしたり、仲間外れにする、隔離するになります。

れでは厚生労働省が定義しているものをご紹介いたします。

 (該当すると考えられる例|パワハラ防止法)

(1)   自身の意に沿わない労働者に対して、仕事を外し、長時間にわたり、

別室に隔離したり、自宅研修させたりする

 

(2)   一人の労働者に対して同僚が集団で無視をし、職場で孤立をさせる

 

になります。職場でも気にくわない人に対して、無視をするという行為は多く、業務に支障が出てしまうほどです。職場での悩み第一位はいつの時代でも人間関係です。そのため、嫌いな人に対しての接し方は難しいものがあります。しかし、集団で無視をしたり、上司が気にくわない部下に対して隔離したり、仕事を与えないという行為はパワハラに該当することになります。

 

 (事例)

 IT企業に勤めるAは対人関係がうまくなく、他の従業員とコミュニケーションとるのが上手ではありませんでした。ミスも多く上司にいつも叱られており、周りはあきれかけておりました。いつも大衆の面前で上司から叱られるため、周りからAと関わると自分も巻き込まれるのではないかと感じ、同僚たちは距離を取るようになりました。Aの同僚は、Aから質問されても適当にあしらい、同僚のグループラインにはAだけ入っておりません。そのため何か重要な連絡があっても、Aだけ連絡事項を知るのが遅くなり、そのせいでまた上司に怒られるという悪循環が起きていたとのことです。次第に出勤するのも困難な精神状態になったAは相談窓口に相談したそうです。

 

この場合、同僚の対応は(3人間関係からの切り離し に該当する可能性があります。Aのことを完全に無視をし、業務に支障が出るほどの仕打ちをしているためです。パワハラというより、いじめに近いイメージですが。

また、上司の対応は(2精神的な攻撃  に該当します。他の従業員の前で行き過ぎた、叱責を何度もすることはパワハラに該当することになるのです。職場で部下に対して大勢の前で叱責してしまっている方もいるのではないのでしょうか。しかし、ケースによってはパワハラに該当することになるので、できるだけ叱るときは注意をしましょう。

 今回のケースでは、上司に一番の責任があると言えます。部下の状況を把握するのも上司としての責任です。しかし、自分の責任もあり、部下達でいじめが起きているということを見抜けていない上司の管理不足が露骨に表れる事例と言えますね。

(該当しないと考えられる例|パワハラ防止法)

①新規に採用した労働者を育成するために短期集中的に別室で研修等の教育を実施する

②懲戒規定に基づき処分を受けた労働者に対し、通常の業務に復帰させるために、その前に、一時的に別室で必要な

研修を受けさせる

①の場合、思いあたるのは新卒研修のケースですね。最近はなくなりつつありますが、新卒の子はまだ社会の事が何もわからないため、研修も厳しく行われることがあります。どこかの企業では「〇〇会社の洗礼行事」みたいな形で言われており、その内容も泣き出してしまうほどの子がいるほど厳しいものでした。では、これは本当にパワハラに該当しない事柄なのでしょうか。「別室で研修を行う」という行為はパワハラになりません。しかし、新卒の子が泣き出してしまうほど厳しく叱責するのは、問題があります。

新卒の子はそもそも入ったばかりなので「パワハラ」を訴えるということや、相談窓口に相談するという発想に結び付けるのは難しいでしょう。それゆえに研修の段階で精神を病んでしまうことが近年問題になってしまいます。もちろん社会人になりたてのため、「少し強めに怒られた」というだけで、泣き出してしまう子もいます。しかし、パワハラに該当するような行き過ぎた研修がいまだに行われているのも事実です。自社でそのような研修が行われていないかを再確認し、また相談窓口に相談できるということを新卒の従業員にきちんと教えてあげることも会社としての義務となります。

