メンタルヘルス

2020年12月

2020.12.18

メンタル不調社員の職場復帰までの5ステップ|メンタルヘルス

メンタルヘルスとは心の健康のことです。これまでは気持ちの不安や無力感を抱いても、「心が弱いからだ」「気合が足りない」と言われ、むしろ克服させるために無理を強いてくることもありましたが、近年では精神疾患という概念から“心の病”も体と同じように治療が必要だという考え方が広がりました。心の病は様々なストレスをきっかけとして発病することがあるので、ストレス要因の一つと考えられる職場においてもメンタルヘルス対策が推奨されています。メンタルヘルス不調は厚生労働省では次のように定義されています。

厚生労働省(2020)によると、職場において強い不安、ストレス等を感じている労働者は約6割に上っており、メンタルヘルス上の理由により連続1ケ月以上休業または退職した労働者は約0.4%と言われています。メンタルヘルス不調は誰にでも起こり得るものです。目に見えないからこそ休んだり、弱音を吐いたりしたときに、周囲からどんな風に思われるか、仕事で迷惑をかけないかと自分のことは二の次に考え、無理をしやすくなります。会社は、メンタルヘルスを守る予防的な取り組み(一次予防)、メンタルヘルス不調が発覚した際にそれを悪化させない早期発見のための取り組み(二次予防)、メンタルヘルス不調によりやむを得ず休職する人が復帰できるように支援する取り組み(三次予防)を定めて、適切に行うことが求められます。

事務所の規模が大きい(従業員が多い)ほど、メンタル不調になる人のその割合は大きいことが分かっています。メンタルヘルス不調の中で最も多い精神疾患が「気分障害(うつ病)」です。夢や目標があり努力してきた人や生活を養うために働いてきた人にとって、精神障害により休職を余儀なくされることは、非常にショックな出来事であり、不安が付きまといます。

厚生労働省の推奨により、メンタルヘルス対策として職場復帰支援のための5ステップが各会社で定められていますので、ご紹介します。

労働者から管理監督者に主治医による診断書(病気休業診断書)が提出されると休業が開始します。この時、労働者の一番の心配事は「仕事」です。「元の職場に復帰できるか」「復帰できなければリストラに合うかもしれない」「復帰できたとしても同じ仕事では再発するかもしれない」と、収入源と社会的立場を失うかもしれないと不安でいっぱいになります。このような不安を抱えていると、一日でも早く戻りたいと思い、考え込んだり、無理をしようとしたり、せっかくの休養が意味をなさなくなってしまいます。そのため、労働者が病気休業期間中に安心して療養に専念できるように、会社側から情報を提供してもらうことが大切です。

◎情報提供しておいてもらうとよい項目
・傷病手当金などの経済的な保障
・不安、悩みの相談先の紹介
・公的または民間の職場復帰支援サービス
・休業の最長(保障)期間等

休業中の労働者は事業者に対して職場復帰の意思を伝えると、事業者は労働者に対して主治医による職場復帰が可能という判断が記された診断書の提出を求めます。この時、診断書には就業上の配慮に関する主治医の具体的な意見を記入してもらうようにします。なぜなら、主治医による診断は日常生活における病状の回復程度によって職場復帰の可能性を判断していることが多く、必ずしも職場で求められている業務遂行能力まで回復しているとは限らないからです。職場で求められている業務遂行能力に関する情報を事業者または労働者から正しく伝え、医師の視点から労働者の状態が回復しているか意見をもらうようにします。場合によっては、もう少し様子を見る必要があると判断されるかもしれませんし、初めから元の業務に戻るのではなく、初めは労働時間を短くしたり、軽い業務をしたりする中で経過を見ることもあるかもしれません。この時、労働者自身がどのようにしたいか意見を伝えておくといいでしょう。

復職するか最終的な決定の前段階として、必要な情報の収集と評価を行った上で職場復帰が出来るかを適切に判断し、職場復帰を支援するための具体的なプランを企業側は作成します。具体的なプランの作成に当たっては、事業場内産業保健スタッフを中心に管理監督者、休業中の労働者が連携して進めます。

