メンタルヘルス

2021.05.07

うつ病を予防しよう

  

ついに5大疾患に

 近年WHOでは、癌、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病に精神疾患を加えて、これらを5大疾患と呼ぶようになりました。衛生状態や健康に対する意識の向上などにより、世界的に身体の病気が減少するのに反して、心の病気は人類の大きな問題となっているのです。

日本の精神疾患の患者数は420万人を超え、特にうつ病の患者数は120万人を超えています。ただしここに上げた患者数とは、医療機関で実際に治療を受けている数であって、未治療の人を含めると実際には500万人近い日本人がうつ病を患っていると推測されています。

かつてうつ病は、遺伝的な要素や性格が大きな原因で一部の人が発病するものと考えられていました。しかし、この数の増加をみると誰しもがかかりうる病気と考えても良いでしょう。また病状も多彩になり、比較的軽症な人が増えてきているという傾向もみられています。

             

うつ病の恐ろしさ

うつ病の恐ろしさは、発病しても気づきにくく、放置しておくと悪化し長引いてしまい仕事や学業への支障をきたすところでしょう。そうなると回復までに年単位の時間が必要となります。また二次的に自殺の問題もあります。

これほど大きな問題のある病気であるにも関わらず、他の5大疾患に比べて、私たちは予防に意識をもっていません。ここでは、うつ病の予防について考えてみましょう。

【うつ病が発症する原因】

 うつ病は様々なきっかけで発症します。仕事や人間関係のトラブル、喪失体験、お金の心配などの心理的なストレスが引き金になりますが、過労による疲労の蓄積や妊娠出産、癌などの慢性疾患などの身体状態が引き金になることがあります。大きな理由もなく発症するケースもあります。       

            

うつ病になりやすい職業

職業別にうつ病のなりやすさを調べた統計があります。それによると一番うつ病になりやすい職業は、医療介護職といった個人のケアをしている人たちでした。そして自分のペースで仕事ができる技術職や研究職にはうつ病の発症が少ないことが分かっています。

医療介護職の場合は、拘束時間が長く不規則であることや奉仕的な仕事のために心の燃え尽きといったものがうつ病を発症させてしまうことが推測されています。

【うつ病の明確な原因はまだ解明されていない】

 実は、うつ病の原因についてはまだ明確な仕組みは解明されていません。脳科学的には、脳神経物質に変化を与える薬物でうつ状態に変化が起きることから、何らかの原因によって脳神経物質の分泌の減少がうつ病の原因と考えられています。

上のことから、うつ病の予防には、まず引き金となる心身のストレスを軽減させることが必要でしょう。疲れをためない、気分転換をする、心配ごとがあるならば早めに相談する、といったことが必要です。

しかし、うつ病は避けられない状況で発症することが多いのです。したがってうつ病に早く気づき、早く対処することが最も大切なことではないでしょうか。癌で言われていますが、うつ病も早期発見早期治療が重要なのです。

近年企業では、健康診断の中にストレスチェクというメンタルヘルスの健診が義務化されました。これは国が打ち出しているうつ病予防のための早期発見早期治療の一つです。

【うつ病かどうかチェックしてみよう】

次の9項目はうつ病の典型的な症状です。当てはまる項目があれば、それらを数えてください。当てはまるものが5項目以上あり、それぞれが一時的でなく2週間以上継続している場合は、うつ病の可能性が高いと思われます。この場合は早めに医療機関を受診するようにお勧めします。

1.気分が沈み落ち込む。空しい。

2.以前楽しめていたことが楽しめない

3.食欲がなく体重が減った。

4.寝付けない、朝早く目覚める、もしくは寝過ぎてしまう、などの睡眠障害がある。

5.大きな理由もなく不安や焦りがある。

6.体がだるくて疲れやすい。

7.自分には価値がない、自分は人に迷惑をかけていると感じる。

8.集中できず仕事の能率が下がった。深く考えられない。

9.死にたい、消えてなくなりたい・人生をリセットしたい。

                                   

また、1項目でも当てはまる場合は、早めに仕事を減らすことや休養をとるなどの対処が必要です。

人には自然治癒力があります。けがをしても傷口が自然にふさがります。精神の病気に対しても自然治癒力はあり、うつ病の軽い状態ならば休養により改善します。 

この時に家族や友人などの相談相手がいることは大切です。また、趣味や楽しみなどの気持ちの逃げ場があることもストレスを軽減させるでしょう。

【アルコールは注意】

楽しみ、と言っても、アルコールだけは注意しましょう。なぜならアルコールは一時的にうつ気分を改善させますが、依存性がつよいために徐々に量が増えていきます。さらにアルコールは体内でアルデヒドという物質に変わり、これは不眠やうつ病を悪化させる作用があります。うつ病がきっかけでアルコール依存症になってしまうことも多いのです。

サプリメント

ドラッグストアではうつ病に効くというサプリメントがいくつかあります。残念ながら医学的にきちんと効果を証明されているものはありません。有名なものでは、ヨーロッパで古くから使われているセントジョーンズワートがありますが、これも効果がきちんと証明されたわけではなく、他の薬物との飲み合わせの悪さも指摘されています。栄養バランスのとれた食事が取れているならば、無理をしてサプリメントを取る必要はありません。

治療で大事なこと

自然治癒力を働かせる最も大切なことは、十分な睡眠と食事です。逆に言うと、睡眠と食事が取れていないと自然治癒力が働きにくいのです。不眠症と食欲不振の項目が当てはまる方は積極的な治療が必要かもしれません。本格的な抗うつ薬を服用しなくても、睡眠薬や軽い安定剤だけで睡眠と食欲が改善し、それがきっかけになりうつ病も改善することもありますので、医療機関に相談しましょう。

まとめ

うつ病の予防についてみてきました。日々のストレスを軽減することを試みましょう。そして、心身の変化に気をつけ、早期発見早期治療の考え方を持つことが大切です。

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