メンタルヘルス

2021.11.08

自殺の直前9つのサイン

 日本の自殺者は2003年から減少傾向にありましたが、コロナ禍の2020年から増加傾向に変わりました。2019年の自殺者はおよそ2万人でしたが、2020年は2万1000人を越えています。特に女性や若い人の自殺が増えています。コロナ禍での女性雇用の問題、学校生活の問題などが原因と考えられています。

                 

 

【自殺の原因は一つではない】

 自殺された方の7割には遺書がありません。亡くなった方からは話を聞けませんから、自殺した方の多くは本当の原因が分かりません。残された家族の話などから、自殺の原因を推測して、ようやく7割くらいの方の原因が判明します。

原因は一つでなく、お金の問題、家庭の問題、仕事の問題など、さまざまなことが重なり起こるようです。また、一人暮らしや失業中など、孤独な状態にある人がかなりの数を占めていました。自殺と孤独は関係が深いのです。

【精神疾患と自殺の問題】

 自殺者の半数以上に精神疾患があることも分かっています。そのうち、うつ病が半分を占め、次に統合失調症アルコール依存症が続きます。病院にかかっているからと言って安心ではないのです。

回復の過程で衝動性がつよくなる場合もありますし、病気を告知されて絶望的になることもあります。また治療の薬を自殺目的で使ってしまう場合もあります。

【衝動的に自殺を実行してしまう】

 救命センターには、飛び降りや過量服薬などの自殺を試みて、一命をとりとめた人が運ばれてきます。体の状態が落ち着いたところで、精神科医が心のケアをするために、どうして自殺を試みたのか尋ねます。しかし、不思議なことにほとんどの人が前後のことを憶えていません。

辛いことが重なりパニック状態となり、気が付いたら救命センターのベッドの上にいた、という感じです。自殺を実行した瞬間は混乱して普通の精神状態ではないのです。普通ならば、「痛いだろうな」、「家族が悲しむだろうな」などという思いが湧いてきて自殺にブレーキがかかるのですが、それがなくなってしまうのです。

 借金、仕事の失敗、失恋、いじめなど、辛いことが重なり生きる意欲をなくした人、うつ病や統合失調症の症状で死にたい気分がある人、子供の頃からいつも死にたい気分がとれない人、こうした人が何らかの出来事が引き金となり、衝動的に自殺を試みることが多いようです。

引き金とは、頼りにしている人に裏切られた、恋人との別れ話、友人から突き放すような言葉、家族とけんかをした、などの人間関係のトラブルが多いようです。お酒や薬の飲み過ぎ、違法薬物により理性が弱って衝動に負けてしまうこともあります。

 自殺の危険を示すサインに気づき、自殺をくいとどめてくれる人を「命の門番」という意味で「ゲートキーパー」と呼びます。世の中にゲートキーパーが増えれば自殺者も減ってくるでしょう。誰もがゲートキーパーになれるように、ここでは自殺の直前のサインを9つ紹介します。

【自殺の直前9つのサイン】

1.いつもと雰囲気が変わる

 表現が暗く元気がなく、以前と雰囲気が違います。情緒が不安定で、不機嫌であったり、怒りっぽかったりもします。逆に不自然に明るく振舞うこともあります。

 今まで関心があったものに興味がなくなり、趣味の場に参加しなくなります。身なりにも構わなくなり、おしゃれだった人が化粧もせず、何日も同じ服を着ても平気でいられます。

2.自殺をほのめかす

 ストレートに「死にたい」と訴えることもありますが、遠回しに「目が覚めたくない」「明日が来ないで欲しい」「知っている人がいないところへ行きたい」と自殺をほのめかす言葉を言うことがあります。

 ネットで自殺について調べたり、具体的な計画をしたり、そのために練炭や薬品などを買います。パソコンに遺書を書いたり、自殺の名所を訪れることもあります。大切なものを整理して人にあげる場合もあります。

3.飲酒が増える

 いつもより飲酒量が増え、毎日意識がなくなるまで飲もうとします。酔って事故や怪我をすることもあります。過度の飲酒は理性を失わせるために、飲酒状態での自殺はたいへん多くあります。

       

4.命をかえりみない危険な行為をする

 決められた量よりもたくさんの薬を飲んでしまいます。お酒と薬をいっしょに飲み、意識を失うこともあります。飲酒運転などの危険運転をします。違法薬物を乱用することもあります。

5.体調が悪くなる

 食欲がなく痩せる、眠れない、頭痛などの体の痛み、などの体調不調を訴えることがあります。これらは、うつ病統合失調症の初期症状の場合があります。すでに通院中であるならば、治療の薬を勝手にやめてしまったり、病状が悪化しているサインでもあります。

6.ひきこもる

 学校へ行かなくなったり、仕事をやめたりして、家にひきこもります。心配した友人からの電話にも出ません。人付き合いがなくなり、社会的に孤立します。孤独は自殺の大きな要因になります。

               

7.突然の家出、失踪、放浪

 これは衝動性があることを示しています。もしかすると解離症状と言って、自分の意識がなくなり、誰かに操られるようにどこかへ行ってしまう症状かも知れません。自殺のリスクの高い危険な状態です。

8.家族や友人とけんかをする

 些細なことで家族、友人、恋人とけんかをします。けんかで興奮すると、衝動性がつよくなり自殺の危険性が高まります。親子げんかの末に「ベランダから飛び降りて死んでやる!」と吐き捨てたところ、「やれるものならやってみろ!」と親が返してしまい、実際に飛び降り自殺してしまったケースもあります。

                  

9.家族や知人、憧れていた人の死

 大切な家族や恋人が突然亡くなった、憧れていたアイドルが自殺した、こうした喪失体験から、その後を追うように自殺することがあります。

 

まとめ

 以上、自殺の直前のサインを9つ紹介しました。周囲の人の目には、死のうと考えている人がわがままに見えてしまうことがあります。そんな時によけい追い詰めてしまったり、口論になってしまうこともあります。けんかの後に相手が死を選んだら、残された人は一生後悔が残ってしまいます。ここに紹介したサインに気づいたら、争いはやめて手を差し伸べるようにしましょう。まずは冷静になって話を聞いてみることが大切です。

その他ブログ:死にたいと打ち明けられた時の対応の仕方

カレンダー

«11月»
 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30     

ブログ内検索

最近のエントリー