ストレスチェックの集団分析で職場のストレス度合が改善した企業では業績が向上し、悪化した企業では業績が低下する。産業保健サービスを提供するミーデン株式会社が、取引先企業30社を対象に過去3年間のストレスチェック集団分析と業績の推移を比較したところ、このような傾向が見られました。
この調査の特徴は、「ストレスの低い会社」と「ストレスの高い会社」を比べたのではなく、同じ企業のストレス状態と業績が3年間でどう変化したかを追った点にあります。業種や規模の違いに左右されにくく、「自社のストレス状態が変わったとき、業績はどう動いたか」を見ることができます。
ストレスチェックは「法律で決まっているから毎年実施するもの」と捉えられがちです。しかし今回の結果は、集団分析の経年変化が、経営の状態を映す指標のひとつになりうることを示しています。本記事では、調査の背景・方法・結果・考察を詳しく紹介したうえで、集団分析を経営改善に活かす具体的な方法を解説します。
目次
この記事のポイント(調査結果の要約)
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項目 |
内容 |
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調査主体 |
ミーデン株式会社(産業医の選任、ストレスチェック、EAP、復職支援などの産業保健サービスを提供) |
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調査対象 |
ミーデン株式会社の取引先企業 30社 |
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調査期間 |
過去3年間(前々年・前年・当年) |
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調査方法 |
各社のストレスチェック集団分析の結果と企業業績の推移を、同一企業内で経年比較 |
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結果① |
ストレス度合が改善した企業では、業績も向上する傾向が見られた |
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結果② |
ストレス度合が悪化した企業では、業績も低下する傾向が見られた |
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調査の特徴 |
企業間の単純比較ではなく、同一企業のストレス状態と業績の「変化」を比較している |
ミーデン独自調査で判明したストレスチェックと企業業績の関係
今回の調査で見えてきたのは、職場のストレス状態と企業業績が「同じ方向に動く」傾向です。3年間でストレス度合が下がった企業は業績も上向き、ストレス度合が上がった企業は業績も下向きになる傾向がありました。
これまでも、従業員の健康と企業業績の関係は、健康経営の文脈で語られてきました。ただ、その多くは「健康経営に取り組む企業は業績が良い」といった企業間の比較です。企業間の比較では、もともと業績の良い企業ほど健康施策に投資する余裕がある、という影響を切り分けにくい面があります。
今回の調査は、同じ企業の中での変化に着目しています。そのため、「自社の職場環境が良くなったとき・悪くなったときに、業績がどう変わったか」という、経営者や人事担当者にとってより実感に近い問いに答えるものになっています。
取引先30社・過去3年間の調査概要
調査の背景:集団分析の結果が「経営の言葉」になっていない
ミーデンは、産業医の選任やストレスチェックの実施・集団分析の報告などを通じて、多くの企業の産業保健に関わってきました。その中で、人事担当者や経営者から「集団分析の結果を受け取っても、経営にどう活かせばよいかわからない」という声を多くいただいてきました。
一方で、日々のご支援の中では、「集団分析の結果が悪化した翌年に退職者が続いた」「職場環境の改善に取り組んだ部署で雰囲気が明るくなり、成果も上がった」といった現場の変化を目にすることがありました。そこで、集団分析の結果と業績の動きのあいだに、実際にどのような関係があるのかを確かめるため、今回の調査を行いました。
調査の方法:同一企業の3年間の変化を比較
調査対象は、ミーデンがストレスチェックを支援している取引先企業30社です。各社について、前々年・前年・当年の3年分のストレスチェック集団分析の結果と、同じ期間の企業業績の推移を整理しました。
そのうえで、3年間でストレス度合が改善した企業と悪化した企業に分け、それぞれの業績がどのように変化したかを比較しました。