◎情報の収集と評価
職場復帰の可否については、必要な情報を収集し様々な視点から評価を行い総合的に判断することが大切です。情報の収集と評価内容は次の通りです。
(ア)労働者の職場復帰に対する意思の確認
(イ)産業医等による主治医からの意見収集
診断書の内容だけでは不十分な場合、産業医は労働者の同意を得た上で、必要な内容について主治医からの情報や意見を収集します。
(ウ)労働者の状態等の評価
治療状況及び病状の回復状況、業務遂行能力、今後の就業に関する労働者の考え、家族からの情報を収集し、評価します。
(エ)職場環境等の評価
業務及び職場との適合性、作業管理や作業環境管理に関する評価、職場側による支援準備状況の評価をします。
(オ)その他
治療に関する問題点、本人の行動特性、家族の支援状況や職場復帰の阻害要因に関する情報を収集し、評価をします。

◎職場復帰支援プランの作成
(ア)職場復帰日
(イ)管理監督者による就業上の配慮
業務サポートの内容や方法、業務内容や業務量の変更、段階的な就業上の配慮、治療上必要な配慮を記載します。
(ウ)人事労務管理上の対応等
配置転換や異動の必要性、勤務制度変更の可否及び必要性を記載します。
(エ)産業医等による医学的知見からみた意見
安全配慮義務に関する助言、職場復帰支援に関する意見を記載します。
(オ)フォローアップ
就業制限等の見直しを行うタイミング、就業上の配慮や医学的観察が不要になる時期を記載します。
(カ)その他
労働者自身が責任を持つ事項、試し出勤制度の利用、事業場外資源の利用について記載します。

〈第3ステップ〉を踏まえて、事業者による最終的な職場復帰の決定を行います。

(ア)労働者の状態の最終確認
(イ)就業上の配慮等に関する意見書の作成
(ウ)事業者による最終的な職場復帰の決定
(エ)その他

企業側は産業医の意見書等に基づき、関係者間で内容を確認しつつ職場復帰を決定します。また、主治医へ就業上の配慮の内容について情報提供し、連携を図ることは、労働者自身だけでなく共に働く従業員が安心して、安全に働くために重要です。処遇の変更が行われる場合は、あらかじめ就業規則に定め、ルール化しておくと見落としが減ります。

復帰後も継続した関係者、主治医からのサポートを受け再発を予防する必要があります。

(ア)疾患の再発、新しい問題の発生等の有無の確認
(イ)勤務状況及び業務遂行能力の評価
(ウ)職場復帰支援プランの実施状況の確認
(エ)治療状況の確認
(オ)職場復帰支援プランの評価と見直し
(カ)職場環境等の改善
(キ)職場管理監督者、同僚等への配慮

職場復帰支援プランの進行状況については、企業側との面談の中で率直に伝えることが大切です。これをもとに、適切に進行されているかを判断します。労働者自身だけでなく、管理監督者とも企業側は意見を交換し、客観的に評価をしていきます。あくまで、職場復帰支援プランが適切であるかを判断するものです。労働者の評価ではないので、緊張せずに素直に伝えることが、無理なく働き続ける助けになります。必要があれば、管理監督者、産業保健スタッフ等が情報を交換し、家族とも連携を図ることがあります。職場復帰支援には周囲が連携し、支えることが重要です。

以上が職場復帰支援の大きな流れです。
休業中には、主治医と家族の支えの中で、本人も懸命に病気と闘いながら治療をしていきます。職場復帰では、主治医と家族だけでなく企業にいる産業保健スタッフや管理監督者、同僚の支えの中で、本人が少しずつ仕事に戻れるようにしていきます。これだけ多くの人が連携をしていきますので、信頼関係が非常に重要です。職場復帰支援のためだけでなく、このような会社の雰囲気作りが元々重要であるのかもしれません。

職場復帰支援に携わる管理監督者と産業保健スタッフについて説明します。

◎管理監督者
産業保健スタッフと協力しながら職場環境等の問題点を把握し、それらの改善を図ることで職場復帰支援における就業上の配慮を履行します。復帰後も連携を新柄、注意深く観察を行い、再発予防に努めます。

◎産業保健スタッフ
産業医、衛生管理者等を含めた、産業保健に係わるスタッフ全員の総称です。

産業医:事業場において労働者の健康管理等について、専門的な立場から指導・助言を行う医師を言います。労働安全衛生法により、一定の規模の事業場には産業医の選任が義務付けられています。

衛生管理者:①労働者の危険または健康障害を防止するための措置に関すること ②労働者の安全または衛生のための教育の実施に関すること ③健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること ④労働災害防止の原因の調査および再発防止対策に関すること のうち衛生に関する技術的事項の管理を行います。

