メンタルヘルス

2021.10.01

躁うつ病について(双極性障害、うつ病、躁うつ病の違い)

 マライアキャリーが、躁うつ病の治療を受けていることを2018年のインタビューで公表しました。躁うつ病と言えば、古くは作曲家ベートヴェン、シューマンが有名です。

日本の作家でも、夏目漱石、宮沢賢治、太宰治なども躁うつ病であったことが知られています。エネルギッシュな芸術活動や派手な私生活をしたかと思うと、いつの間にか表舞台から消えてひきこもることを何度も繰り返すのが特徴です。躁状態とうつ状態を繰り返すために躁うつ病と呼ばれています。

           

  

【躁状態とは】 

 躁状態とはあまり聞かない言葉ですが、気が大きくなり、活動的で寝ないでも元気な状態です。色々なアイディアが頭に浮かび、よく話し社交的になります。しかし、良いことばかりではありません。落ち着きがなくなり、浪費が多く、ブランド品を買い漁ったり、何度も海外旅行をして、ついにはクレジットカード破産してしまうこともあります。不注意で交通事故を起こしたり、喧嘩っ早くなって、警察沙汰になることもあります。

【うつ病と躁うつ病の違い】

 うつ病と躁うつ病の違いは、躁状態があるかないかのように考えられていましたが、10年ほど前からうつ病と躁うつ病はかなり違う病気であることが分かりました。きちんと区別するために、最近では躁うつ病を双極性障害と呼ぶようになっています。双極とは躁とうつが感情の両極であることから来ています。

 うつ病とは、ストレスから誰でもなりうる病気であり、休養と治療で数か月~数年間で治る病気です。躁うつ病はやはりストレスが引き金になりますが、10~20代で発症し、遺伝的な要素がつよく、治りにくい病気です。

 躁うつ病でも、軽い躁状態であると本人は不快感がないために病院を受診することはありません。うつ状態になった時に初めて受診するようになります。受診した時に躁状態があったことを医師に伝えられると躁うつ病の診断がつけられるのですが、気付かなかったなどの理由で申告されないことが多いようです。そのために躁うつ病でありながら、うつ病と診断がつけられることがあります。

                 

 では、うつ病と診断された躁うつ病がどのようにして判別されるかと言うと、うつ病治療の薬が効かなかったり、治療の途中で躁状態になることで改めて診断されます。統計では、最初にうつ病と診断された人の2割が、後に躁うつ病と診断されると言われています。うつ病と言われて10年目にして改めて躁うつ病と診断されたということも少なくありません。

【躁うつ病のタイプ】

 躁うつ病には2つのタイプがあります。躁状態とうつ状態があらわれるⅠ型と呼ばれるものと、躁状態は軽く短く、うつ状態が重く長くⅡ型と呼ばれるものです。特にⅡ型はうつ病と間違えられやすい傾向があります。うつ病と診断されてなかなか治らない場合は、このⅡ型の躁うつ病の可能性があります。

【うつ病と躁うつ病を区別する方法】

 うつ病と躁うつ病を区別できる検査法として光トポグラフィーという検査があります。椅子に座って装置を頭につけ、脳の血流を測定するものです。脳の血流の変化の違いでうつ病、躁うつ病、統合失調症かを区別することができます。健康保険の適応があり、2000円程度で受けることができます。自費になりますが、10000円程度で希望すれば誰でも受けさせてもらえる病院もあるようです。

 ただし、光トポグラフィーの信頼度は7割前後のために、診断を確定できるものではありません。あくまでも補助的に行われるもので、すべてのうつ病の患者さんに行うことはありません。

    

【躁うつ病の原因と治療】

 躁うつ病の原因として、脳のいくつかの部分の働きに異常があることが認められています。気分安定剤や抗精神病薬という薬により脳の働きを改善させることで治療の効果があります。デパケン、リーマス、ラミクタールなどの気分安定薬、ジプレキサ、エビリファイ、セロクエル、リスパダールなどの抗精神病薬がよく処方されます。

ただし、この薬なら必ず効くという確実な薬はありません。いくつかの薬を組み合わせたり、うつ状態がつよい場合は抗うつ薬を使うこともあります。躁うつ病に抗うつ薬を使ってはいけないと言われていた時期もありましたが、最近は効果があるケースには処方されることがあります。

 躁うつ病の治療は長くかかります。治ったと思っても何かのきっかけで再発することが多く、再発率は9割と言われています。ほとんどの人は再発するために、いかに再発させずに予防するか、万が一再発しても早めに対処することが必要になってきます。

これは、糖尿病や高血圧の治療に似ています。糖尿病や高血圧は長く薬を服用し、日頃から食事や運動を心がけて予防します。病気を追い出すことを考えるのでなく、むしろ病気があることを受け入れて、病気をコントロールすることを目標にするのです。

 躁うつ病の場合も長く薬を服用しながら、過度のストレスは避けるようにして、規則正しい生活を心がけます。特に睡眠をきちんととることが重要で、過眠や不眠などの睡眠の変化が再発のサインであることが多くあります。病気を理解し、医師や家族と協力しながら自分で病気をコントロールする手段を学んでいくことが大切なのです。

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