パワハラ防止

2021年03月

2021.03.19

職場におけるパワーハラスメント|パワハラ防止法 概要説明

 【ハラスメントとは】

harassment=嫌がらせ

 個人の尊厳や人格(人権)を不当に害する許されない行為
(与えるダメージ⇒身体的・精神的苦痛)

【パワーハラスメント 発生しやすい要因】

〈パワハラが発生した職場の特徴〉
「上司と部下のコミュニケーションが少ない職場」が1位という結果となっている。

              平成28年度「職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書」より

【このような言葉・行動は要注意!】

・椅子を投げ飛ばしたり、書類を投げつけたりする
・皆の前で起立させたまま、大声で長時間叱責続ける
・「給料泥棒」などの暴言を吐く
・男のくせに育休をとるなんて、あり得ない
・女には仕事を任せられない
・介護休業なんて自分なら取らない

【女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律】

この法律は以下の5つの改正法をまとめたもの

①女性活躍推進法
②労働者派遣法
③男女雇用機会均等法
④育児・介護休業法
⑤労働施策総合推進法

【それぞれの根拠となる法律と改正ポイント】

〈ハラスメント関係で改正・防止対策の強化が図られた〉

雇用管理上の措置   
(全ハラスメントほぼ共通)

■予防から相談対応・再発防止まで(措置義務)
■相談による不利益取り扱いの禁止
■研修の実施(努力義務)※以前は規定されていなかった
※外部からの必要な協力要請に応じる(セクハラのみ追加、努力義務)

国、事業主及び労働者の責務
(全ハラスメント共通)

■関心と理解を深める(努力義務)
■言動に必要な注意を払う(努力義務)
■労働者は事業主の措置に協力する(努力義務)

【パワハラ防止法 施行日】

令和2年(2020年)6月1日

中小企業に対する経過措置

■パワーハラスメントの雇用管理上の措置義務
■⇒令和4年(2022年)3月31日まで努力義務
■⇒令和4年(2022年)4月1日より措置義務
■※但し、「不利益取り扱いの禁止」は、経過措置はないので、令和2年(2020年)6月1日より、
大企業と同様に中小企業に対しても施行される。

中小企業の定義

中小企業主
(①又は②のいずれかを満たすもの)


【パワハラ対策のこれまでの流れ】

              

              

              

              

【職場におけるパワハラの定義】

①~③までの要素がすべて満たすもの
※客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しない。

【職場とは】

事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、労働者が業務を遂行する場所であれば「職場」に含まれる。

①優越的な関係を背景とした言動

行為者に対して抵抗又は拒絶することができない蓋然性が高い関係を背景として行われるもの=(逆らえない、断れない、従うしなかない関係)

・職務上の地位が上位の者による言動
・同僚又は部下による言動で、行為者が業務上必要な知識や豊富な経験を有しており行為者の協力を得なければ業務の円滑な遂行を行うことが困難であるもの
・同僚又は部下からの集団による行為で、これに抵抗又は拒絶することが困難であるもの

②業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動

社会通念に照らし、当該言動が明らかに当該事業主の業務上必要性がない、またはその態様が相当でないもの=(目的も手段も適正な範囲超え)

・業務上明らかに必要性のない言動
・業務の目的を大きく逸脱した言動
・業務を遂行するための手段として不適当な言動
・当該行動の回数、行為者の数等、その態様や手段が社会通念に照らして許容範囲を超える言動

③労働者の就業環境が害される

当該言動により労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられ、労働者の就業環境が不快なものをいとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じること。

判断基準=「平均的な労働者の感じ方」とされている。               

           

同様の状況で当該言動を受けた場合に、社会一般の労働者が、就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるときには、苦痛の限度が看過できる範囲を超えていると判断される。

【パワハラの具体的な指針 6類型】

身体的な攻撃(暴行・傷害)

・殴打、足蹴りを行うこと
・相手に物を投げつけること

直接に身体的攻撃を与えなかったとしても当てはまる場合がある。
・紙を投げつける
・机を激しくたたきつける

精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)