- ストレス度合の指標:集団分析における「総合健康リスク」(全国平均=100)の推移
- 業績の指標:売上高・利益など、各社の業績の推移
なぜ「企業間比較」ではなく「経年比較」なのか
ストレスチェックの結果は、業種や職種、事業規模、繁忙期の有無などによって水準が大きく異なります。たとえば、繁忙期が集中する業種と比較的業務量が安定している業種を、同じ基準で比べるのは適切ではありません。業績についても、業界の景気や市場環境の影響を強く受けます。
同じ企業の中で変化を比べれば、こうした業種や規模による違いの影響を受けにくくなります。今回の調査が「ストレスの水準」ではなく「ストレスの変化」に注目したのは、このためです。
ストレス度合が改善した企業と悪化した企業の業績の違い
結果①:ストレス度合が改善した企業では業績も向上する傾向
3年間でストレス度合が改善した企業では、業績も向上する傾向が見られました。集団分析の結果が良くなった企業ほど、売上や利益などの業績も上向いていたということです。
結果②:ストレス度合が悪化した企業では業績も低下する傾向
反対に、3年間でストレス度合が悪化した企業では、業績も低下する傾向が見られました。集団分析の結果が悪くなった企業では、業績も下向きになっていたということです。
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ストレス度合が改善した企業 |
ストレス度合が悪化した企業 |
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3年間のストレス度合 |
改善 |
悪化 |
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同期間の業績 |
向上する傾向 |
低下する傾向 |
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示唆されること |
職場環境の改善と業績向上が同時に進んでいる |
職場環境の悪化と業績低下が同時に進んでいる |
結果をどう読むべきか:因果関係の限界について
ここで一点、明確にしておくべきことがあります。今回の調査で確認できたのは、ストレス状態の変化と業績の変化のあいだに「関連が見られた」ということであり、「ストレスを減らせば必ず業績が上がる」という因果関係までを証明したものではありません。
ストレス状態と業績は、互いに影響し合っていると考えられます。職場環境が良くなることで従業員が力を発揮しやすくなり、業績が上がるという流れもあれば、業績が好調なことで人員や予算に余裕が生まれ、職場のストレスが下がるという流れもあるでしょう。また、調査対象は30社であり、すべての企業に同じ傾向が当てはまるとは限りません。
それでも、この結果が経営にとって重要な理由
因果の向きがどちらであっても、経営上の意味は変わりません。ストレスチェックの集団分析は、業績と連動して動く「職場の状態」を、毎年、全従業員を対象に、数値で把握できる数少ない仕組みだということです。
売上や利益は、組織の状態を「結果」として示す数字です。一方、集団分析の結果は、職場で起きている変化を従業員の回答から直接捉えます。集団分析の悪化を「組織の状態に変化が生じているサイン」として捉え、経営指標とあわせて確認する。それだけでも、ストレスチェックの価値は大きく変わります。
なお、今回の調査で確認したのは同じ期間におけるストレス度合と業績の変化であり、ストレス度合の悪化が業績の低下に先行するかどうかまでは検証していません。
ストレス状態が企業業績に影響する可能性がある理由
では、職場のストレス状態は、どのような経路で業績に影響しうるのでしょうか。ここからは、今回の独自調査で直接測定したものではなく、外部の研究や一般的に知られているメカニズムにもとづいて解説します。
1. 離職率の上昇と採用・教育コストの増加
ストレスの高い状態が続くと、従業員が「この職場で働き続けるのは難しい」と感じ、退職を選ぶ可能性が高まります。一人が退職すると、求人広告や人材紹介にかかる採用費、新しい人が戦力になるまでの教育期間、その間に周囲が担う業務負担が発生します。残った従業員の負担が増えてストレスがさらに高まり、次の離職を招くという悪循環に陥ることもあります。
2. メンタルヘルス不調による休職者の発生
強いストレスが長く続くと、うつ病や適応障害などのメンタルヘルス不調につながることがあります。休職者が出れば、その人が担っていた業務が止まり、代替要員の確保や業務の引き継ぎ、復職支援にも時間と労力がかかります。メンタルヘルス不調による休職は長期化しやすく、復職後の再休職も課題になりやすいとされています。