まとめ

 職場には様々な人がいて、自分に合わない人も沢山います。しかし、色んな考えがあっての職場が成り立っているため、自身の意に沿わないからといって、無視をしたり、仕事を与えないなどすることは幼い行為と言えます。今後ダイバーシティ経営、グローバル化などで色々な考え方を持った人が一つの職場で働く世の中になっていきます。一人一人の意見や価値観を尊重できるような姿勢をとっていきたいですね。

 

 

 

 

 

 

 

2020.06.27

パワハラ防止法 精神的な攻撃とは 

 パワハラの代表的なものと言われている「精神的な攻撃」のパワハラ。業務中の叱責とパワハラとの境界線が難しくなりやすいものでもあります。

⇒「職場におけるパワハラの定義|何でもかんでもパワハラというわけではない

パワハラ防止法の精神的な攻撃について厚生労働省が定義しているものは下記のようなものになります。

(該当すると考えられる例|パワハラ防止法)

人格を否定するような言動を行う。相手の性的指向・性自認に関する侮辱的な言動を含む。

②業務の遂行に関する必要以上に長時間にわたる厳しい叱責を繰り返し行う

③他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責を繰り返し行う

④相手の能力を否定し、罵倒するような内容の電子メール等を当該相手を含む複数の労働者宛てに送信する

では、事例をご紹介をいたします。

(事例1)

 化粧品販売を行っている会社に勤めているAは、一つの店舗を任せてもらっている店舗マネージャーでした。しかし、なかなか思うように売上が伸びず、Aの上司であるエリアマネージャーBから日々厳しく叱責されておりました。ある繁忙期、他店舗と比べあまりにも売上が伸びなかったため、AはBに呼び出しをされ、「店舗が伸びないのはあなたのせいだ。あなたの存在そのものが会社にとってマイナスになる」と言われました。この言葉をきっかけに日に日にAは気力が落ちていきました。その後も、BはAに対して「早くやめろ、どうして給料をもらっているのかわからない。」、「人生経験が浅すぎる。」など様々な言葉を浴びせたと言います。そしてついにAは、数か月後にはまともに出勤できない状況までなってしまいました。その後、これらのことが社内で判明し、問題となりました。

 この事例では、BはAに対して、人格否定をするような言動をしております。精神的な攻撃のパワハラは境界線がとても難しく、業務の延長線で起こってしまいます。確かに上司も業績が伸びないAに対して叱責しないといけません。しかし、あくまで叱責することは業務上に沿ったものまででとどめておかなくてはならず、感情に任せて人格否定までしてしまうと、パワハラになってしまうのです。それが、意図していった言葉ではなく、話しの中で熱くなってしまい強い言葉がでてしまったというのは言い訳にはならないのです。

では、次に、部下から上司に対してという逆のケースをご紹介いたします。

(事例2)

 食品メーカーに勤めるAは、誠実な人柄と今までの実績を考慮され、新作商品の開発リーダーに抜擢されました。しかし、初めてのこともあり上手く部下をまとめることができず、段々と部下から不満が漏れ始めました。しまいには、部下の代表者であるBがAに対して「Aさんは人の上に立つ器ではない、あなたの指示は聞かない。我々だけでこのプロジェクトを進める」とまで言い放ちました。その後部下全員は、Aを完全に無視をし、Aが部下たちにした指示は聞かず自分たちで勝手にプロジェクトを進めてしまいました。Aは今回のプロジェクトを失敗できないという想いが強く、自分が無視されていることを上司に報告することができずにまるで順調に進んでいるかのような報告をしてしまったのです。しかし、Aさんはこの状況にだんだんと耐えられなくなり、相談窓口に相談し、うつ病も発症してしまったことから、休職願いを提出しました。その後、これらの経緯が発覚したということです。

 この事例は判断が少し難しいですが、部下から上司に対するパワハラと言えます。パワハラと聞くと、上司から部下にと考えると思いますが、このような逆パターンも起こることもあります。部下が頼りないリーダーに対して不満をもってしまうことは仕方のないことかもしれません。しかし、人格否定をすることや集団で無視をすることは明らかに部下からの言動だとしてもパワハラと捉えられることがありますので気を付けましょう。

