メンタルヘルス

2021.07.27

産業医にパワハラ相談をするのは適切なのか

  パワハラ相談を苦手とする産業医が多い

 産業医には、高ストレス者面談、健康診断後面談、休職復職判定、職場巡視など、様々な職務があります。最近では、従業員のメンタル面での職務が増えています。メンタル面の問題と言えば、産業医に対してパワハラ相談をすることは適切なのでしょうか。

実際の現在の実情について解説していきます。

 まず、事業所人数が50~999人の場合は嘱託産業医が、1000人以上であれば専属の産業医がいます。専属の産業医となればいわゆる学校で言うところの保健室に常駐してくれるので、何かあった際にはすぐ相談できる体制となっています。しかし、嘱託産業医の場合は、1、2ヶ月に1回会社に訪問するだけなのでそこまで会える機会がありません。

また、産業医に相談するためには、人事担当者などに相談し、産業医面談を日程調整をしてもらう必要があります。隠れて、自社の産業医を調べて、勝手に面談を行うということはできません。

つまり、産業医にパワハラ相談をしたい場合には、会社側にまずそのことを伝える必要があるのです。パワハラ相談はとてもデリケートな部分ですので、最初から会社側に開示し、相談するというのは、なかなか抵抗があるのではないでしょうか。

 それでは、まずメンタル不調を訴えて、産業医面談を取り付けてもらい、自分自身の不調を伝えつつ、職場でパワハラを受けていることを相談する場合はどうでしょうか。

確かに、産業医の職務として、働きやすい職場をつくるというものがありますので、安全衛生配慮義務の観点から、産業医が指導したことに対して、会社側は職場改善をしなくてはなりません。

ですから、パワハラを受けていることを伝えて、産業医から衛生管理者や人事担当者などに伝えてもらうというのも効果がないわけではありません。しかし、実際には、パワハラ相談を対応するのが苦手な産業医が多いようです。産業医は医師ですので、医学に関するスペシャリストではありますが、パワハラ対応を学んでいないことが多いのです。

⇒「産業医面談って意味ないの?

本来のパワハラ対応はどうあるべきでしょうか?

基本的なパワハラ対応の流れは以下になります。

①パワハラ被害者が相談してくる

    ↓

②パワハラ被害者のケア(これがまず第一優先です)

    ↓

③パワハラ被害者と相談し合い、会社側にどこまで伝えるかを検討

    ↓

④パワハラ被害者の同意を得た上で、現状を会社の担当者(人事責任者など)に伝える

    ↓

⑤パワハラ行為者や周りから事実聴取 

    ↓

⑥解決、処罰を決定

    ↓

⑦その後も、パワハラ被害者のケアは継続

見ていただいた通り、パワハラ対応は何度も面接を重ね、綿密かつ慎重に行わなくてはいけません。また、パワハラ被害者のケアを優先として対応するため、どちらかというとカウンセリング的アプローチが必要になってきます。

以上のような理由で、パワハラ相談を産業医にするのは現実的でないと言えます。

 

パワハラ相談に関しては、産業医とは別で相談窓口をつくることがおすすめです。相談窓口の相談員は、評価を下せる役員や人事は適切ではないので、外部の相談窓口に委託するべきでしょう。

まとめ

藁をもすがる気持ちで産業医にパワハラ相談をしたのに、きちんと対応してくれなかったという経験がある方も多いのではないでしょうか。産業医はあくまで職場のお医者さんという立ち位置です。産業保健スタッフという形でカウンセラーの指導的立場としている可能性もありますが、実際のパワハラ対応を苦手としている方が多いのが現状です。

あらかじめその点を念頭に置いた上で、会社の相談窓口のほうに相談するようにしましょう。

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