3. プレゼンティーイズムによる生産性の低下
欠勤や休職に至らなくても、心身の不調によって集中力や判断力が落ち、本来の力を発揮できない状態を「プレゼンティーイズム」といいます。厚生労働科学研究による国内の医療機関を対象とした分析では、健康リスクが高い人ほど医療費や生産性損失が大きくなる傾向が示されました。また、健康リスクが改善した人では、プレゼンティーイズムによる損失も改善する傾向が確認されています(※1)。目に見えにくい損失ですが、企業の生産性に与える影響は小さくありません。
4. コミュニケーションの停滞とミス・トラブルの増加
ストレスが高い職場では余裕がなくなり、報告・連絡・相談が滞りがちです。ミスの発見が遅れたり、顧客対応の質が下がったりすることで、業績や企業の評判にも影響が及びます。
外部研究が示す「集団分析だけでは変わらない」という事実
もうひとつ重要な知見があります。厚生労働科学研究(主任研究者:川上憲人)では、ストレスチェック制度の効果が検証されました。その中で、制度を導入した事業場を導入前後で比較した分析では、導入から1年後の時点で、労働者の心理的な負担が軽減されたとは言えないという結果でした。報告書では、その要因の一つの可能性として、集団分析の結果にもとづく具体的な職場環境改善活動が実施されなかったことが挙げられています(※2)。
この報告は、集団分析を「結果を受け取るだけ」では職場は変わりにくく、改善の行動につなげることが重要であることを示唆しています。今回のミーデンの調査でストレス度合が改善した企業も、結果を受けて何らかの見直しを行っていた可能性があります。
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区分 |
内容 |
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ミーデン独自調査で確認したこと |
ストレス度合の改善・悪化と、業績の向上・低下のあいだに関連が見られた(30社・3年間) |
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独自調査では測定していないこと |
離職率、休職者数、プレゼンティーイズム、採用・教育コストなどとの関係 |
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外部研究・一般的知見 |
健康リスクが高いほど医療費や生産性損失が大きくなる傾向があること、集団分析後に改善活動が行われなかった事業場で心理的負担の軽減が見られなかったこと など |
ストレスが低い企業は本当に「緩い会社」なのか
「ストレスが低い=仕事が楽なだけ」という疑問
「ストレスを下げれば業績が上がる」と聞くと、「ストレスが低いのは、仕事が楽で緊張感がないだけではないか」と感じる方もいるかもしれません。たしかに、仕事の負担が極端に少なく、目標や責任もあいまいなまま職場が緩みきっている結果としてストレス度合が低くなる、というパターンは理論上考えられます。
ミーデンの取引先では、現時点でそうした事例は確認されていない
しかし、ミーデンがご支援している取引先企業では、現時点で「職場が緩すぎるためにストレス度合が低くなっている」という事例は確認されていません。ストレス度合が低い、あるいは改善した企業は、業務にしっかり取り組みながら、それを支える環境が整っている企業でした。
もちろん、これはミーデンの取引先における現場での経験であり、すべての企業に当てはまると断定できるものではありません。それでも、多くの企業の集団分析に関わってきた立場から、「ストレスが低い会社は緩い会社」という見方は、少なくとも一般的なケースではないと考えています。
ストレスチェックが測っているのは「負担」だけではない
その背景には、ストレスチェックの仕組みそのものがあります。集団分析でよく使われる「仕事のストレス判定図」は、「仕事の量的負担」「仕事のコントロール(裁量度)」「上司の支援」「同僚の支援」の4つの尺度で職場を評価します(※3)。
つまり、ストレス度合が低い職場とは「仕事がない職場」ではなく、「仕事の負担に対して、自分で進め方を決められる裁量があり、困ったときに上司や同僚が支えてくれる職場」であることが多いのです。適度な負担があっても、裁量と支援がそろっていれば、従業員は過度なストレスを感じることなく成果につなげられます。
なお、万が一「緩さ」が疑われる場合でも、集団分析の数値だけで判断せず、業績や目標達成度、離職率などとあわせて見ることで、職場の実態をより正確に把握できます。
ストレスチェックの集団分析を経営改善に活かす具体的な方法