(該当しないと考えられる例|パワハラ防止法)

①遅刻など社会的ルールを欠いた言動が見られ、再三注意してもそれが改善されない労働者に対して一定程度強く注意をする

②その企業の業務の内容や性質当に照らして重大な問題行動を行った労働者に対して、一定程度強く注意をする

になります。業務上明らかに社会的にふさわしくない行動をとったとき、通常よりも強く叱責しても良いということになります。しかし、ここでも間違ってはいけないのが、「人格否定」等をしないことが前提です。難しいラインですが、問題行動をとっている従業員がいると、叱責するときにも感情的になってしまうとは思います。しかし、「職場」であるということを常に念頭におき、自分を律して叱るようにしましょう。

まとめ

 精神的な攻撃のパワハラは、一番起こりやすいパワハラと言えます。また、境界線がとても難しいです。部下を叱責する際に、忙しいときや、あまりにもミスが多いときなどは感情的になりやすいかと思います。しかし、上司という立場上、叱るときも一つ一つ言葉を選びながら、人格否定をすることのないよう、部下の成長を望みながら叱るようにしましょう。自分が発する言葉選びは社会人としての責任でもあります。

 

 

 

2020.06.26

パワハラ防止法 身体的な攻撃とは

2020年4月1日からパワハラ防止法が施行されました。2022年6月1からは中小企業もパワハラ対策が義務化されます。

従業員を守ることは会社としての義務です。早めの対策を心がけましょう。

 

【パワハラ防止法 身体的な攻撃とは】

身体的な攻撃と該当すると考えられる例は、①殴打、足蹴りを行う ②相手に物を投げつける になります。今の時代、職場で人を殴ったりする方は滅多にいないと思いますが、実際にどのようなことがパワハラになりうるのか事例を交えてご紹介していきます。

【事例】

 上司Aは昔ながらの営業マン、成果主義で、成果がでていない部下には残業させるのも当たり前、部下には常日頃から厳しく指導をしておりました。上司Aは他の従業員の前で特定の部下を大声で怒ることもあり、その厳しさからついていけない部下も大変多かったと言います。ある日部下Bが上司Aから理不尽なことを言われたため、少し歯向かった口調でそのことに関して反論を述べました。すると、上司Aは普段部下から何か言われることがないため、そのような行為にでた部下Bに対して、腹が立ち頭をたたきました。そのことに関して腹を立てた、部下Bは今までの行為を含め、さらに上の上司に訴えました。その後、今回のケースは以前からの上司Aに対する言動も問題視されていたこと、また暴力・暴行行為に該当することから、懲戒委員会にかけられました。


以上の例は大変わかりやすいかと思われます。しかし、自らの上司を「パワハラ行為」であると訴えることは大変勇気のある行動です。今回の場合、部下Bが声を上げることができる人であったから良かったものの、今までに何名もの部下がAから離れていったことを考えると、パワハラギリギリラインのところは今までもしていたが、泣き寝入りするしかなかったのだと思われます。普段から恐い上司を会社に報告することはとても勇気のいることですが、あまりにも問題行動が目に余るようであれば、社内の人に助けを求めることも大変重要なことであります。このケースでは、悪意をもって人の頭をたたくというものであったため、パワハラに該当する可能性がありましたが、悪意はないが、受け取り方でパワハラかどうか変わってくることもあります。

 例えば、上司が愛情表現の一環として部下がミスをした際に軽く「頭をぶつ」行為です。たまに見かけたことがあるという人もいるのではないでしょうか?上司としては、愛情表現のつもりで行った行為ですが、受け取り方によってパワハラかどうかのラインが難しいと言えます。また、会社のオフィスだけではなく、飲み会の席でも同じことが言えます。お酒が入ると少し気が緩み、いわゆる「ツッコミ」という行為で頭をこづくケースもあるのではないでしょうか。確かに飲みの席での出来事にも注意を払わなくてはならないと思うと生きづらいのは確かですね。しかし、飲み会こそハラスメントが起きやすい場所と言われていますので、気を引き締めることも必要です。

