メンタルヘルス

2020.12.04

うつ病の治療期間|メンタルヘルス

 今回は「うつ病の治療期間」における当事者の抱きやすい感情や捉えやすいモノの見方についてお話します。

物事に対する捉え方は人それぞれで、ポジティブ思考な人もいれば、ネガティブ思考な人もいるものです。しかし、うつ病の人は単にネガティブなのではなく、物事の受け取り方が合理的ではなく、ゆがみを持っていることが特徴です。この思考は病気により引き起こされる感情であり、本人のせいではありません。「弱くなってはいけない!」「頑張ればできる!」と励まさず、病気を治してあげることが必要です。

思い込み・決めつけ
根拠がないのに自分の考えが正しいに違いないと決めつけて、ものごとを判断してしまいます。自分の考えに合わない部分は、目を向けようとしません。「いつも」「必ず」「絶対」といった言葉をよく使います。

自己批判
なにか問題が起きたときに、すべて自分のせいだと考えて、自分を責めてしまいます。他にもいろいろな理由があるにも関わらず、すべて自分に関連づけて考えてしまうため、つらくなります。

べき思考
なにかをおこなうときに「絶対にこうすべきだ」と考え、終わったことを「ああすべきだった」と思い悩みます。臨機応変に対応できずに、常に自分にプレッシャーをかけるので、苦しくなります。

深読み
ふとした言動などから、相手の気持ちを考えすぎて、きっとこうに違いないと勝手に決めつけてしまいます。根拠もなく、自分を無視したのは嫌いになったからだと思い込みます。

白黒思考
ものごとをすべて「白か黒か」で考えてしまいます。その間のグレーの部分をみることができなくなっています。良いか悪いか、成功か失敗か、0点か100点か、などと極端な感が方になってしまいます。

先読み
自分で先回りをして、悪いほう悪いほうへと事態を考えます。自分の考えで自分の行動をがんじがらめにしてしまい、そのとおりに失敗することもあります。そのため、自分の先読みをますます信じ込むようになります。

うつ病の診断を受けた人はどのような気持ちを経過するのでしょうか。気分が沈むだけでなく、自分について、病気について、治療法はどうなるのか、いつになったら治るのか考えても分からないことばかりで、不安でいっぱいになっています。このような状態である人をサポートする人はとても重要ですが、うつ病がどのような病気なのか分からないとサポートする人も振り回されてしまうことになりかねません。

診断 「自分が何者か分からない」
抑うつ状態が続いてあまりに苦しかったり、生活に支障が出たりすると、自分でも精神疾患を疑い始めます。そこにはうつ病かもしれないと思う反面、否定したい思いもあります。病院でうつ病と診断された時、それでも信じられない人もいますし、苦しかった理由が分かり安堵する人もいます。

今まで他の人と変わらず普通に会社で働いていた生活から、会社に行けず普通の生活が送れなくなると「自分は会社にとっていらない人間ではないか」「薬を飲んでも意欲がわかない。これでいいのか」「寝ていることしかできず、家族に申し訳ない」という気持ちが湧いてきます。

休養 「休み方が分からない」
うつ病と診断されると、医師に「しばらく休んでください」と言われます。しかし、そう言われても、本人にはどうすれば休んだことになるのか分かりません。どうやって時間をつぶそうかと途方にくれるばかりです。しかし、何をしようかと考えていること自体が休んでいるとは言えません。やがて、考え疲れるとボーっとしてきて、次第にこれが「休む」ということだと気がついてきます。

「何もできない」のではなく「何もしない」ことをあえて選択していい時期であり、「何もしないことが仕事」であり「休むことが仕事」と捉えていい時期です。お茶をゆっくり飲んだり、ボーっと室内を眺めたり、音なしでテレビを見たりとゆったり過ごしましょう。

症状 「病気の症状か、性格が変わったのか分からない」
うつ病になって長くなると、自分の性格が分からなくなってきます。いろいろなことから逃げるし、考え方もすべて後ろ向きになってきます。それはきっと「そこにいけば傷つくだろう」「いやな思いをするだろう」と考えているからではないでしょうか。本人は元々そういう性格だったか、病気によるものか分からなくなっていることがあります。しかし、もともとの性格なのではなく、病気により性格が変わったように見えるのでしょう。

ものごとの見方のかたよりに気付くのは、そう簡単ではありません。時間が経つにつれて、少しずつ気がついてきます。うつ病のせいで、デイケアに行けないと思わされていたとしても、時間が経つにつれ、うつ病のせいにして行けないと思わされていた自分に気付くようになります。

受診 「医師への伝え方が分からない」
病気回復のためには、医師とのコミュニケーションが大切です。しかし診察室に入ると、話そうと思っていたことを忘れてしまったり、どう伝えていいか分からなくなってしまったりすることが少なくありません。また、「どうですか」と聞かれ薬だけもらう対応に、医師から「処理」をされているようだと感じる人もいます。しかし、医師は「何でも話してほしい」と思っています。些細なことでも遠慮せずに、率直に伝えましょう。

マイナスな事だけではなく、できるようになったこと、よかったことなどプラスの事も伝えてみましょう。

治療 「薬の正しい飲み方が分からない」
薬への不安から医師の指示通りに飲まないと、かえってよくない結果に繋がります。薬は脳に働きかけ、副作用で苦しむかもしれないと思うと、薬を服用することが億劫になることがあります。自分の判断で薬を飲まず、それを医師が知らずに症状だけ聞いていると、医師は薬が効いていないと判断し、薬の量を増やしたり、別の薬を増やしたりすることにもなりかねません。薬に対して不安がある場合には、率直に医師に伝えるようにしましょう。

うつ病の人は、うつ病的思考から「自分に良いことは起こらない」「自分は何もできない」「自分なんていない方がいい」と自分を追い込む思考が浮かびやすい状態です。繰り返しますが、この思考は病気によって起こるものであり、本人が頑張れば治る、気合を入れたら良くなるというものではありません。本人の状態を理解しながら、励まさず、変わらずに接してあげることが大切です。

最後に、うつ病は再発することがある病気です。なるべく再発を避けるために、以下の3つの点を注意してください。

参考文献)大野裕・NPO法人コンボ(2011)「うつ病の人の気持ちがわかる本」講談社

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