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参考文献)厚生労働省・独立行政法人労働者健康安全機構(2019)「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援プログラム」

2020.12.15

うつ病の知られていない症状|メンタルヘルス

  世界保健機構(WHO)では、5大疾患として癌、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病、精神疾患を上げています。精神疾患が世界的にも大きな問題となっているのです。

特に精神疾患の中でも、うつ病は世界で3億5000万人以上の人が患っていると言われており、私たちが最も注意をしなくてはならない病気の一つです。

癌、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病と言えば、私たちは日常から予防に注意しています。運動をしたり、食事の内容に注意したり、誰もが予防に意識を傾けています。ところがうつ病に関してはどうでしょうか?

うつ病とは神経質な人がなるものだ、悩みがあるからなる、といった程度の認識で、そもそも自分がうつ病になってしまうことを意識する人はほとんどいないのではないでしょうか。

それではうつ病とはどのような病気なのでしょうか?

うつ病の症状としては、落ち込んだ気分になる、悲しみが続く、自尊心が低くなる。絶望感や無力感、涙もろくなったり、小さなことでイライラしたり、注意散漫、何もやる気が起きなくなる、集中力が低くなる、夜眠れない、朝起きれない、食欲がなくなる、性欲がなくなる、などがよく知られています。
上記以外の症状で、実際にうつ病になった人の体験談から、知られていない症状を下記にまとめてみました。是非参考にしてみてください。


【孤独を感じる】
 何をしても楽しくなく、人が近くにいても寂しさを感じます。孤独感は、不安を増加させます。こんな孤独感を持ってこれから生きられるのだろうかと思い絶望に陥ります。しかし、これはうつ病からきているものですので、治るにつれて改善されていくものです。

【誰にも会いたくない】
 孤独感を感じるので、人に会いたいと思うかもしれませんが、うつ病の場合はそうではありません。人に会うことが苦と感じてしまいます。そのため、予約していた病院や美容院などを当日キャンセルしてしまうこともしばしばあります。

【音楽が聴けなくなる】
 今まで当たり前に聴けていたにもかかわらず、音楽が聴けなくなります。これは集中力が落ちたためです。好きな曲ですら、鬱陶しく感じるようになります。朝、通勤時に音楽を聴いていたのに、最近聴かなくなったという方は少し注意です。

【映画やテレビが見られなくなる】
 こちらも集中力の低下によるもので起こります。バラエティなど集中して見なくても良いものは辛うじて見られますが、ドラマや映画などのより集中力が必要なものに対しては見ることができません。

【テレビをつけていないと恐い】
 テレビを見ることはできないですが、テレビの音がないと不安や孤独感を感じてしまうため、テレビをつけっぱなしにして、音だけは垂れ流している状態になります。

【寝るのが恐い】
 夜寝るのが恐いという感覚に陥ります。朝日がくるのが恐い、夜寝る行為が恐いために不眠症が起きます。昼寝や夕方に寝ることに対しては恐怖はないので、うつ病の休養初期はあまり生活リズムなどは意識せずに睡眠時間を多く確保するようにしましょう。

【資格を取ろうとする】
 うつ病になる人の特徴として頑張り屋というものがあります。そのため休養期間中に何もしないということができません。休養期間中に資格などを取ろうとする傾向があります。たいていその場合、集中力が続かないため失敗し、休むことをしなかったため、治療が長引きます。

【お酒を飲み過ぎてしまう】
 うつ病の症状があるとお酒を飲み過ぎてしまう傾向があります。お酒は気分を上げる作用があるため、アルコール依存の方はうつ病の傾向があると言われております。逆に抗うつ薬を続けることで抑えられます。

【片づけができない】
 片づけをする気力がありません。そのため、部屋が汚くなりがちになります。部屋を片づけられるようになった場合は、少し治ってきた証拠です。片づけはうつ病治療において一つの指標になります。

雨がつらい、気候の変化に弱い】
 うつ病の人は気候の変化に弱いです。また雨の日は気分が落ち込み、外に一歩も出れないということも多々あります。そのため次の日の天気を毎日天気予報でチェックすることが習慣になってきます。

【治りかけは好きなことしかできない】
 うつ病が重症の場合は、好きなこともできません。しかし、少しづつ治りかけてくると好きなことができるようになってきます。まずは好きなことを少しづつ行ってから、リハビリをしていきましょう。