まとめ

 昭和の時代では、身体的な攻撃に該当するパワハラというものはよく見かけられたと思われます。しかし、「パワハラを行わないようにしよう」というご時世の現代社会では、殴る、蹴る、ぶつ、物を投げるといった行為は見かけなくなりました。しかし、いまだにこのような行為を行う方がいるのも事実です。身体的な攻撃に関してのパワハラは、明らかにパワハラだという行為でありますが、それを訴えることなく、泣き寝入りしてしまうケースになりがちです。勇気をもって声をあげるということは大切ですが、自身で対処しづらい場合は、周りに助けを求めることをしましょう。

 

 

2020.06.25

パワハラの定義

【パワハラとはいったいどんな行為のことを言うの?|パワハラ防止法】

2019年パワハラについての法律が成立しました。「パワハラ防止法」と呼ばれるのは「労働施策総合推進法」の

改正になります。その中で、どのような言動がパワハラになるのかの定義が初めてなされました。今回はそちらをご紹介いたします。

 

(1)身体的な攻撃:(該当すると考えられる例)殴る、蹴る、物を投げるなどの行為 (該当しないと考えられる例)誤ってぶつかる 

身体的な攻撃について詳細はこちら

(2)精神的な攻撃(該当すると考えられる例)①人格を否定するような言動を行う。相手の性的指向・性自認に関する侮辱的な言動を含む。②業務の遂行に関する必要以上に長時間にわたる厳しい叱責を繰り返し行う ③他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責を繰り返し行う ④相手の能力を否定し、罵倒するような内容の電子メール等を当該相手を含む複数の労働者宛てに送信する 

(該当しないと考えられる例)①遅刻など社会的ルールを欠いた言動が見られ、再三注意してもそれが改善されない労働者に対して一定程度強く注意をする ②その企業の業務の内容や性質等に照らして重大な問題行動を行った労働者に対して一定程度強く注意をする 

精神的な攻撃について詳細はこちら

(3)人間関係からの切り離し(該当すると考えられる例)①自身の意に沿わない労働者に対して、仕事を外し、長時間にわたり、別室に隔離したり、自宅研修させたりする ②一人の労働者に対して同僚が集団で無視をし、職場で孤立させる

(該当しないと考えられる例)①新規に採用した労働者を育成するために短期集中的に別室で研修等の教育を実施する ②懲戒規定に基づき処分を受けた労働者に対し、通常の業務に復帰させるために、その前に、一時的に別室で必要な研修を受けさせる 

人間関係からの切り離しについて詳細はこちら

(4)過大な要求(該当すると考えられる例)①長時間にわたる、肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での勤務に直接関係のない作業を命ずる②新卒採用者に対し、必要な教育を行わないまま到底対応できないレベルの業績目標を課し、達成できなかったことに対し厳しく叱責する ③労働者に業務とは関係のない私的な雑用の処理を強制的に行わせる

(該当しないと考えられる例)①労働者を育成するために現状よりも少し高いレベルの業務を任せる ②業務の繁忙期に、業務上の必要性から、当該業務の担当者に通常時よりも一定程度多い業務の処理を任せる

過大な要求について詳細はこちら

(5)過小な要求(該当すると考えられる例)①管理職である労働者を退職させるため、誰でも遂行可能な業務を行わせる ②気にいらない労働者に対して嫌がらせのために仕事を与えない 

(該当しないと考えられる例)①労働者の能力に応じて、一定程度業務内容や業務量を軽減する

過小な要求について詳細はこちら

(6)個の侵害(該当すると考えられる例)①労働者を職場外でも継続的に監視したり、私物の写真撮影をしたりする ②労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機敏な個人情報について、当該労働者の了解を得ずに他の労働者に暴露する

