メンタルヘルス

2021.02.15

指示が通りやすくなる「仕事のうまい指示の出し方」|メンタルヘルス

 仕事上の行き違いや同僚との会話など、職場では様々なトラブルが起こる可能性があります。自分の中では分かりやすい説明であったとしても、相手にとっては分かりにくいのかもしれません。また、相手が意図やニュアンスを読み取ることが得意でない場合には、他の人と同じように説明するのでは伝わりません。少しのポイントを抑えておくだけで、相手への伝わり方がより分かりやすくなります。参考になりそうなものをぜひ試してみてください。

仕事の指示は、簡潔な言葉で具体的に出す

その1 具体的に指示をする
あいまいな表現や抽象的な指示をしていませんか?

例えば、「昨日言った通りにして」と伝えると、昨日言ったこととは「何のこと」なのかが分からない場合があります。また、「適当にやっておいて」と伝えると、思いもよらない形で提出され「こうじゃない」とやり直しを指示しなければならない場合もあります。これは、指示の仕方が曖昧で「何を」「どのように」してほしいのかというイメージが上司から部下へ上手く伝わっていないために起きています。

WHY:なぜ
場合によっては、目的や理由を伝えることで指示した以上のものを悟ってくれることがあります。「実は緊急で取引先から連絡があって」「今度の会議で使う資料なんだけど」と添えるだけで、部下は迅速に動いた方がいい状況だな、丁寧に作る必要があるな、と状況を把握しやすくなります。

WHAT:何を
仕事内容、依頼内容を明確に伝えます。あれ、それ、さっきのではなく、名詞や動作を言うようにしましょう。例えば「あれやっておいて」ではなく、「印刷をやっておいて」と伝えます。

WHEN:いつ
時期や時間、期限を明確に伝えます。いつまでに、どの時間帯に、というものを言うようにしましょう。例えば「印刷をやっておいて」だけでなく「13時の会議までに印刷をやっておいて」と言えば、いつまでにやらなければいけない仕事か理解することができます。

WHO:誰
誰がやるか、誰とやるか、誰に対してやるのかを明確に伝えます。例えば「今日の会議にはいつもの5人の他に社長も来られるから、コーヒーを用意しておいて」と伝えれば、綺麗なコーヒーカップに淹れた社長用のコーヒーを用意しようと思うでしょう。

WHERE:どこで
場所を明確に伝えます。例えば「終わったら、私のデスクに置いておいて」と伝えることができます。

HOW:どうやって
どうやるのか明確に伝えます。操作方法や準備の仕方、量などを伝えると分かりやすいです。

HOW MUCH:いくらで
お金がかかる場合には、いくら以内か、いくら程度か、いくらかかるか伝えると、よりモノや企画のイメージがつきやすくなります。チームや部下に完全に任せる場合にも「3000円以内で」「企画費は150万だよ」とあらかじめ伝えておくことは非常に重要なことです。

その2 短く、わかりやすく指示を出す
コミュニケーションをとる上で、「今日は暑くて大変だね」「無理しなくてもいいからできるところまでやってみて」などの声掛けは非常に重要なことです。しかし、その一言があるがゆえに本題である指示が通りにくくなる人もいます。伝わりにくさを感じる人に対しては、「○○してください」と仕事の内容だけを伝えることを試してみてください。

その3 言葉よりも文字や図を使って伝える
言葉とは目に見えないものです。目に見えない言葉だけで、指示をされると忘れてしまったり、抜けてしまったり、よく分からなかったりすることがあります。メモに文字で書いたり、紙に図で表したり、手を使って数字や動作を表現したりすると伝わりやすくなります。

言外の意味や皮肉が分からない人もいることを理解する

言葉には裏に意味を含んでいる場合があります。職場で部下に会った時、軽い挨拶で「最近どう?」と言ったのに「何がですか」と言われたことはありませんか?「空気が読めない人だなぁ」というと「空気は読めなくて当たり前じゃないですか」と本気で言葉通り受け取る人もいます。このような人には、裏を読まなければならない言葉を控えるようにすると、すれ違いなく気持ちよく会話することが出来ます。

