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【2028年度、ストレスチェック制度が全事業場で義務化へ】
2028年度までに、ストレスチェック制度の義務対象が「全事業場」に拡大されることが、厚生労働省によって正式に方針決定されました。
現在、労働安全衛生法によって義務付けられているのは、常時使用する労働者が50人以上の事業場のみです。しかし今回の改正により、従業員が5人、10人といった個人商店や零細企業、小規模な法人事業所も含め、すべての企業が対象となります。
この制度拡大は、「努力義務」としてスタートし、段階的に完全義務化される見込みです。企業規模にかかわらず、すべての事業主が対応を迫られる時代が、すぐそこまで来ています。
【ストレスチェック制度とは? ── 制度の歴史と導入背景】
ストレスチェック制度の概要
ストレスチェック制度とは、労働者のストレス状態を定期的に調査し、メンタルヘルス不調を未然に防ぐための予防策として設けられた仕組みです。
従業員に対して簡易な質問票(57項目など)を実施し、ストレスの度合いを数値化。高ストレス者には医師による面接指導を勧奨し、必要に応じて労働環境の改善につなげます。
制度導入の歴史的経緯
この制度が導入されたのは、2015年12月。労働安全衛生法の改正によって、常時50人以上を使用する事業場に対して年1回のストレスチェック実施が義務化されました。
背景にあったのは、以下のような深刻な社会問題です。
- 過労死・過労自殺の増加
- 精神疾患による労災請求件数の急増
- 企業のメンタルヘルス対策の遅れ
国は「労働者の心の健康を守る仕組みを、企業に法的に持たせる必要がある」と判断し、制度を創設しました。それから約10年。ようやく、対象が全企業へ拡大される段階に入ったのです。
【今回の義務化拡大の本質 ── なぜ"全企業"なのか】
小規模事業場でメンタルヘルス対策が進んでいない現実
今回の制度拡大は、単なる「適用範囲の広がり」ではありません。その裏には、小規模事業場におけるメンタルヘルス対策の著しい遅れという、構造的な問題があります。
実際、50人未満の事業場でストレスチェックを自発的に実施している企業は、全体の2〜3割程度にとどまるとされています。多くの中小企業では、以下のような理由から対策が進んでいません。
- 制度自体を知らない
- 実施の必要性を感じていない
- 費用や手間がかかると思い込んでいる
- 「自分たちには関係ない」という認識
しかし現実には、精神障害による労災認定件数は年々増加傾向にあり、その中には小規模事業場での発生事例も多く含まれています。
国はこの状況を放置できないと判断し、**「義務化によって底上げを図る」**方針に転換したのです。
労災リスクと企業責任の重大化
メンタルヘルス不調による労災認定が下りた場合、企業には以下のような責任が生じます。
- 安全配慮義務違反による損害賠償請求
- 労働基準監督署による是正勧告
- 企業イメージの低下、採用への悪影響
「小さな会社だから見逃される」という時代は、もう終わりました。むしろ小規模事業場ほど、一人の従業員の離脱が経営に与える影響は大きいのです。
【義務化までのスケジュール ── 2025年〜2028年の流れ】
厚生労働省が想定している義務化の段階的スケジュールは、以下の通りです。
| 年度 | 内容 |
|---|---|
| 2025年度 | 一部のモデル事業場で試行開始 / 支援体制の整備開始 |
| 2026〜2027年度 | ガイドライン改訂 / 助成金・委託支援の拡充 / 周知・広報の強化 |
| 2028年度 | 全事業場に対して完全義務化 |
すでに厚労省の検討会では方向性が固まっており、これは「実質的に決まった未来」です。
「まだ先の話だから様子見」では、対応が間に合わなくなる可能性があります。
【中小企業が今すぐ始めるべき準備と対策】
1. ストレスチェックの実施体制を整える
義務化が始まってから慌てて準備しても、委託先の確保や社内体制の整備には時間がかかります。今のうちに以下を検討しましょう。
- 外部委託業者の選定
- 実施者(産業医・保健師など)の確保
- 社内担当者の明確化
特に小規模事業場では、産業医の選任義務がないケースも多いため、外部の専門機関に委託するのが現実的です。
2. 社内ルールと就業規則の整備
ストレスチェックを実施するには、以下のような社内規程の整備が必要です。
- 実施方法・時期
- 結果の取り扱い(プライバシー保護)
- 高ストレス者への対応フロー
- 面接指導の申出方法
これらを就業規則や安全衛生規程に明記することで、制度の透明性と実効性が高まります。
3. 従業員への周知と理解促進
ストレスチェックは、従業員の協力なしには成立しません。以下のような取り組みで、制度への理解を深めましょう。
- 社内説明会の実施
- わかりやすい案内資料の配布
- 匿名性の保証と安心感の提供
「会社が自分の健康を気にかけている」と感じてもらうことが、離職防止や職場環境改善にもつながります。
4. メンタルヘルス対策の全体設計
ストレスチェックは、あくまでメンタルヘルス対策の入り口です。以下のような総合的な取り組みが求められます。
- 一次予防(未然防止):労働環境の改善、ハラスメント対策
- 二次予防(早期発見):ストレスチェック、相談窓口
- 三次予防(再発防止):休職者の復職支援、再発防止策
制度対応だけでなく、組織全体の健康経営を視野に入れた準備が重要です。
【義務化に対応しないとどうなるか ── 法的リスクと企業責任】
法令違反による罰則
ストレスチェックが義務化された後、実施しなかった場合には以下のリスクが想定されます。
- 労働基準監督署による是正指導
- 罰則(法改正により科される可能性)
- 報告義務違反による行政処分
現行制度でも、50人以上の事業場には結果報告義務があり、未報告の場合は指導対象となります。今後は全事業場に拡大される見込みです。
労災認定時の使用者責任
ストレスチェック未実施のまま、従業員がメンタルヘルス不調で労災認定を受けた場合、安全配慮義務違反として民事上の損害賠償責任を問われる可能性が高まります。
「制度があることを知らなかった」「対応が遅れた」では、言い訳になりません。
【ストレスチェック制度対応を成功させるポイント】
✅ 早期の情報収集と計画立案
義務化が決まってからでは遅い。今から情報を集め、自社に合った実施方法を検討しましょう。
✅ 信頼できる外部パートナーの選定
ストレスチェックの実施には、専門知識と実務経験が求められます。実績のある委託先を選ぶことが、スムーズな導入の鍵です。
✅ 継続的な運用体制の構築
「一度やればOK」ではなく、年1回の継続実施が求められます。PDCAサイクルを回せる体制を整えましょう。
✅ 経営層のコミットメント
制度を形骸化させないためには、経営トップの理解と関与が不可欠です。従業員の健康を経営課題として位置づけましょう。
【まとめ ── 2028年義務化に向けて、今こそ動き出すとき】
2028年度のストレスチェック全企業義務化まで、残り約3年です。
「うちは小さい会社だから関係ない」
「まだ義務じゃないから様子見」
そう考えている企業ほど、対応が遅れ、いざというときに困ることになります。
メンタルヘルス対策は、もはや「福利厚生」ではなく、「経営リスク管理」そのものです。労災リスク、法令遵守、人材確保、企業ブランド──すべてに直結する重要な経営課題です。
今から準備を始めれば、義務化後も慌てることなく、従業員が安心して働ける職場づくりを実現できます。
【ストレスチェック制度でお困りなら、ミーデンにご相談ください】
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