(該当しないと考えられる例)①労働者への配慮を目的として、労働者の家族の状況等についてヒアリングを行う②労働者の了解を得て、当該労働者の機敏な個人情報について、必要な範囲で人事労務部門の担当者に伝達し、配慮を促す

個の侵害について詳細はこちら

まとめ

以上の6つが厚生労働省が定義したものです。上記の例について、優越的な関係を背景として行われたものであることが

前提となっております。しかし、上記以外でも様々な行為がパワハラと認められます。パワハラ対策はその場の状況に

応じて臨機応変に対応しなくてはなりません。パワハラは、業務の延長線上にあるので、境界線が難しいと言えます。ですので、

これらの6つの定義を理解した上で、自身の行為がパワハラに該当していないかどうかや周囲の人がパワハラを行っていないかを

判断することが大切です。

引用元 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html

 

 

2020.06.24

パワハラ防止法

 2020年6月1日からパワハラ防止法が施行されました。パワハラ防止法は全ての企業に対してパワハラ対策を義務付けるというものです。2020年6月1日から施行されたことにより、大企業は現在パワハラ対策が義務化されております。中小企業は、2022年3月31日までは経過措置(努力義務)ですが、2022年4月1日からは、中小企業もパワハラ対策が義務化となります。

 昨今パワハラに関するニュースが世間を騒がせております。パワハラは許されない行為という認識であるにもかかわらず、日本のパワハラは増加傾向をたどっているのです。2016年に厚生労働省が実施した「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」によると、過去3年以内にパワーハラスメントを受けたことがある回答した者は32.5%にも及びました。2012年度の実態調査では、25.3%であったため、大幅な増加となっています。

また、都道府県における「いじめ、嫌がらせ」の相談件数も2018年度には8万件を超えています。従業員別規模で見てみると、パワハラを受けたことがあると答えた従業員は、規模99人以下の企業では21.8%、100人以上の企業では28.1%に上っています。大企業でも中小企業でも約4人に1人はパワハラを受けたと感じている結果となっております。

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※引用元 https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/foundation/statistics/

 このような実態がありながら、今まで日本の法律ではパワハラに関する明確な定義がなく、防止施策も存在していませんでした。しかし、2019年6月5日に労働施策総合推進法の改正法が公布されることとなり、パワハラが初めて法律上で定義されることとなりました(2020年6月から施行)。つまり、パワハラは法律違反になると定義されたことになります。

これにより、パワハラの減少が大いに期待されます。また、パワハラの定義付けは、パワハラを減らすという目的の他に、「パワハラ」という言葉の正しい認識を持ってもらうという意味合いもあります。「ちょっと厳しく指導したらパワハラと言われるので、部下の指導方法がわからない」など、現場の管理職の方々からは、そのような声も聞こえてきます。しかし、パワハラが明確に定義されることによって、「パワハラ」という言葉で、業務上、必要な指示や指導、あるいは教育ができなくなってしまうケースを避ける目的もあるのです。

【パワーハラスメントの定義|パワハラ防止法】


 ハラスメントというのは、他の労働者への言動により、法律で保護されている他者の権利や利益を侵害することです。パワーとは「権力」の意味で使われており、つまり、権力や立場などの優越性を背景にしたいじめや嫌がらせが「パワーハラスメント」ということになります。
厚生労働省が「パワーハラスメント」と定義するのは、
職場において行われる


優越的な関係を背景とした言動

業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの

労働者の就業環境が害されるもの

①から③までの3つの要素を全て満たすものを言います。なお客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントに該当しません。


「職場」という言葉が使われおりますが、「職場」とは、事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指します。当該労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、当該労働者が業務を遂行する場所は「職場」に含まれます。

また、「労働者」とは、正規雇用労働者のみならず、アルバイト労働者、契約社員等、いわゆる非正規雇用労働者を含む、事業主が雇用する労働者の全てを含む概念です。派遣社員に関しては、雇用は派遣元ですが、指揮命令が派遣先となりますので、就業先でパワハラに該当する行為を受けた場合は、パワハラと訴えることができます。

