大人のいじめ

 更新日:2023年9月5日

いじめが起きるのは、学校だけではありません。悲しいことに、大人の間でもいじめが起きます。世界中どこでも、人が集まるところには、いじめの可能性があるのです。

子供のいじめの多くは、不満を発散するために起きていますが、大人の場合はそうとは限りません。職場をやめさせるために行われるケースや、配偶者に自分から別れると言わせるために行われるケースなど複雑です。

人は生まれつき平等ではありません。能力に差があるからこそ、力を合わせて互いを支えあうことで社会が成り立っています。知識や経験が乏しい子供ならまだしも、大人がみんなと違う人を差別し、いじめをすることは、あまりにも悲しいことです。弱肉強食の世界にいる動物たちでも、必要以上に相手を攻撃することはありません。

 

今回は、大人のいじめが実際にどのようなものかを紹介しましょう。

5つの大人のいじめ

 

1 職場のいじめ

職場のいじめはハラスメントとも呼ばれています。一番多く見られるのは、能力が劣る社員に対しての嫌がらせです。上司からだけでなく、同僚から行われるケースも同じくらいあります。仕事ができないことに嫌味を言うだけでなく、会議中に恥をかかせる、悪口やデマを流す、仕事に協力しない、仕事を妨害する、といったことが実際に起きています。失敗した状況をわざと作り、自分から辞めさせようとする陰謀のようなことも現実にあり、これはドラマの世界だけはないのです。

職場のいじめは、いじめる人の問題以上に、職場の問題が大きいと言われています。仕事の効率だけを優先して、人の心を軽んじる職場では、働く人たちの心が病み、いじめが起きやすい状況になるのです。これをブラック会社と呼びますが、正社員が少なく、派遣やアルバイトが多い職場や、閉鎖的な職場でもよく起きています。恐ろしいことは、こうした職場では、社員のストレスのはけ口として、いじめを見過ごす雰囲気もあるのです。

具体的にいじめが最も多い職場は、医療、保育、介護施設と言われています。仕事が過酷でストレスが大きいことから、同僚いじめが多く、それだけでなく、いじめの矛先が高齢者や障害者などの施設利用者に向かってしまうことも起きています。

 

2 ネットでのいじめ

繰り返す悪口、暴露、炎上、扇動、成り済ましなど、顔を見られないことを良いことに、ネット上で相手を攻撃するのがネットいじめです。世界中で問題になっており、海外では、サイバーブリング・サイバーいじめと呼ばれています。日本では、ライン、ツイッター、フェイスブック、インスタグラムなどのWebサービスで起きています。

情報発信が自由にできる時代ですが、SNSやメディアからの一方的な情報を不快に感じる人もいます。こうした人が自分勝手な正義感からネットいじめに参加します。相手の顔が見えない分、抑えが効きません。また、SNSで自分の情報を発信したがる人ほど、周りの否定的な反応にとても傷つきやすい傾向があります。つよい承認欲求の背後に、低い自己肯定感があるためです。こうしたことから、いじめの被害者が、適応障害やうつ病を発症したり、自〇に至るケースが多いことが、ネットいじめの特徴です。

 

3 ママ友いじめ

自分の子供がいじめ被害にあったら大騒ぎをする母親がいますが、自分たちがママ友をいじめていることがあります。一番の原因は、子供の能力の差、家庭の経済的な違いなどによるママ同士の嫉妬です。ボスママに嫌われた人が、理由を知らされないまま、仲間外れ、無視、悪口や噂を流される、といったことが横行しています。ドラマのネタにもされるように、陰湿な内容が多く、いじめを受けて適応障害やうつ病になる母親もいます。

 

4 近所のいじめ

人は、便利さを求めて、都市に集まって住む傾向があります。人の密度が高いのに、お隣同士の付き合いがないのが現代の都市です。騒音の問題、ゴミ捨ての問題、町会の役職の問題などを引き金に、いやがらせ、無視、悪口を流すといったことが起きています。精神的に生活しづらくなり、最終的に引っ越すことになるケースもあるでしょう。

5 夫婦間でのいじめ

夫婦間はDVだけでなく、いじめもあります。自分が有利に離婚するために、相手をいじめて、相手から離婚を切り出させるのが目的です。DVになると自分が不利になるため、相手が音(ね)を上げるまで、陰湿ないじめを繰り返します。生活費を渡さない、無視をする、束縛する、こうしたことで相手の居心地を悪くさせ、自分から家を出るように仕向けるのです。

 

まとめ

どのようないじめも犯罪です。悪質なものは刑事事件として扱うことができます。世の中には、いじめる人がいますが、いじめから守ってくれる人はそれ以上にいるので安心してください。

いじめの被害にあったら、専門の相談窓口に連絡をとってみましょう。同じ職場の人など、利害関係がある人に相談しても、よい解決につながらないことがあります。第三者に相談するのがお勧めです。職場だったら外部の相談窓口が設置されていることがあり、それだけでなく、公的機関、NPO法人、弁護士などの相談窓口も、ネットで検索して簡単に見つけることができます。

ネットいじめも、同じように相談窓口があり、検索すればすぐに見つけることができるでしょう。また、近所や夫婦間のいじめは、弁護士や興信所に依頼する必要が出てくることもあります。

相談と同時にやるべきことは、いじめの記録をとっておくことです。録音、写真、ラインやメールの保存など、必ず記録をとっておきましょう。スマホが1台あればできることです。

ただし、いじめる側の人が、病的な性格であったり、被害妄想がある場合もあります。そうなると、関わるだけ問題がこじれてしまいます。逃げることで関わることがなくなるのならば、逃げる方がよいでしょう。逃げるが勝ちです。

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