ブログ〈メンタルヘルス〉

2020.10.21

従業員の自殺|メンタルヘルス

【従業員の自殺の事例】

 従業員の自殺は、そのご遺族や周囲の方の大変な悲しみだけでなく、勤務先にも大きなダメージを与えます。勤務先は加害者という立場で見られ、社会的にも悪いレッテルが貼られることとなり、ご遺族への多額の賠償責任を問われます。

1.過重労働でうつ病に賠償金額8000万円
被告:会社 原告:工場従業員の遺族
賠償金額:8000万円
工場勤務の従業員Aさんは長時間労働から精神的に追い詰められてうつ病を発症して自殺、遺族は会社を相手に賠償責任を請求。労災と認められ、企業に8000万円の支払い命令が下された。

2.過重労働のうつ病で賠償金額1億6800万円
被告:会社 原告:広告代理店社員の遺族
賠償金額:1億6800万円
広告代理店に入社したBさんは、長時間労働の激務をこなし、うつ病を発症して自殺した。遺族は会社に対して
賠償責任を請求。長時間労働とうつ病の因果関係を認め、1億6800万円の支払いを命じた。

【自殺者数の年次推移】

職場問題における自殺は、平成23年に年間3000人程度でピークになり、その後減少し、年間2000人程度となっています。自殺の主な原因は、①過重労働(30%)②ハラスメントなどの人間関係(20%)③仕事の失敗(15%)です。国がすすめるストレスチェック制度やパワハラ対策は少しずつ成果をあげており年々自殺者は減少しています。しかし、①の過重労働による自殺者数は横ばい状態です。

 

【自殺する原因】

 過重労働やハラスメントなどによる心身のストレスは、過度の緊張状態を作り出します。これにより脳神経が異常な働きをするようになり、不眠、食欲減退などの自立神経失調症が現れます。これがさらに進むと、気分の落ち込みや無気力感などの抑うつ状態が出現します。ここで心身の異常に気付き、自主的に休んだり、産業医やカウンセラーなどに相談できれば良いのですが、責任感や使命感を持って仕事に取り組んでいると自分の異常に気付きません。
「責任者だから」、「みんなががんばっているのだから」、「会社のために」という心理が働き、
心身に起きている異常な反応を無視するようになります。

 抑うつ症状を放置していると、意識の変容が起きて周囲や自分を客観的に見ることができなくなることがあります。そしてつよい不安感などの衝動的な感情に振り回され、ついには自殺に至ることがあります。ここで理解していただきたいのは、責任感のつよい人、頑張る人、真面目な人ほど自殺の傾向がつよいということです。

【過労自殺の背景は?】
過労自殺対策の難しさの一つには、当事者が過度の責任から逃避せずに、自らの過重労働を科すなどして自分を追い詰めてしまうところにあります。
このような状況がつくられる背景には、まず当事者がつよい責任感を持ち、頑張り屋であることがありますが、職場環境の問題としては、会社のひっ迫した経営状況職場の実績優先、効率優先、「やって当たり前」の風潮周囲の無関心、気軽に相談できる人がいないといった職場環境の問題があります。

【企業がとるべき適切な対策】

 従業員の自殺の予防のために、長時間労働の禁止、ストレスチェック、ハラスメント防止のための相談窓口の設置等の指導が企業に義務化されてきました。さらに、心理の専門家によるメンタルヘルスの講習会や社外窓口を利用することが推奨されます。何よりも自殺予防は本人と周囲の気づきが大切です。一人だけ頑張る、同僚の変調を気にしない、いじめがある、といった職場にならないように、互いを思いやる職場つくりを心がけることが必要です。

【社外相談窓口の積極的な関わり合い】

 従業員の自殺やハラスメントを防ぐには社外相談窓口の積極的な関わり合いが必要です。ミーデンでは、公認心理師と臨床心理士による対面・オンラインでのカウンセリング、ハラスメント相談、ストレスチェック、メンタルヘルス講習会等を通して職場メンタルヘルス全般をお守りいたします。

【最後に】

 新型コロナウイルスの影響により、従業員メンタルヘルスに対する取り組みが注目されています。
これからテレワークから通常出勤に以降していく段階で、従業員がメンタルヘルス不調を訴えることが増えると予想されています。従業員を守ることは会社の義務です。早めの対策が願われています。
ミーデンではメンタルヘルス対策を行います。詳細はこちら

【参考文献】

自殺の状況をめぐる分析(厚生労働省)
職場における自殺の予防と対応(厚生労働省)

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