【どのような行為がパワハラとなるのか|パワハラ防止法】

 どのような行為がパワハラとなるのか、定義がなされました。職場におけるパワハラには6つの類型があるとされています。この6つの類型は、優越的な背景として行われたものであることが前提となります。また、6つの類型がパワハラの全てではありません。これら以外にも仕事上の優越的な関係を背景として、相手に対して精神的・肉体的に苦痛を与える者と判定されれば、それが6つの類型に当てはまらない行為であっても「パワハラ」となります。

ハラスメントに関しては、時代や働き方によって様々なものがでてきます。新型コロナウイルスの影響でテレワークが広まりましたが、テレワークにおけるパワハラなども出てきました。どの行為がパワハラになるかは個人が常に意識すべき点であると言えます。


【6つの類型】


身体的な攻撃:殴る、蹴る、物を投げるなどの行為です。昭和の時代では上司に殴られるのは、当たり前だったというような声も聞こえてきますが、今の時代ではもちろん通用しません。殴る、蹴る、物を投げるなどの行為だけでなく、胸ぐらをつかむや頭をぶつなどの行為も受け取る側に苦痛を与える場合はパワハラとみなされる可能性があります。

精神的な攻撃:人格否定するような言動を行う・必要以上に長い厳しい叱責を繰り返し行う・他の労働者の前で大声で威圧的な叱責を繰り返し行う・相手の性格や能力を否定、罵倒するような内容の電子メール等を当該相手を含む複数の労働者宛てに送信する。パワハラにおいて、精神的な攻撃の事例が一番多いと言えます。

また、業務上の指示、指導、教育と線引きが難しい部分が多く、混乱を招く部分ではありますが、その人自身の人格を否定するような言動は避ける、説教は短めに、部下に叱るときは大勢の前ではなく別の部屋に呼び出すなどをするとよいです。仮に部下の事が気にくわなかったとしても、あくまで叱るときは、部下のことを思って叱るということを忘れないようにしましょう。そこは仕事と割り切ることが大切です。

人間関係からの切り離し:意に沿わない労働者に対して、仕事を与えなかったり、長時間にわたり隔離したりする・一人の労働者に対して集団で無視をし、職場で孤立させる。パワハラの場合、被害を受けている者だけでなく、周りが見るに堪えなくなり、会社に伝えて発覚するということがありますが、集団でのいじめの場合、発覚しないまま泣き寝入りするケースが多いと言えます。被害者が気軽に相談できる場を設けることでこれらのケースは大幅に改善されます。

過大な要求:長時間にわたる苦痛を伴う過酷な環境下での勤務に直接関係のない作業を課す・必要な教育を行わないまま到底到達できないレベルの業績目標を課し、達成できなかったら、厳しく叱責をする・労働者に業務とは関係のない私的な雑用の処理を強制的に行わせる。新入社員研修でよく起こりそうな内容です。

近年では大分減りましたが、新入社員を合宿所につれていき隔離し、到底達成できないような目標を与え、罰として食事抜きだったり、睡眠時間を削らされる、何キロも走らされるなどの事例も以前はありました。新入社員研修では、学生気分を抜くために多少厳しくなる企業が多いですが、行き過ぎはパワハラに該当しますので気をつけましょう。

過小な要求:管理職を辞めさせるため、誰でも遂行可能な業務を頻繁に行わせる・気に入らない労働者に対して嫌がらせのために仕事を与えない。確かに会社側としても会社に貢献していない労働者を雇い続けるのはリスクでしかありませんが、退職を促すためにこのようなことをしてはなりません。このようなケースは業務量が減るので労働者に負担になるわけではなく、パワハラとして相談させるケースは少ないと言えます。しかし、このような行為もパワハラであると定義されていると認識する必要があります。