まず押さえたい:集団分析と総合健康リスクの基本
ストレスチェック制度は、労働安全衛生法にもとづき、常時50人以上の労働者を使用する事業場に年1回の実施が義務付けられています。2025年5月14日に公布された改正労働安全衛生法により、現在は努力義務となっている50人未満の事業場でも、公布後3年以内に実施が義務化されます(※4)。
集団分析は、個人のストレスチェック結果を部署やチームなどの単位で集計・分析するもので、現在は事業者の努力義務とされています。法改正に向けた審議でも、集団分析と職場環境改善の義務化は「時期尚早」とされ、努力義務のまま、個人が特定されない方法で行うことが求められています(※5)。
集団分析で代表的な指標が「総合健康リスク」です。仕事のストレス判定図の4つの尺度から算出され、全国平均を100として、その職場の健康リスクが全国と比べてどの程度かを示します。たとえば120であれば、健康問題が起こるリスクが全国平均より約20%高いと読み取ります。判定図のマニュアルでは、120〜130以上の職場では、ストレスに関連する問題が目に見える形で表れていることが多いとされています(※3)。
ステップ1:「水準」だけでなく「前年からの変化」を見る
今回の調査結果を踏まえると、最も重要なのは経年変化です。全国平均との比較に加えて、総合健康リスクや4つの尺度が前年・前々年からどう変化したかを部署ごとに確認しましょう。全国平均より低くても悪化が続いている部署は、早めに注意を向けるべきサインです。
ステップ2:悪化の原因となっている尺度を特定する
同じ「悪化」でも、原因が「仕事量の増加」なのか、「裁量の減少」なのか、「上司の支援不足」なのかによって、取るべき対策は異なります。どの尺度が動いたのかを確認し、原因の当たりをつけます。
ステップ3:経営指標と並べて見る
集団分析の結果を、離職率、休職者数、残業時間、部署ごとの業績などと並べて確認します。今回の調査が示すように、ストレス状態と業績は連動して動く可能性があります。人事のデータと経営のデータを同じ表で見ることで、集団分析が「健康管理の資料」から「経営判断の材料」に変わります。
ステップ4:現場の声を聞き、改善策を実行する
数値だけでは、職場で何が起きているのかまではわかりません。管理職や従業員へのヒアリング、職場ごとの話し合いを通じて現場の実感を確認し、「業務の割り振りを見直す」「定期的な1on1を設ける」など、実行できる改善策に落とし込みます。先に紹介した研究でも示唆されているとおり、集団分析は改善の行動につなげることが重要です。
ステップ5:産業医など専門家と効果を検証する
改善策を実施したら、翌年の集団分析で効果を確認し、業績や人事指標の変化もあわせて振り返ります。集団分析の読み解きや改善策の検討には、産業医や保健師などの専門家の視点が役立ちます。衛生委員会で結果を共有し、専門家の意見を踏まえて毎年のサイクルを回していくことが、集団分析を「やりっぱなし」にしない鍵です。
集団分析を行う際の注意点
- 少人数の集団は個人が特定されるおそれがあるため、集計単位の設定には十分な配慮が必要です。厚生労働省のマニュアルでは、10人未満の集団の結果は、原則として全員の同意がない限り事業者に提供しないこととされています。
- 受検率が低いと、職場全体の実態を反映しにくくなります。受検率の推移もあわせて確認しましょう。
- 組織変更や人員の入れ替わりが大きい部署は、前年との単純比較が難しい場合があります。
調査結果から考えられる経営上の示唆
示唆1:集団分析は「経営の健康診断」として使える
ストレス状態と業績が連動して動く傾向があるのであれば、集団分析は、従業員の健康管理だけでなく、組織の状態を定点観測する「経営の健康診断」として活用できます。毎年、全従業員の回答をもとに職場の状態を数値化できる仕組みは、ほかにそう多くありません。
示唆2:悪化は組織の変化を確認すべきサイン
集団分析の悪化は、組織の状態に何らかの変化が生じているサインです。結果を単独で眺めるのではなく、離職率や業績などの経営指標とあわせて確認し、原因の把握と対策に着手することが重要です。
示唆3:職場環境の改善は「コスト」ではなく「投資」になりうる
今回の調査では、ストレス度合が改善した企業で業績が向上する傾向が見られました。因果関係は断定できないものの、職場環境の改善は、離職や休職、プレゼンティーイズムによる損失を抑え、組織の力を引き出すための投資と捉えることができます。
示唆4:法令遵守のその先へ
50人未満の事業場への義務化により、ストレスチェックはより多くの企業にとって身近な制度になります。「実施して終わり」の企業と、「結果を経営に活かす」企業の差は、今後さらに広がっていくと考えられます。