・人格を否定するような言動
・業務の遂行に関する必要以上に長時間にわたる激しい叱責を繰り返す
・他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責を繰り返す
・相手の能力を否定し、罵倒するような内容の電子メール等を当該相手を含む複数の労働者宛てに送信すること

人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)

・自身の意に沿わない労働者に対して、仕事を外し、長時間にわたり、別室に隔離したり、自宅研修させたりすること
・一人の労働者に対して同僚が集団で無視をし、職場で孤立させること
・業務に必要な情報を教えてもらえない

過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制)

終業間際に膨大な量の残業を押し付けられる
・新卒採用者に対し、必要な教育を行わないまま到底対応できないレベルの業績目標課し、達成できなかったことに対し激しく叱責すること

過小な要求(業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)

・管理職である労働者を退職させるため、誰でも遂行可能な業務を行わせること
・気に入らない労働者に対して業務を一切回さず、仕事を与えないこと

個への侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

・労働者を職場外でも継続的に監視したり、私物の写真撮影をしたりすること
・労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療の機敏な個人情報について、当該労働者の了解を得ずに他の労働者に暴露すること

【パワハラを起こさない職場作り】

                      

【パワハラを起こさない指導法】

2021.03.16

パワハラ防止法 不利益取り扱いの禁止

 パワハラ被害者が、パワハラを受けたことを相談することで、人事評価を下げられることや、減給、降格、異動、退職を強制させられることは、法律で禁止されております。パワハラ防止法が2020年6月から施行され、現在大企業ではパワハラ対策が義務化されております。

中小企業では、2022年4月からパワハラ対策が義務化されますが、不利益取り扱いの禁止に関しては、中小企業もすでに義務化されており、パワハラを相談した被害者に対して不利益な扱いをした場合、法律違反となります。また、これはパワハラだけに限らず、セクハラマタハラなどその他ハラスメントに対しても適用されます。

 パワハラ被害者が元の部署に戻りたくないなどの配慮で部署を異動させることは禁止ではありません。あくまでパワハラ被害者に対する配慮が必要と考えていただければ間違いありません。パワハラ問題が解決したとしても、その後の職場での生活は続きます。相談したことに対して、元いた部署に戻りづらかったり、心に傷ができてしまい、同じ場所に出勤するだけで体調が悪くなるなどの反応がでる可能性は非常に高いです。

パワハラ被害者に対して今後どのような働き方をしたいかをしっかりヒアリングし適切な対応をすることは会社としての義務です。

では、実際にどのようなことが不利益取り扱いの禁止になるのか事例を見てみましょう。

【事例】

 コールセンターで働くAは、普段から周りとコミュニケーションをとることが上手ではなく、職場で仲が良いと言える人がいませんでした。周りからはAは扱いづらい人と思われていたとのことです。Aの直属の上司であるコールセンターSVであるBは、普段から厳しい上司として有名でしたが、部下からの信頼も厚く、仕事ができることから上層部からは重宝されていたとのことです。

Aはミスが多かったり、たまに遅刻することもあったため、上司Bから厳しく叱責されることが多く、Bが感情的になり人格否定するようなことを言ってしまったこともあったと言います。

それに耐えられなくなったAは相談窓口に相談をし、社内で話し合いが行われました。結果、Bは厳重注意という処分で終わりました。しかし、上層部が気に入っているBですから、そのようなことを相談してくるAをよく思わず、Aに同意を得ることなく部署異動をさせてしまいました。

 

こちらの事例は、会社からも信頼されている上司Bとあまりうまく人間関係の築けていないAの構図から、不利益な扱いが起きたものです。

このように不利益対応を受けるとまでは言わないまでも、会社側から重宝されている上司と、あまり目立たない部下との対応で不公平さをきたす事例はよく聞きます。経営層は、あくまで公平に扱うこと、またパワハラ相談を受けた時に相談を受けたことに対して不利益な対応をすることは法律上禁止されていることをきちんと認識するようにしましょう。

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