個の侵害:労働者を職場外でも継続的に監視したり、私物の写真撮影をする・労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機敏な個人情報について、当該労働者の了解を得ず他の労働者に暴露する。このケースは、テレワーク時に頻繁に起きたパワハラとして世間を賑わせました。テレワークであると、勤務時間とプライベート時間との線引きが難しく、それによる上司の監視などで不快感を訴える労働者が多かったと言えます。また、今後ダイバシティ経営が増えることで、より一層注意の必要な類型だと言えます。

【パワハラ対策は具体的に何をしなくてはならないのか|パワハラ防止法】


では、パワハラ対策として具体的にどのような対策を取れば良いのでしょうか。

事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発就業規則等に「パワハラをしてはいけません。もしパワハラをしたら罰せられます。このようなことがパワハラとなります。」というような明記が必要になります。そしてそれを労働者に対して周知するのも義務となります。ちなみに就業規則とは、使用者がその職場で働く労働者の労働条件や服務規則、懲戒処分などについて定めたものです。常時10人以上の労働者が働いている職場については、就業規則の作成と届け出が義務づけられています。

相談窓口の設置:労働者がハラスメントを受けた際に相談できる場を設けることが義務化されました。形だけの相談窓口の取り付けは違法となりますので注意が必要です。例えば、「例えば相談窓口の設置が義務付けされたから、知識がない労働者を相談員にする」「適当に相談員を決め、労働者に周知しない」「人事や役員など人事権があるものを相談員とする」などはいけません。厚生労働省が明記するには外部相談窓口を設置することをおすすめしております。外部窓口に対してどのような機関が良いかはこちらをご参照ください。

ハラスメント発覚後の迅速かつ適切な対応・再発防止:ハラスメントが起こってしまった際に適切な対応をすることや再発防止に努めることが求められます。基本的にどのような対応をするかは相談窓口と十分に連携をとり行いましょう。

ハラスメント研修:ハラスメント研修については努力義務となってはおりますが、年に一回は実施した方が良いと言えます。就業規則に明記することやポスターなどで周知をすることは必須ですが、それだけでは、実際にどのようなことがパワハラになるのかという基準が分からない労働者が発生します。ですので、具体的に研修という場を設けることで、ハラスメントに関する知識を深めることが必要となります。

【パワハラ対策を行っていないとどうなるのか|パワハラ防止法】


パワハラ対策が義務化されたにも関わらず、パワハラ対策を行っていないと国から企業名が公表される可能性があります。会社の名前が公表されてしまった場合、特に中小企業にとっては、倒産に追い込まれる可能性もあります。また、昨今のSNSブームもあってか、国から企業名が公表される前に、パワハラ対策を行っていないという事実が広がる可能性もありますので、会社を守るためにも必ずパワハラ対策は行いましょう。


また、パワハラの行為者は、損害賠償責任や刑法上の責任を負う可能性もあります。それに加えて、労働契約法という法律においては、会社は、職場で働く労働者に対する安全配慮義務を負うこととしています。安全配慮義務とは、労働者が安全に働いてもらう環境を提供する義務です。よって、ハラスメントを放置してしまっている、あるいは間違った対応をしたばかりに、職場でのトラブルが起こったとき、会社側には、この安全配慮義務に基づいた、職場環境整備義務や職場環境調整義務違反が問われることとなり、民法上の損害賠償請求を問われることになりかねません。

 労働者の安全を守ることは会社としての義務です。昨今、ストレスチェック制度、働き方改革、パワハラ防止法など様々な形で職場のメンタルヘルス対策を実施しようと国が動いています。大企業だけでなく、中小企業も早めの内に、パワハラ対策を行うことを推奨いたします。

参考文献「パワハラ セクハラ マタハラ 相談はこうして話を聴く 著 野原 蓉子」、「職場のハラスメント早わかり 著 布施直春」、「職場のハラスメント防止策と事後対応がわかる本 監修 大槻 哲也 編著 コンデックス情報研究所  」

 

 

 

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