よくある質問
Q. ストレスチェックの結果と業績には関係がありますか?
- ミーデン株式会社が取引先企業30社を対象に3年間の推移を比較した調査では、集団分析のストレス度合が改善した企業で業績が向上し、悪化した企業で業績が低下する傾向が見られました。ただし、これは関連を示すものであり、ストレスを下げれば必ず業績が上がるという因果関係を証明したものではありません。
Q. ミーデンの調査は、どのような方法で行われましたか?
- 取引先企業30社について、前々年・前年・当年の3年分のストレスチェック集団分析の結果と業績の推移を整理し、同一企業内での変化を比較しました。企業同士を比べるのではなく、各社の経年変化に着目している点が特徴です。
Q. 集団分析は義務ですか?
- 集団分析は、現在のところ事業者の努力義務です。ただし、職場環境の改善や経営課題の把握に役立つ有効な手段であり、ストレスチェックを実施する企業には積極的な活用をおすすめします。
Q. 総合健康リスクはいくつ以上だと注意が必要ですか?
- 全国平均が100のため、100を超える場合は全国よりリスクが高い状態です。判定図のマニュアルでは、120〜130以上の職場ではストレスに関連する問題が表れていることが多いとされています。あわせて、前年からの変化も確認することが大切です。
Q. ストレス度合が低い会社は、仕事が緩いだけではありませんか?
- ミーデンの取引先企業では、現時点で、職場が緩すぎるためにストレス度合が低くなっている事例は確認されていません。ストレスチェックは仕事の負担だけでなく、裁量や上司・同僚の支援も評価するため、ストレス度合が低い職場は「負担に見合う裁量と支援がある職場」であることが多いと考えられます。
Q. 50人未満の会社もストレスチェックが必要になりますか?
- 2025年5月に公布された改正労働安全衛生法により、50人未満の事業場でも、公布後3年以内にストレスチェックの実施が義務化されます。
まとめ:ストレスチェックの集団分析を、経営改善の起点に
ミーデン株式会社が取引先企業30社のストレスチェック集団分析と業績を3年間比較した結果、ストレス度合が改善した企業では業績が向上し、悪化した企業では業績が低下する傾向が見られました。同一企業の経年変化を比べたこの結果は、職場のストレス状態と企業業績が連動して動く可能性を示しています。
集団分析は、法令遵守や健康管理のためだけのものではありません。毎年の変化を経営指標と並べて見ることで、組織の課題に早く気づき、手を打つための材料になります。
ストレスチェック・集団分析のご相談はミーデンへ
ミーデン株式会社は、産業医の選任、ストレスチェックの実施と集団分析、EAP、復職支援まで、企業の産業保健をトータルでサポートしている専門企業です。今回の調査のように、多くの取引先企業の集団分析に関わってきた知見をもとに、結果の読み解きから職場環境改善のご提案までご支援します。
- ・集団分析の結果を受け取っているが、経営にどう活かせばよいかわからない
- ・部署ごとのストレス状態の変化を、離職や業績とあわせて把握したい
- ・現在のストレスチェック活用を見直し、きちんとしたストレスチェックの体制を整えたい
このようなお悩みをお持ちの経営者・人事ご担当者様は、お気軽にミーデンへご相談ください。
参考資料
※本記事のうち「ミーデン独自調査」と明記した部分は、ミーデン株式会社の取引先企業30社のデータにもとづくものです。それ以外の一般的な知見は、以下の公的資料・研究によります。
※1 津野陽子「健康リスクと生産性の関連性の検討」厚生労働科学研究費補助金 分担研究報告書 https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2018/182031/201809009A_upload/201809009A0005.pdf
※2 井上彰臣「既存コホートを活用したストレスチェック制度の効果評価」(川上憲人 主任研究者・平成29年度厚生労働科学研究費補助金「ストレスチェック制度による労働者のメンタルヘルス不調の予防と職場環境改善効果に関する研究」分担研究報告書) https://mental.m.u-tokyo.ac.jp/old/a132/02.pdf
※3 東京大学大学院医学系研究科 精神保健学分野「仕事のストレス判定図マニュアル」 https://wmh.m.u-tokyo.ac.jp/jstress/hanteizu/
※4 東京労働局「改正労働安全衛生法(令和7年5月14日公布)によるストレスチェックの義務対象拡大について」 https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/002331863.pdf
※5 厚生労働省「第170回労働政策審議会安全衛生分科会 議事録」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_48158.html