ストレスチェック 高ストレス者とは?人事が知っておくべき基礎知識

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ストレスチェックで高ストレス者と判定されたけど、どういう意味?」「高ストレス者への対応は会社としてどうすればいい?」――このページでは、高ストレス者の定義・判定基準・会社の対応義務・面接指導の流れまで、人事・管理職が知っておくべき情報をまとめて解説します。

高ストレス者とは?定義と基準

高ストレス者とは、ストレスチェックの結果、心身の健康リスクが高いと判定された労働者のことです。労働安全衛生法第66条の10に基づき、事業者は従業員に対して年1回のストレスチェックを実施し、一定の要件を満たす者を「高ストレス者」として判定する義務があります。

高ストレス者に該当した場合、本人の申し出があれば産業医等による面接指導を受けることができます。会社はその結果を踏まえ、就業上の措置を講じる必要があります。

ポイント
高ストレス者の判定は、本人に通知されますが、会社(事業者)には原則として通知されません。本人が希望した場合にのみ、面接指導の申し出を通じて会社が関与できます。

高ストレス者の判定方法

高ストレス者の判定には、厚生労働省が定める評価基準が用いられます。主に以下の2つの方法があります。

方法①:合計点数による評価

職業性ストレス簡易調査票(57項目版)などを用いて、以下の3領域の合計点数を算出します。

領域 内容
A 仕事のストレス要因 量的負荷、コントロール、職場環境など
B 心身のストレス反応 活気、イライラ感、疲労、不安、抑うつなど
C 周囲のサポート 上司・同僚・家族からのサポート

方法②:心身のストレス反応のみで評価

「B 心身のストレス反応」の点数が特に高い場合は、A・Cの合計によらず高ストレス者と判定されることがあります。これは、すでに明らかな症状が出ている状態を見落とさないための基準です。(うつ病診断テストCES-Dを元に作られています)

使用する調査票について
23項目版・57項目版・80項目版・120項目版など、企業によって使用する調査票は異なります。いずれも厚生労働省が定めた評価基準に沿って高ストレス者を判定します。コラム:ストレスチェック57項目と80項目の違いとは?23・120項目も含めて徹底比較

高ストレス者の割合の目安

厚生労働省のガイドラインでは、高ストレス者は全受検者の約10%程度になるよう判定基準が設定されています。ただし、職場環境や業種・職種によって実際の割合は大きく異なります。

目安となる割合 状況の解釈
10%未満 平均的な水準
10〜15%程度 やや注意が必要
15%超 職場環境の改善を要検討

割合が高い職場では、個人への対応だけでなく、職場全体の環境改善(集団分析の活用)が重要になります。

面接指導の流れと会社の義務

高ストレス者と判定された従業員が面接指導を希望した場合、会社は速やかに対応する必要があります。法律上、申し出から1ヶ月以内に面接指導を実施することが求められています。

面接指導の流れ

  1. ストレスチェック実施・結果通知(本人へ直接通知)
  2. 本人が面接指導を希望する場合、会社へ申し出
  3. 会社が産業医等に面接指導を依頼(1ヶ月以内)
  4. 産業医等が面接指導を実施(勤務状況・心身の状況・職場環境を確認)
  5. 産業医等が事業者に意見書を提出
  6. 会社が就業上の措置を検討・実施

面接指導を行う医師の要件

面接指導は、産業医または事業者が指定した医師が行います。産業医の選任義務がない50人未満の事業場では、地域産業保健センターを活用することも可能です。(ミーデンはスポット面談も対応しています。詳細はこちら

面接を拒否された場合の対応

高ストレス者への面接指導は、あくまで本人の申し出が前提です。会社側から強制することはできません。ただし、本人が面接を望まない場合でも、放置することは適切ではありません。