冗談
焼肉やさんの前で「さあ、牛一頭分を食べるぞ」と言っても、意味が分からなかったり、本気にしてしまったりします。これはただ話を誇張しているだけですが、それを読み取ることができません。

慣用句
「そんなこと朝飯前だよ」「猫の手も借りたい」など言葉や文字と別の意味を持っている慣用句を理解することができません。

決まり文句
「まっすぐ帰って」「安月給」といってように普段何気なく使っている言葉も本人は「道を曲がらきゃ帰れないよ」と思っている場合があります。「今度また飲みに行こう」という言葉も「今度っていつ?」と思っているかもしれません。

敬語
敬語はとても難しいものです。相手や場面に応じて言葉遣いを調整しなければならないので、これが難しい人もいます。職場で上司や取引先の人に友達のような言葉遣いをしてしまい、トラブルになることもあります。

人の気持ちや表情が読み取れない人がいることも理解する

話をする時は、相手の表情や声のトーン、身振り、手振りが気持ちを読み取る上で重要な要素です。しかし、これらの要素から感情を読み取ることが難しい人もいます。イライラした態度をとっても、相手にとってはイライラしていることは分かるけど何に怒っているのか分からないということもあります。また中には、「大声で」名前を読んだり、指示を出したりしただけで、怒られたと感じる人もいます。

例えば、外回りの仕事が終わり、自分は次の予定があるので相手には先に戻っていてほしいと思い、遠回しに「○○さんはどの線で帰りますか?」「今日は疲れたから早く帰りましょう」と言ったとしても、その意図を読み取ることが出来ません。

表情
・相手の表情を見ても喜怒哀楽を読み取ることができない
・表情の変化を感じることができない
・笑顔に笑顔で応えられない
・相手が怒っても気づかない

口調
・口調から相手の気持ちを察することができない
・あいまいな表現が分からない
・優しく話しても怖がる
・怒っている、ほめられている、悲しんでいる…が声のトーンでは分からない
・遠回しな言い方が分からない

しぐさ
・首を縦に振ったり横に振ったりする意味が分からない
・本人も身振り、手振りを使わない
・指で「OK」を作っても通じない

省略した言葉遣いや代名詞を使わないようにする

Aさん「最近、仕事の調子はどう?」
Bさん「まあまあです」
Aさん「きみは?」
Cさん「大変です」

これは自然な会話です。

Aさん「最近、仕事の調子はどう?」
Bさん「まあまあです」
Aさん「きみは?」
Dさん「何がですか?」

今度はAさんの意図がDさんには通じませんでした。Aさんの「きみは?」とは「きみは最近の仕事の調子はどう?」を省略したものですが、省略した部分がDさんには理解できなかったことが分かります。

省略をして通じる人もいますが、Dさんのような人には省略せずに伝えることが必要になります。他にも頼んでいたものに対して「○○さん、用意できた?」と聞くと「何が?」となってしまう人もいます。この人は頼まれたことを忘れていたわけではなく、きちんとしていましたが、本当に「何が、用意できたか」と聞いているのか分からなかったのです。「あれ」「それ」という言葉も何を指しているのか分からない場合があるので、名称で伝える方が丁寧です。

ここまで読んでみると、人によっては苦手なコミュニケーションがあることがご理解いただけたのではないでしょうか?「普通わかるでしょ」という態度で接していると、思わぬトラブルが起こったり、相手の自信を喪失させたりすることになりかねません。人に合わせた指示の出し方、伝え方ができる人になれるように努めることも、自分の能力を高めることだと考えます。参考になれば幸いです。

参考文献:宮尾益知(2019)「コミックで分かる『職場』のアスペルガー症候群」河出書房新社

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