メンタルヘルス

2020.12.14

休職から復帰後の働き方|メンタルヘルス

 うつ病とは、ひどく気分が落ち込み、何をするにも億劫になるなどうつ的思考が特徴的な精神障害です。うつ病が進行すると、生活に支障をきたし、家事をしたり、仕事をしたりといった今までできていた当たり前のことができなくなります。

厚生労働省によれば、うつ病の再発率は60%という研究もあります。アメリカの研究では、うつ病から完全に回復した人の割合は3分の2ですが、全体のうち再発を繰り返す人は6割いるとの報告があり、日本と同様の結果が示されました。

うつ病から完治したけれど、いつか再発するのではないかと心配を感じている人は少なくないのではないでしょうか?また仕事にようやく復帰し、少しずつ慣れてきて、家族からも喜ばれ、元の生活が戻ってくるほど、再びうつ病になるかもしれない不安をより一層感じる人もいるでしょう。今回は、再発防止のために心がけるべきことについて、7つのポイントでご紹介します。

まず初めに頭に置いておかなければならないことは「維持療法」を続けるということです。維持療法とは、よい状態を維持するための治療のことです。維持療法を続けながら、少しずつ仕事や家庭での生活に戻っていくことが大切です。抗うつ薬には、第一に辛い症状を改善する、第二に良くなった状態を維持するという2つの働きがあります。実際にこうした維持療法を行うことで、うつ病は再発しにくくなります。

維持療法で回復しても治療を続けていくことはとても大切なことです。しかし、いつまでやるのか分からないと、これからずっと薬を飲み続けなければならないと考え、薬を飲むことが億劫になってしまったり、そろそろいいのではないかと自己判断で薬を飲むことをやめてしまったりといった事態が起きやすくなります。医師に言われてた通りの治療を、決められた期間行うことが再発防止には重要です。医師は患者さんの様子を見ながら、少しずつ薬を減らしていき、飲まなくても大丈夫だになったら、治療は終了します。必ず医師に治療の終了時期は委ねましょう。いつまでやるのか、共有してもらうことで、維持療法が守られやすくなります。

維持療法の終了時期は医師が決定しますが、最低6~12カ月は薬の服用が必要だと考えてください。それはなぜかといえば、1年間を一つの単位として様々な環境の変化が訪れるためです。例えば、会社においては人事異動や各種飲み会、繁忙期などがあるでしょう。また、家庭においては子どもの入学式や卒業式、運動会、3者面談などの行事が入ってくるかもしれません。さらに、うつ病は四季によっても気分が変化しやすい病気であるため、春夏秋冬を経験しながら、上述したような様々な環境の変化やストレスに適応することができるのか、薬を飲みながら、慎重に様子を見ることが必要です。また、同時に主治医の指示の下で薬の量を徐々に減らしていき、問題がなければ薬の服用は終了します。

繰り返しになりますが、薬の服用を医師の判断なく途中でやめることは再発の大きな原因になります。社会復帰できる段階になると、家族などまわりの人が「もう薬を飲まなくても大丈夫なんじゃない?」と声をかけることが多くなります。本人も信頼している家族や周囲からそう言われると、やめてもいいと思う方へ心が傾きます。本人だけでなく、家族も回復後も薬を飲み続けるのことの役割と重要性を理解していることが大切です。

「しっかり寝ること」は再発防止のために重要と言われています。反対に、寝つきが悪い、夜中に何度も目を覚ます、朝早く目が覚めてしまうといった不眠症の症状が見られる場合は注意が必要です。不安なことや悩みごとがあると、睡眠に影響を与える可能性が高いためです。身近にいる家族が時々確認してあげることが必要です。小さな変化に気づくことが求められることがありますが、睡眠が一つの指標と言えます。不眠の症状が見られたら、主治医に相談してみましょう。

生活記録では、その日にあったことや自分の行動、睡眠時間など、生活状況を毎日記録します。生活記録を付けることで、自分の行動や思考をより客観的に見つめることが出来ます。例えば、生活習慣が乱れていたら、それは体に負担をかけている可能性があり、体の疲れが心の負担に繋がる可能性があるので、生活リズムを正す必要があると考えることが出来ます。また、自分の考え方のパターンに気づくこともあります。「一人で何とかしよう」という考えが最近浮かびやすい場合には、一人で抱え込みやすい状態にあるので、少し力を抜いてみる意識を向けることが出来ます。私たちの思考は無意識にパターン化されているので、生活記録を書くことでうつ病に繋がりやすい考え方を見つけることができます。また、問題が起きたり、ストレスを抱えたりしたときにどのように解決するのか考えておくきっかけになります。

うつ病が治ったら「以前と同じように働きたい」とそのように思います。「以前と同じように」会社の中で役割を持って業務をすることはできるかもしれませんが、「以前と同じような」仕事量や仕事時間で勤務ができるとは限りません。以前の働き方がうつ病発症の要因になっている場合があるからです。元々無理な働き方をしていなかったか、客観的に考えてみましょう。うつ病発症の原因となった働き方を繰り返すと、せっかく回復した病気が再発するリスクがあります。

階段を登る人のイラスト(男性)

無理せず、周りに合わせ過ぎず、自分のペースで少しずつ回復してきましょう!

参考文献:晋遊舎ムック(2020)「うつヌケのお得技ベストコレクション」晋遊舎

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