【音に敏感になる】
 うつ病になるととても音に敏感になります。外で話している笑い声や、水道の水が落ちる音など、いままでは全く気にならなかったことに対して敏感になります。なので夜寝るときに耳栓をして寝るようになる方もいます。

【常に飲み水がないと不安になる】
 水を飲むという行為には緊張感を和らげる効果があると言われております。そのため、うつ病になると寝るときも近くに水を置いていないと不安になります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

うつ病と言っても、多彩な症状があり、当てはまった方も多いのではないでしょうか。癌の「早期発見、早期治療」という言葉がありますが、うつ病も早めに休養をとるなどの予防や受診することで治療しやすくなります。

放置していると重症化、慢性化することもあります。

気になる症状があるのでしたら、早めに精神科を受診させることをお勧めします。

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2020.12.14

休職から復帰後の働き方|メンタルヘルス

 うつ病とは、ひどく気分が落ち込み、何をするにも億劫になるなどうつ的思考が特徴的な精神障害です。うつ病が進行すると、生活に支障をきたし、家事をしたり、仕事をしたりといった今までできていた当たり前のことができなくなります。

厚生労働省によれば、うつ病の再発率は60%という研究もあります。アメリカの研究では、うつ病から完全に回復した人の割合は3分の2ですが、全体のうち再発を繰り返す人は6割いるとの報告があり、日本と同様の結果が示されました。

うつ病から完治したけれど、いつか再発するのではないかと心配を感じている人は少なくないのではないでしょうか?また仕事にようやく復帰し、少しずつ慣れてきて、家族からも喜ばれ、元の生活が戻ってくるほど、再びうつ病になるかもしれない不安をより一層感じる人もいるでしょう。今回は、再発防止のために心がけるべきことについて、7つのポイントでご紹介します。

まず初めに頭に置いておかなければならないことは「維持療法」を続けるということです。維持療法とは、よい状態を維持するための治療のことです。維持療法を続けながら、少しずつ仕事や家庭での生活に戻っていくことが大切です。抗うつ薬には、第一に辛い症状を改善する、第二に良くなった状態を維持するという2つの働きがあります。実際にこうした維持療法を行うことで、うつ病は再発しにくくなります。

維持療法で回復しても治療を続けていくことはとても大切なことです。しかし、いつまでやるのか分からないと、これからずっと薬を飲み続けなければならないと考え、薬を飲むことが億劫になってしまったり、そろそろいいのではないかと自己判断で薬を飲むことをやめてしまったりといった事態が起きやすくなります。医師に言われてた通りの治療を、決められた期間行うことが再発防止には重要です。医師は患者さんの様子を見ながら、少しずつ薬を減らしていき、飲まなくても大丈夫だになったら、治療は終了します。必ず医師に治療の終了時期は委ねましょう。いつまでやるのか、共有してもらうことで、維持療法が守られやすくなります。

維持療法の終了時期は医師が決定しますが、最低6~12カ月は薬の服用が必要だと考えてください。それはなぜかといえば、1年間を一つの単位として様々な環境の変化が訪れるためです。例えば、会社においては人事異動や各種飲み会、繁忙期などがあるでしょう。また、家庭においては子どもの入学式や卒業式、運動会、3者面談などの行事が入ってくるかもしれません。さらに、うつ病は四季によっても気分が変化しやすい病気であるため、春夏秋冬を経験しながら、上述したような様々な環境の変化やストレスに適応することができるのか、薬を飲みながら、慎重に様子を見ることが必要です。また、同時に主治医の指示の下で薬の量を徐々に減らしていき、問題がなければ薬の服用は終了します。

繰り返しになりますが、薬の服用を医師の判断なく途中でやめることは再発の大きな原因になります。社会復帰できる段階になると、家族などまわりの人が「もう薬を飲まなくても大丈夫なんじゃない?」と声をかけることが多くなります。本人も信頼している家族や周囲からそう言われると、やめてもいいと思う方へ心が傾きます。本人だけでなく、家族も回復後も薬を飲み続けるのことの役割と重要性を理解していることが大切です。

「しっかり寝ること」は再発防止のために重要と言われています。反対に、寝つきが悪い、夜中に何度も目を覚ます、朝早く目が覚めてしまうといった不眠症の症状が見られる場合は注意が必要です。不安なことや悩みごとがあると、睡眠に影響を与える可能性が高いためです。身近にいる家族が時々確認してあげることが必要です。小さな変化に気づくことが求められることがありますが、睡眠が一つの指標と言えます。不眠の症状が見られたら、主治医に相談してみましょう。

