メンタルヘルス

2021.08.11

復職後の手順を解説|再発を予防するために

  うつ病で休職し、復職後の再発率はとても高く、また休職に戻ってしまうケースが多くあります。再発を予防するためには、職場の対応が重要なポイントになります。復職後、会社としてどのように社員をケアしていけば良いかをご説明します。

【復職判定の段階】

 会社が産業医と契約している場合は、産業医に復職判定を任せますが、一般的には産業医がいない会社の方が多いかと思います。産業医がいない場合、必ず主治医の意見書を確認し、本人と話し合いをした上で判断するようにしましょう。

基本的には、主治医の意見が中心になりますが、どうしても職場が繁忙期であったり、復職してしまうと好ましくない状況下では、本人にそれを伝え、主治医から意見をきくことにしましょう。現在の職場状況なども考慮した上で、判断することも必要です。

また、復職のペースなどの今後の働き方についても、主治医の意見を土台にあらかじめ決めておくことが必要です。

【復職後】

 うつ病では、復職して1年間くらいが最も再発が多いと言われています。次のような3段階に分けて少しずつ仕事量を増やしていくことが良いでしょう。その際は、必ず産業医もしくは主治医に相談して許可を受けるようにします。ここで紹介する期間はあくまでも目安です。人によってはこれよりも長くかかる場合もありますので、臨機応変に対応しましょう。

1.適応期

 復職直後からは適応期です。だいたい3ヶ月くらいが目安でしょう。この時期は出勤するだけで十分と見てあげてください。なによりも出社する習慣を取り戻すことが目標の期間です。

 職場によっては、午前中だけの勤務、週3日だけの勤務など軽い勤務状況から始めることが多いようです。もちろん残業はよくありません。

 本人が仕事に穴を開けてしまった焦りから、それを取り戻そうと必死になって働こうとする場合もあります。それは良くないので、職場側がブレーキをかけてあげて、仕事に余裕あるペースを保てるように管理してあげましょう。

2.回復期

 適応期が終わり、出社に慣れてくる時期です。だいだい3ヶ月から半年くらいが目安です。休職前に近い程度の仕事をこなせるようになっていますが、無理は禁物です。残業も好ましくありません。

 うつ病の再発は良くなってから1年間が最も多いと言われています。引き続き管理者はケアを怠らないようにしましょう。

3.安定期

 適応期と回復期を経て、ほぼ休職前の業務をこなせるようになる時期で、ある程度の残業も可能になっていきます。復職して半年以降が目安です。

 しかし、ここで休職前の業務量に戻すと再発の恐れがあります。業務を増やす場合は必ず産業医や主治医に相談しましょう。

 ただし、本人がキャリアップを望んでいるのにも関わらず、窓際族のように扱ってしまい仕事を増やさないことも問題があります。本人とよく話し合いながら、任せる仕事量を増やすことが必要でしょう。少しずつ他の社員と同じように接していくことが大切です。

【注意すべきこと】

 ・周りの社員に対しての伝え方

 復職で戻ってきた際に、周りの人はとても気を遣ってしまいます。できるだけいつも通りに接して大丈夫であることを伝えましょう。また、周りの社員も混乱しないように病状のどこまでを伝えて、どこまでを伝えないかを本人と相談することはとても大切です。

 直属の上司は、ある程度気を遣い、業務態度の変化のチェックを怠らないようにしてください。再発を防ぐためには、周りで気を遣ってあげることが大切ですが、気を遣い過ぎるのは、逆に居心地が悪くなります。こうしたバランスは大変重要です。

・優遇し過ぎるのはNG

 復職者に無理をさせないことは大切ですが、優遇し過ぎるのはNGです。例えば、出勤したい時に出勤する、帰りたい時に帰ってもよいなど、就業規則にないような条件を本人が言ってきた場合は、許可するのは避けましょう。

ある程度臨機応変に対応するものの、復職したからには、他の社員と同じような規則で働いてもらうことが大切です。例外過ぎる待遇だと他の社員が不満も感じてしまいます。

・家族に勝手に連絡しない

 職場状況からでは本人の状態を全て把握することはできません。しかし、心配だからといって、本人の許可なく連絡することはしないようにしてください。ただし、職場で「死にたい」などと口をし、希死念慮がある場合はこの限りではありません。

まとめ

 復職後の再発率はとても高く、再発予防のために会社側の対応はとても大切です。社員ごとの復職対応というよりも、誰に対しても一貫した対応をとれるようあらかじめマニュアル化しましょう。休職者を出さない職場を目指すことが大切ですが、いざという時に対応できるように社内で話し合いの場を設けることが必要です。

⇒「社員が休職した場合の対応|会社ですべきこと、すべきでないこと

※参考文献「うつヌケのお得意技ベストセレクション(周囲の人ができるうつ病対策会社編) 発行 株式会社晋遊舎」

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