メンタルヘルス

2021.09.04

子供の代表的な心の病気7つ

  コロナ禍で家庭内での子供の虐待やネグレクトが増えていると聞きます。虐待やネグレクトは子供の心に大きな傷を与えて、心の病気になることがあります。しかし、このような特殊な環境でなくても子供に心の病気が起こる場合があります。

 例えば、勉強のストレス、学校のいじめ、両親の離婚、家族の病気や事故、両親がけんかばかりしている、家庭内にルールが多くそれに外れることが許されない、こうした日常的なストレスが子供を心の病気にしてしまうことがあります。

親が「これくらいのことは一人で乗り越えられるはずだ」と思うような出来事でも、子供にとってはすでに大きな心の傷になっていることがあります。子供は大人よりも敏感であり、大人の視点からは大したことがないと見えることが、子供にとって我慢ができない大事件であることがあります。

 それではどのような心の病気があるのか、子供に多く見られる心の病気を具体的に紹介します。

【7つの代表的な子供の心の病気】

心身症

 子供は言葉で表現することが未熟な分、心の中で起きていることを口で訴えることができません。子供の心の病気は体の症状や普段と違う言動で表に現れやすいのが特徴です。心の辛さが体の症状として出ることを心身症と呼びます。

例えば、学校へ行こうとするとお腹や頭が痛くなる、というのがよく見られる症状です。痛みは頭や腹に限らず、体のあちこちの痛みを訴えることもあり、微熱が伴う場合もあります。他にも、下痢、吐き気、めまい、立ちくらみ、などの自律神経の症状から、疲れやすく体調が悪いといった体全体の不調で現れることもあります。

 小児科や内科で実際に体に異常がないかを診てもらい、特に問題がない場合は心身症の可能性があります。「小児科で何でもないと言われたから、ずる休みだ」というのは間違いで、子供自身は苦痛を感じています。心身症を診ている小児科や小児精神科を受診しましょう。

うつ病

 うつ病というと気分が落ち込み元気がなくなるというイメージがありますが、子供のうつ病はこれに限りません。睡眠リズムがおかしくなり、学校へ行く時間になっても朝起きられない、という症状から気づかれることが多いようです。他にも、機嫌が悪くすぐに怒る、ゲームにのめり込む、疲れやすい、食欲がなくなる、自傷行為など普段と違う言動として現れます。

 心身症と同様に小児科で体に異常がないかを診てもらい、特に異常がない場合は、小児精神科を受診しましょう。

チック

 激しいまばたき、首をふる、肩をすくめる、しかめ面、など急に体が勝手に動いてしまう症状をチックと言います。自分の意志と関係なく突然筋肉が動いてしまいます。「やめなさい」と注意しても、子供は意識してやっているわけではないので、効果がありません。ストレスの原因を解消して様子を見てあげると比較的自然治癒しやすい病気です。

強迫症

 強迫症とは、汚れや事故が起きることが不安で何度も確認をする病気です。長い時間手を洗い続ける、忘れ物や身だしなみのチェックを続ける、鍵を何度も開け閉めしてしまっていることを確認する、電気やガスが消えているか何度も確認する、などが見られます。

社交不安症

 社交不安症は、以前は対人恐怖と呼ばれていました。極端に人見知りであったり、臆病で人前に出ることを怖がるものです。小中学生のひきこもりの大きな原因にもなります。

 強迫症と社交不安症はともに不安の病気であり、生活上の不安の原因を取り除いてあげることが必要ですが、脳の機能の問題もあり薬の治療が効果的です。

摂食障害

 食事は心の健康のバロメーターでもあります。体重の急激な変動はうつ病であったり、小中学生の女児の場合は摂食障害の可能性もあります。痩せているアイドルにあこがれたり、美容を意識し過ぎて拒食や過食嘔吐になっていることがあります。お腹がへっているのに食べようとしない、過食をしてトイレで吐いているなど、食べ方がおかしい場合は注意が必要です。

自傷行為

 ストレスを我慢していると、爪かみ、髪の毛を抜く、リストカット、など自分を傷つけることがあります。逃げ場のない気持ちを自分の体を傷つけることで解消していると考えられています。

 子供の心の病気を7つあげましたが、背景に発達の遅れがあり、学校の集団生活についていけなくなっているために症状が出ていることもあります。

【大切なことは】

 ともかく子供の異変に早く気づく、そして何がストレスなのか気づいてあげることが大切です。子供は心の中で起きていることを言葉で表現できないだけではありません。訴えたいことがあっても親に理解してもらえないと思っているので、あきらめて言わない場合もあります。子供の言動に異変があったならば、まず頭ごなしに否定しないで話せる環境をつくりましょう。

 子供が心の病気になったら、まず学校や習い事は休ませるなど無理をさせずに家でゆっくりさせることが基本です。しかし、親として勉強に遅れてしまうことが不安で、長期に学校を休ませたくないというのが本音でしょう。小中学校の時に社会から脱線してしまうと、今後も一生まともな職業につけないのではないか、世間に置いて行かれるのではないか、と不安になります。

 しかし、いまの日本は社会へ出るまでに色々なルートがあります。有名な学校を出たから将来が約束されるわけではありません。フリースクール、チャレンジ校、高卒認定などの様々な教育のルートがあり、この間に勉強以外で才能を伸ばす人もいます。大きな企業では障害者の雇用が進んでおり、万が一社会に出る場面で病気が治っていなくても障害を持ちながら働くこともできます。

 将来のことを心配しすぎて、今の子供の気持ちの逃げ場をなくしてしまい、家庭内暴力やひきこもりにまで追い込まないようにしましょう。

 子供の心の病気で小児科を受診される方が多いですが、メンタル系が不得意な小児科医もいます。心の病気に詳しい小児科か小児精神科医を受診することをお勧めします。また、子供にはあまり薬を飲ませたくないと思う方もいますが、慢性化しないためにも早めに薬の治療を行い、辛い症状を改善してあげることが必要です。

トラックバック

トラックバックURL:

コメント

コメントフォーム

カレンダー

«9月»
   1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30   

ブログ内検索

最近のエントリー