生活記録では、その日にあったことや自分の行動、睡眠時間など、生活状況を毎日記録します。生活記録を付けることで、自分の行動や思考をより客観的に見つめることが出来ます。例えば、生活習慣が乱れていたら、それは体に負担をかけている可能性があり、体の疲れが心の負担に繋がる可能性があるので、生活リズムを正す必要があると考えることが出来ます。また、自分の考え方のパターンに気づくこともあります。「一人で何とかしよう」という考えが最近浮かびやすい場合には、一人で抱え込みやすい状態にあるので、少し力を抜いてみる意識を向けることが出来ます。私たちの思考は無意識にパターン化されているので、生活記録を書くことでうつ病に繋がりやすい考え方を見つけることができます。また、問題が起きたり、ストレスを抱えたりしたときにどのように解決するのか考えておくきっかけになります。

うつ病が治ったら「以前と同じように働きたい」とそのように思います。「以前と同じように」会社の中で役割を持って業務をすることはできるかもしれませんが、「以前と同じような」仕事量や仕事時間で勤務ができるとは限りません。以前の働き方がうつ病発症の要因になっている場合があるからです。元々無理な働き方をしていなかったか、客観的に考えてみましょう。うつ病発症の原因となった働き方を繰り返すと、せっかく回復した病気が再発するリスクがあります。

階段を登る人のイラスト(男性)

無理せず、周りに合わせ過ぎず、自分のペースで少しずつ回復してきましょう!

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参考文献:晋遊舎ムック(2020)「うつヌケのお得技ベストコレクション」晋遊舎

2020.12.11

様々なリーダシップ理論|メンタルヘルス

 【様々なリーダーシップ理論】
集団を目的に沿って一つの方向に進めていくためには、成員をまとめあげるリーダーが必要です。リーダーが集団をまとめあげ、集団の向かうべき方向を指し示し先導する過程をリーダーシップと呼び、このリーダーシップに関する理論(リーダーシップ理論)として、数多くの研究者が研究を進めてきました。

【PM理論】
三隅二不二(みすみじゅうじ)によって提唱された、日本で最も有名なリーダーシップ理論です。PM理論のPは「Performance function」、Mは「Maintenance function」の略です。リーダーにPが備わっていれば組織は成果を上げられるようになり、Mが備わっていれば組織はチームワークを強化できるようになるというものです。

【条件即応モデル】
LPCモデルともいい、フィードラーによって提唱されました。Least Preferred Coworkerの略で、「一緒に仕事をする上で、最も苦手な仕事仲間」を意味しています。LPCというのは、最も苦手な仕事仲間に対してでも、どれぐらい好意的な印象をもっているかを測る指標です。LPCの高さで誰がリーダーをするか、またはリーダーシップのスタイルを変更するという考え方が条件即応(LPC)モデルです。

【パス=ゴール理論】
1971年にハウスによって提唱されました。メンバーが目標(ゴール)を達成するためには、リーダーはどのような道筋(パス)を通れば良いのかを示すことに基づいています。リーダーシップスタイルを、指示型、支援型、参加型、達成志向型の4つに分類し、「メンバーの目標達成を助けることはリーダーの職務であり、目標達成に必要な方向性や支援を与えることはメンバーや組織の全体的な目標にかなう」という理論です。

【ホーン研究】
アメリカでメイヨーが行った研究。労働者の作業効率の向上は客観的に評価される環境よりも、職場の人間関係や目標に向けての意識に左右されるという仮説が立てられました。治療を受ける患者が治療者からの期待を感じることで、行動に変容が生じ良くなりやすくなることをホーソン効果と呼びます。ワーク・モチベーション研究において人間関係の基礎となったとされます。

【X-Y理論】
マクレガーが提唱した理論で、人間に対する2つの対立的な考え方を「権限行使による命令統制のX理論」、「統合と自己統制のY理論」とした理論である。

【科学的管理法】
テイラーが提唱した労働者の管理に関する理論。工場労働者の主観的な経験や技能の上に成り立っていた作業を、客観的・科学的に整理して管理するマネジメントの考え方です。

【衡平理論(こうへい)】
アダムスによって提唱された理論。自身と他の労働者を比べて、仕事量と報酬という側面で不公平を感じる場合、不公平を解消し、公平な状態になるような行動をとるとする理論。