推奨される対応

  • ・管理職・人事による定期的な声かけ・面談(任意)
  • EAP(従業員支援プログラム)や外部相談窓口の案内(会社側に高ストレスかを開示する必要がないので一番活用される)
  • ・セルフケア情報の提供
  • ・職場環境の改善(集団分析に基づく対策)

注意
面接を拒否した従業員に対して不利益な扱いをすることは、労働安全衛生法により禁止されています。「面接を受けないと評価に影響する」などの言動は絶対に避けてください。

面接後の就業上の措置

産業医等から意見書を受け取った事業者は、労働者の実情を考慮したうえで就業上の措置を講じる義務があります(労働安全衛生法第66条の10第6項)。

就業上の措置の例

  • ・残業・深夜業の制限・禁止
  • ・業務内容・量の調整(配置転換・異動含む)
  • ・休暇取得の促進
  • ・職場環境の改善(人間関係・業務プロセスの見直し)
  • ・医療機関への受診勧奨

措置の内容は、産業医の意見と本人の状況を踏まえて会社が最終的に決定します。産業医の意見をそのまま実施する義務はなく、あくまで「考慮すること」が求められていますが、合理的な理由なく無視することは問題となり得ます。

プライバシーへの配慮

ストレスチェックの結果は、個人情報として厳重に保護する必要があります。以下の点に注意してください。

禁止事項 理由
本人の同意なく結果を上司・人事に開示 個人情報保護・不利益取扱い防止
高ストレス者を特定できる情報の共有 プライバシー侵害・就業差別のリスク
面接指導の申し出を理由とした不利益扱い 労働安全衛生法による禁止事項

集団分析の結果(10人以上の集計データ)については、職場環境改善の目的で管理職・経営層と共有することが推奨されています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 高ストレス者と判定されると、会社にすぐ伝わるの?

A. いいえ、原則として伝わりません。ストレスチェックの結果は本人に直接通知され、本人の同意なしに事業者へ提供することは禁止されています。面接指導の申し出をした場合に初めて、会社が関与できるようになります。

Q2. 高ストレス者が面接を希望しない場合、会社は何もできない?

A. 面接指導の強制はできませんが、任意面談・EAPの案内・職場環境の改善など、間接的なサポートは可能です。また、集団分析を通じて職場全体の対策を講じることが重要です。

Q3. 高ストレス者の割合が高い職場はどうすればいい?

A. 集団分析の結果を活用して、職場環境改善計画を立案・実施することが推奨されています。産業医や外部のEAP会社に相談しながら進めると効果的です。

Q4. 50人未満の小規模事業場でも高ストレス者への対応は必要?

A. ストレスチェック自体は50人未満の事業場では努力義務ですが、実施した場合は高ストレス者への対応義務も発生します。2028年4月からは規模を問わず実施が義務化される予定です。

Q5. 高ストレス者が精神疾患を発症した場合、会社の責任は?

A. ストレスチェックで高ストレス者が判定されたにもかかわらず、適切な対応(面接指導の実施・就業上の措置)を怠った場合、安全配慮義務違反として会社が損害賠償責任を問われる可能性があります。

まとめ

ストレスチェックにおける高ストレス者への対応は、従業員の健康を守るための重要な仕組みです。ポイントを整理すると以下のとおりです。

  • ・高ストレス者とは、ストレスチェックで心身の健康リスクが高いと判定された労働者
  • ・判定結果は本人のみに通知され、会社への開示には本人の同意が必要
  • ・面接指導は本人申し出が前提で、1ヶ月以内に実施する義務がある
  • ・面接後は産業医の意見を踏まえて就業上の措置を講じること
  • ・面接を拒否した従業員への不利益取扱いは法律で禁止されている
  • ・高ストレス者割合が高い職場は、集団分析を活用した環境改善が重要


高ストレス者への対応を適切に行うためには、産業医との連携体制の整備と、HR・管理職への教育が欠かせません。自社の対応に不安がある場合は、産業保健専門職や外部EAPサービスへの相談も検討してみてください。

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