メンタルヘルス

2022.01.05

レジリエンスのつよい性格

 同じコロナウイルスにかかっても、風邪症状で終わってしまう人から重症化して亡くなる人もいます。このような個人差が出るのは、人の体には免疫と言う病気にかかりにくい抵抗力があり、この免疫の力が個人によって異なるからです。

  

レジリエンスとは

 心の病気に関しても、同じストレスを受けながら何も感じない人もいれば、心の病気になる人もいます。例えば、災害の被害を受けると、2割くらいの人がPTSDという病気になります。同じ被害を受けながら8割の人がPTSDになりません。これは、人の心にも体の免疫に似たものがあり、その差によって、心を病む人と病まない人がいるのです。

このようなストレスへの心の抵抗力をレジリエンスと呼びます。レジリエンスとはストレスを跳ね返すという物理の言葉から来ています。心の免疫に相当するものがレジリエンスであり、心のつよさとも言えるでしょう。

 すでに何らかの心の病気になっている人でもレジリエンスをつよめればその病気を跳ね返す力になります。レジリエンスは病気からの回復にも関係しています。

 具体的にレジリエンスとはどのようなものでしょうか?レジリエンスは脳の機能など様々な分野で研究されていますが、心理学ではレジリエンスに関係する性格の特徴が知られています。ここでは、レジリエンスがつよい性格の特徴を7つ紹介しましょう。

レジリエンスがつよい性格の特徴7つ

1.楽観的

 いつも「なんとかなるさ」という姿勢でいる人はレジリエンスがつよい人です。コロナウイルスで世界が大変なことになっていますが、コロナのニュースを聞くたびに「世界が滅びてしまうのではないか」と考える人はレジリエンスが弱く、「マスクさえしてれば大丈夫」、「ウイルスはいつかなくなる」と考えるような人はレジリエンスがつよいのです。

 楽観的になるとは、「病気はいつ治るのだろう」、「いつまで薬を飲まされるのだろう」と考えるよりは、「いつか治るだろう」、「医者を信じてしばらく薬を飲んでみよう」と気楽に考えることです。「病気を克服しよう」とがんばるよりも、治るのを気楽に待っている方が治りは早いということです。 

2.一喜一憂しない

 物事に一喜一憂しやすい人は、良いことだと喜びすぎて慎重さを失い、悪いことだと不安になり過ぎてもっと悪いことを考えてしまいます。感情に振り回されて心が安定しない人はレジリエンスが弱いのです。何かに動揺しても、一旦冷静になって客観的に考えることができる人はレジリエンスがつよいのです。

 心の病気は数か月単位でゆっくり回復します。日々の回復は、良くなったと思っても、翌日には悪くなり、例えれば「3歩進んで2歩下がる」というイメージです。症状が変化する度に「良くなった」「悪くなった」と一喜一憂しては心が安定しません。症状が「良くなっても慎重に」「悪くなっても希望を失わない」という姿勢が大切です。

3.すぐに諦められる

 諦められるとは、執着しないということです。終わったことなど、どうにもならないことに執着しない人はレジリエンスがつよい人です。病気で夢や理想を失ってしまうことがあります。失った夢、理想は取り戻せないので、できるだけ早めにあきらめて、次の目標をつくる方が病気の回復につながります。 

 また、病気になると、誰のせいで病気になったと原因を考えがちです。それに執着していると恨みの気持ちが増幅するだけで、病気はよけい悪くなってしまいます。原因を追究するよりも、「これからどうしよう」と考える方が病気を跳ね返す力になります。病気を通して新しい人生にリセットです。

4.良い面を見つけられる

 物事の悪い面よりも、良い面を見つけられる人はレジリエンスのつよい人です。職場の嫌な上司でも、「実はこんな良い面もある」と気づける人は、それほどストレスを感じずにやっていくことができます。

 病気になると悪いことばかりです。でも注意して探してみると良いことがあるかも知れません。「病気で会社を辞める羽目になったけれども、家族の絆を深めることができた」と、病気になっても良いことに気づける人は回復も早くなります。

                       

5.人のために生きる

 人間は、自分の利益のために生きるよりも、愛する人や大切な人のために生きようとすると力が湧いて来ます。これがレジリエンスになります。家族のため、友人のため、社会のためと目的は様々ですが、自分以外の存在のために生きることは心の病気になりにくいのです。

 しかし、病気になってしまうと自分のことで精一杯になります。人に何かしてあげることは難しいかも知れません。そんな時は、家族や仲間や同じ病気で苦しんでいる人のために祈ってあげるだけでもレジリエンスはつよくなります。

6.ユーモアがある

 ヒロシというお笑い芸人を知っていますか?自虐ネタといって、人気がないこと、失敗したこと、恥をかいたこと、お金がないこと、女性にもてないこと、こうした自分の不幸をすべて笑いのネタにしてしまいます。辛いことに深刻にならず、笑いに変えてしまうのです。うまく行かないことを恨みに思うよりも、笑い飛ばした方が心の病気になりません。ユーモアがある人はレジリエンスがつよいのです。

 ユーモアのセンスを高めるには、お笑い番組を見るのが良いでしょう。何気なく時間潰しに見ていたお笑い番組が、実は治療に役立っているのです。ただし、あまり辛いときは「こんなに苦しいのに、何くだらないこと言ってるんだ!」と逆効果になってしまうので、調子の悪い時は無理して見ないでくださいね。

                

7.理解者がいる

 コロナ治療に免疫療法というものがあります。すでにコロナに打ち勝った人の免疫の成分を分けてもらう治療です。このように他人の免疫の一部は受け取ることができます。レジリエンスも同じことが言えます。一人で立ち向かえないストレスには、家族や仲間と支え合いながら立ち向かえばいいのです。理解者がいることはレジリエンスもつよくなるのです。

                   

まとめ

 

 病気を跳ね返す性格の特徴を7つ紹介しました。難しい本を読んで医学の知識をつけるよりも、気持ちを変えるだけで病気を跳ね返す力になります。今回紹介したものは、少しずつ努力して変えられるものです。無理せずに1つずつ挑戦してみてください。一人で難しければ、心理カウンセラーに手伝ってもらうこともできるでしょう。

カレンダー

«1月»
      1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31      

ブログ内検索

最近のエントリー