【SL理論】
シチュエーション・リーダーシップ理論の略で、日本語では状況対応型リーダーシップと呼ばれることがあります。部下の発達速度に応じてリーダーの行動を変えていこうという理論です。

【二要因理論】
ハーズバーグが提唱した職務満足・職務不満足を引き起こす要因に関しての理論です。人のモチベーションの要因は、「動機付け要因」と「衛生要因」の2種類に分けて考えるべきという理論です。

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※参考文献【公認心理師 試験対策標準テキスト 20~21年版 編著 IPSA心理学大学院予備校】

2020.12.05

虐待と自殺|メンタルヘルス

新型コロナウイルスの影響で、生活様式が大幅に変化しました。それに伴い、メンタルヘルス不調による問題が様々なところで取り上げられております。例年減少傾向であった自殺者数も、コロナの影響で増加してしまい、大変悲しい現状です。

今回は「虐待と自殺」というタイトルでご紹介したい文章がありますので、【待合室に置く「診療研究」現代医療のキーワード2020~2021 「診療研究」563号 「虐待や自殺のない社会へ 相談、通報をためらわないで」 東京都立多摩総合精神保健福祉センター 精神科医 竹内 真弓】から引用させていただきます。

 新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が出され、外出自粛、イベントの中止、在宅勤務が増え、普段の生活リズムが崩れている方も多いかと思います。その中で虐待の通報件数が増えていること、通報を考えなくてはならない状況も増えているという報告が相次いでいます。
7月から若い女性の自殺も増えているという情報があります。原因や対策は今後の分析を待たねばなりませんが、コロナによって、私たちの心のありようが問われていることは間違いありません。統計がとられている当初から、どの年代をみても男性の自殺率が女性よりも多いことが知られています。このことについては、様々な分析が試みられていますが、女性の方が言葉にして相談する機会が多く、ある意味社交的で人に対して開かれているためと考えられます。 
しかし、女性の自殺率がコロナ禍のあとに大きく増加しています。何が起こっているのでしょうか。虐待や暴力、自殺の問題はどこかでつながっています。今回は虐待について取り上げていきたいと思います。
「虐待」という言葉はまがまがしく、恐ろしいものと、とらえてしまうかもしれませんが、この言葉は法律用語として使われています。対象の人の人権が損なわれていることを指しています。2000年から4つの虐待、暴力法が次々とできました。児童虐待防止法(2000年)、DV防止法(2001年)、高齢者虐待防止法(2006年)、障害者虐待防止法(2012年)です。これらの法律では、「国民は通報や虐待防止の努力をおこなう」ことが謳われています。以下虐待を理解するポイントについてまとめます。

【虐待の種類】
虐待には、身体的虐待、心理的虐待、経済的虐待、性的虐待、介護放棄(育児放棄)があります。悪意の有無は関係ありません。「しつけ」「介護熱心のあまり」「世話する人が大変だから」ということで通報や介入を蹂躙してはいけません。それぞれの虐待防止法は差がありますが、虐待をしてしまう人の救済や指導や支援も謳っています。多くの場合、虐待はやりたくてしていることではなく、擁護者、介護者自身が追い詰められた末のSOSなのです。「これは虐待とは言えないのではないか」と自分で判断するのではなく、疑いの時点で通報してください。あなたの秘密は守られます。それが虐待している人にも、されている人にも救いになることがあります。また実際に虐待であるかどうかを判断するのは、都道府県や市区町村などの対応責務のある行政です。

【虐待への介入】
それ以上、虐待が進まないように支援します。決して刑罰を受けるためのものではありません。虐待を受けた方の意向も最大限反映できるように配慮されます。

身体的虐待】
暴力はもちろんのこと、身体的虐待は体への虐待です。状態に合わない無理なリハビリや、適切でない介護、徘徊予防として本人に開けられない鍵をつけること、物を投げつけるなども含まれます。

【心理的虐待】
心理的虐待とは暴言、また本人の症状を罵ったり、笑ったりすることも含まれます。高齢者を子どものように扱ったり、トイレに行けるのにおむつを付けることなども含まれます。

【経済的虐待】
経済的虐待は、本人の同意なしに勝手に財産を使うこと、理由なく本人の金銭を渡さないことを言います。日本は親子間で生活費の境界が薄く、必要に迫られて、このような虐待が起きがちです。

