パワハラ防止

2020.12.05

パワハラ事例②

 【「うつ病みたいな奴はいらん」を苦に自殺未遂】


ワイン及び食料品の輸入、販売等を業とする被告に入社した原告は、入社後1週間を過ぎた頃、部長から「馬鹿野郎」、「大学を出ても何もならない」などと罵倒され、その日行った仕事を報告すると、「それしかできないのか、事務の女の子でもこれだけの量をこなしている」などと叱責され、仕事を取り上げられたことから、体調不調で欠勤した。
入社1か月後、原告は執務中居眠りをしていたところ、部長から医師等の診断を指示され、診断書を提出すると、「うつ病みたいな辛気くさい奴はいらん。お前はクビだ」と30分にわたり罵倒され、原告はこれにショックを受けて自殺を図ったが、一命を取り留めた。一方、その日原告の母は、被告から求められるままに、原告の自殺未遂について被告に責任がない旨の書面を提出した。
その後、原告が解雇について説明を求めたところ、部長は取り合わず、母は社長から「息子の行動を止めさせろ。息子の人生をめちゃめちゃにしてやる」などと脅されたことから、原告はパワハラによってうつ病を再発させられ、これを理由に解雇されたとして、被告に対し慰謝料200万円を請求した。

【判決要旨】


部長の発言は、単なる業務指導の域を超えて、原告の人格を否定し、侮辱するまでに至っており、不法行為と評価せざるを得ない。「うつ病みたいな辛気くさいやつ」発言は自殺未遂の直接の原因となったものと認めることができる。
部長の「クビ」発言は、原告が後日身分関係を問い合わせていることからも、これを解雇通告と受け止めていなかったことが推認されるが、このような発言は、従業員を困惑させるものであり、パワハラとしてかなり悪質といわざるを得ない。特に原告のうつ病を知った後にも部長がこのような言動を続けたことは、うつ病になった場合に自殺願望が生じることは広く知られたことであることに照らすと、原告に対する配慮を著しく欠いたものと評価せざるを得ず、部長の一連の言動は不法行為を構成し、同行為は職務に関連して行われたものであるから、被告は使用者責任を免れない。
被告は原告の精神的苦痛を慰謝する責任があるが、原告が自殺を企てたのはうつ病による自殺願望による面がないとはいえず、部長は診断書を見るまで原告のうつ病を知らなかったから、このような事情を考慮し、慰謝料の額は80万円をもって相当と認める。

※引用文献「ここまでやったらパワハラです! 裁判例111選」 著 君嶋 護男

【解説】


部長のAに対する言動は、悪質なパワハラになります。Aは元々うつ病を患っていたいましたが、自殺未遂にいたるのは明らかに部長によるものです。またうつ病であると診断され、それを部長に見せたにもかかわらず罵倒を繰り返す言動は許されるものではありません。判決では、Aのうつ病を知った後でも、罵倒を繰り返すことが、大変悪質なものとして考慮されたと思われます。
近年では、昔と比べだいぶ「うつ病」に対しての理解が深まってきました。今ではこのように「うつ病」と診断された人に対して悪質な言動をとるものはそこまで多いものではない気がします。現在職場において気を付けなくてはならないことは、「うつ病」であると診断された従業員に対して会社側がどのような対応を取るべきかが重要であります。会社の人事担当者がメンタルヘルスの知識がなく、対応に困るというケースは意外にも多く、それにより問題に発展する可能性もあります。日ごろから従業員にメンタルヘルス不調が起こった際にどのように対応するかのガイドラインを決めておくことや、適切な知識をあらかじめ身につけておくことが必要となっています。

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