【性的虐待】
性的虐待は性行為の強要だけでなく、ポルノを見せる行為なども含まれ、通報が最も少ない虐待です。おかしいと思ったら女性センターに相談するなど、ためらわずに通報しましょう。

【介護放棄(育児放棄)】
介護(養護)放棄は必要な介護・養護を行わないことです。虐待というと暴力を思いがちですが、そうではない虐待もあります。

【虐待のリスク】
虐待へのリスクは「世話される人の症状が重い」「世話する人が身体、精神の症状が重い」「経済的困窮」「社会的に孤立していてSOSが出せない」「過去に家庭内で暴力があった」などがあります。
虐待や暴力がある場合、家族の歴史の中のでいろんな方向性の虐待が起きていることがあります。権利の方向性が拮抗していたり、1つではなく複数の虐待がおきていることもあります。
公務員、医療関係者、教師、弁護士などの社会的責務のある職業の人には、虐待の通報に関して一般の方より重い責任があります。新型コロナの生活様式は閉塞感、不自由さのため、家族親族の中でストレスがたまった結果のイライラが虐待になっていくことも起きています。

【つらいときには相談することやSOSを出すことが大事】
つらい状況が積み重なり、先が見えない気持ちになると、誰でもうつ状態になり「楽になりたい」「死んだら楽になるかもしれない」と思うことがあります。つらい状況に慣れてしまって、この状況がよくなると思えないあきらめの境地になることがあります。これが積み重なると「死んでしまう以外にほかのやり方はない」と思うようになります。コロナのなか社会の先が見えない状況(生活の変化、経済状態、病気の悪化など)になり、つらい気持ちになっている方も多いと思います。また、外出や集まりが制限され、会食や談話の機会がなくなり、孤独感を持っている方も多いのではないでしょうか。
孤独な時間が続くなかで、「自分はみんなに迷惑をかけている」「自分には価値がない」と思い込んでしまう人もいます。死にたくなるくらいつらい思いがあれば、ぜひ誰かに相談してください。「死にたい」と思っている人でも必ずどこかに「でも生きたい」と思っていることが調査で解っています。「死にたいくらいつらいが、このつらさが和らぐのであれば、本当は生きたい」と思っているのです。

※引用文献【待合室に置く「診療研究」現代医療のキーワード2020~2021 「診療研究」563号 「虐待や自殺のない社会へ 相談、通報をためらわないで」 東京都立多摩総合精神保健福祉センター 精神科医 竹内 真弓】

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2020.12.04

うつ病の治療期間|メンタルヘルス

 今回は「うつ病の治療期間」における当事者の抱きやすい感情や捉えやすいモノの見方についてお話します。

物事に対する捉え方は人それぞれで、ポジティブ思考な人もいれば、ネガティブ思考な人もいるものです。しかし、うつ病の人は単にネガティブなのではなく、物事の受け取り方が合理的ではなく、ゆがみを持っていることが特徴です。この思考は病気により引き起こされる感情であり、本人のせいではありません。「弱くなってはいけない!」「頑張ればできる!」と励まさず、病気を治してあげることが必要です。

思い込み・決めつけ
根拠がないのに自分の考えが正しいに違いないと決めつけて、ものごとを判断してしまいます。自分の考えに合わない部分は、目を向けようとしません。「いつも」「必ず」「絶対」といった言葉をよく使います。

自己批判
なにか問題が起きたときに、すべて自分のせいだと考えて、自分を責めてしまいます。他にもいろいろな理由があるにも関わらず、すべて自分に関連づけて考えてしまうため、つらくなります。

べき思考
なにかをおこなうときに「絶対にこうすべきだ」と考え、終わったことを「ああすべきだった」と思い悩みます。臨機応変に対応できずに、常に自分にプレッシャーをかけるので、苦しくなります。

深読み
ふとした言動などから、相手の気持ちを考えすぎて、きっとこうに違いないと勝手に決めつけてしまいます。根拠もなく、自分を無視したのは嫌いになったからだと思い込みます。

白黒思考
ものごとをすべて「白か黒か」で考えてしまいます。その間のグレーの部分をみることができなくなっています。良いか悪いか、成功か失敗か、0点か100点か、などと極端な感が方になってしまいます。

先読み
自分で先回りをして、悪いほう悪いほうへと事態を考えます。自分の考えで自分の行動をがんじがらめにしてしまい、そのとおりに失敗することもあります。そのため、自分の先読みをますます信じ込むようになります。

うつ病の診断を受けた人はどのような気持ちを経過するのでしょうか。気分が沈むだけでなく、自分について、病気について、治療法はどうなるのか、いつになったら治るのか考えても分からないことばかりで、不安でいっぱいになっています。このような状態である人をサポートする人はとても重要ですが、うつ病がどのような病気なのか分からないとサポートする人も振り回されてしまうことになりかねません。

診断 「自分が何者か分からない」
抑うつ状態が続いてあまりに苦しかったり、生活に支障が出たりすると、自分でも精神疾患を疑い始めます。そこにはうつ病かもしれないと思う反面、否定したい思いもあります。病院でうつ病と診断された時、それでも信じられない人もいますし、苦しかった理由が分かり安堵する人もいます。

今まで他の人と変わらず普通に会社で働いていた生活から、会社に行けず普通の生活が送れなくなると「自分は会社にとっていらない人間ではないか」「薬を飲んでも意欲がわかない。これでいいのか」「寝ていることしかできず、家族に申し訳ない」という気持ちが湧いてきます。

休養 「休み方が分からない」
うつ病と診断されると、医師に「しばらく休んでください」と言われます。しかし、そう言われても、本人にはどうすれば休んだことになるのか分かりません。どうやって時間をつぶそうかと途方にくれるばかりです。しかし、何をしようかと考えていること自体が休んでいるとは言えません。やがて、考え疲れるとボーっとしてきて、次第にこれが「休む」ということだと気がついてきます。

「何もできない」のではなく「何もしない」ことをあえて選択していい時期であり、「何もしないことが仕事」であり「休むことが仕事」と捉えていい時期です。お茶をゆっくり飲んだり、ボーっと室内を眺めたり、音なしでテレビを見たりとゆったり過ごしましょう。

症状 「病気の症状か、性格が変わったのか分からない」
うつ病になって長くなると、自分の性格が分からなくなってきます。いろいろなことから逃げるし、考え方もすべて後ろ向きになってきます。それはきっと「そこにいけば傷つくだろう」「いやな思いをするだろう」と考えているからではないでしょうか。本人は元々そういう性格だったか、病気によるものか分からなくなっていることがあります。しかし、もともとの性格なのではなく、病気により性格が変わったように見えるのでしょう。

ものごとの見方のかたよりに気付くのは、そう簡単ではありません。時間が経つにつれて、少しずつ気がついてきます。うつ病のせいで、デイケアに行けないと思わされていたとしても、時間が経つにつれ、うつ病のせいにして行けないと思わされていた自分に気付くようになります。

受診 「医師への伝え方が分からない」
病気回復のためには、医師とのコミュニケーションが大切です。しかし診察室に入ると、話そうと思っていたことを忘れてしまったり、どう伝えていいか分からなくなってしまったりすることが少なくありません。また、「どうですか」と聞かれ薬だけもらう対応に、医師から「処理」をされているようだと感じる人もいます。しかし、医師は「何でも話してほしい」と思っています。些細なことでも遠慮せずに、率直に伝えましょう。

マイナスな事だけではなく、できるようになったこと、よかったことなどプラスの事も伝えてみましょう。

治療 「薬の正しい飲み方が分からない」
薬への不安から医師の指示通りに飲まないと、かえってよくない結果に繋がります。薬は脳に働きかけ、副作用で苦しむかもしれないと思うと、薬を服用することが億劫になることがあります。自分の判断で薬を飲まず、それを医師が知らずに症状だけ聞いていると、医師は薬が効いていないと判断し、薬の量を増やしたり、別の薬を増やしたりすることにもなりかねません。薬に対して不安がある場合には、率直に医師に伝えるようにしましょう。

うつ病の人は、うつ病的思考から「自分に良いことは起こらない」「自分は何もできない」「自分なんていない方がいい」と自分を追い込む思考が浮かびやすい状態です。繰り返しますが、この思考は病気によって起こるものであり、本人が頑張れば治る、気合を入れたら良くなるというものではありません。本人の状態を理解しながら、励まさず、変わらずに接してあげることが大切です。

最後に、うつ病は再発することがある病気です。なるべく再発を避けるために、以下の3つの点を注意してください。

参考文献)大野裕・NPO法人コンボ(2011)「うつ病の人の気持ちがわかる本」講談社

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