アルコール依存症になりやすい人

 更新日:2021年11月20日

コロナ禍のために家でお酒を飲む人が増えたようです。次第に量も増えるようになり、どのくらい飲んだら依存症になってしまうのか、どのような状態が依存症なのか、不安に感じている人も多いようです。

【動画解説はこちら】

【依存症とは】

依存症とは、大切な人や物事を犠牲にしてまで飲んでしまう状態です。明日大事な仕事があるのに遅くまで飲んでしまい仕事に失敗する、家事や育児があるのにそれをしないで昼から飲酒してしまう、糖尿病や肝臓の病気になっているのに酒がやめられない、こういった感じです。依存症は単にその人の体質や性格の問題だけでなく、置かれている環境の問題なども絡みながら起こります。

今回はアルコール依存症になりやすい人について説明します。ここに当てはまる方はお酒の飲み方に注意してください。

【アルコール依存症になりやすい人】

1.十代から飲酒していた

飲酒を開始する年齢が早いほど、依存症になる危険性が高いことが統計的に知られています。飲酒の開始が1年早まるたびに依存症になる可能性が5%ずつ上がるとも言われています。

2.家族や親友に酒飲みが多い

家族に飲酒する習慣があると、依存症への警戒心が低いことがあります。未成年の子供に飲酒を認めてしまうこともあります。また、よく会う親友が酒飲みであるとその影響も受けやすくなります。

3.親がアルコール依存症

アルコール依存症の親をもつと、その人が依存症になる確率は4倍に上がります。依存症の原因の半分は遺伝にあると言われています。またアルコール依存症の家庭は、夫婦喧嘩が悪く、子供が暴力を振るわれることもあります。子供の情緒が不安定になり、大人になってからアルコール依存症になりやすい家庭環境と言えるでしょう。

4.男性よりも女性

アルコール依存症の数は男性の方が多いのですが、最近は若い女性が増える傾向にあります。依存症になるまでの期間は男性よりも女性の方が短く、同じ飲酒量でも女性の方が血液のアルコール濃度が高くなり、さまざまな問題が起きやすいと言われています。

5.孤独

最近はお年寄りのアルコール依存症も増えています。きっかけは退職や配偶者との別れなどによる孤独が原因です。お酒は酔うことで一時的に孤独感を解消してくれます。本来なら人間関係で満足されるべき心の満足感や安心感が簡単に得られるのです。しかし、これは幻想の充実感です。酔いがさめたとたんに現実に引きずり戻されます。その度に飲酒で解決していると飲酒量が多くなりアルコール依存症になってしまいます。

6.うつ病やパニック症の人

うつ病の人の4割にお酒の飲み過ぎの問題があると言われています。お酒は一時的にうつ気分をなくしてくれます。脳のドーパミンを増やしてくれる手っ取り早い薬みたいなものです。そのためにうつ病からアルコール依存症になることも多く、またアルコール依存症の人がうつ病になることもあります。

実は、お酒の飲み過ぎはうつ病を長引かせている原因でもあります。うつ病から回復を遅らせたり、抗うつ薬も効きにくくなります。自殺率も上昇し、酔って人間関係が壊れることもあります。

【アルコール依存症の治療法】

少し前までは、アルコール依存症になったら、ともかく酒をやめなければならない、いわゆる断酒が治療であると言われていました。しかし、最近では少しでも量を減らすことが大切であると考えられています。量が減れば減るほど、それに比例してアルコールに伴う問題は少なくなります。できれば問題が起きにくい低リスク飲酒量というところまで減らせることができたら良いでしょう。

WHOの定める低リスク飲酒量とは、1日のアルコール量が男性で40g、女性で20gまでです。具体的には、

・5%のビールやサワーでは、男性は500mL缶で2本まで、女性は500mL缶で1本まで。

・15%の日本酒では、男性は2合・360mLまで、女性は1合・180mLまで。

・12%のワインでは、男性は400mLまで、女性は200mLまで。

・43%のウイスキーやブランデーでは、男性は120mLまで、女性は60mLまで。

お酒の減らし方は、まず毎日の飲酒量の記録をつけることから始めます。空けた缶を捨てる前に、飲んだ本数をカレンダーに書いておきましょう。

お酒を飲むことは、脳のドーパミンを上昇させ、本来は人間関係で満たされる喜びをバーチャルで体験していることです。それならばお酒を減らすためには本来の人間関係で喜びを満たしていけば良いわけです。お酒から逃げて、それに代わる楽しみを見つけましょう。飲みたくない体質になることは難しいことですが、飲むのを忘れるような環境作りならばできるはずです。

まとめ

すでに日本のアルコール依存症は100万人とも言われています。ところが治療を受けている人はその1割もいません。9割の人が治療を受けていないのです。なぜなら、病院へ行って酒をやめさせられるのが嫌だからです。「酒をやめるなら死んだ方がまし」と言う人も多いのです。しかし、最近の治療は断酒だけでなく、減酒もあります。お酒を飲みたい気持ちを減らしてくれる減酒薬を使う治療もあります。アルコール依存の問題は一人で抱えずに精神科に相談してみてください。

コロナ禍のために家でお酒を飲む人が増えたようです。次第に量も増えるようになり、どのくらい飲んだら依存症になってしまうのか、どのような状態が依存症なのか、不安に感じている人も多いようです。

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【依存症とは】

依存症とは、大切な人や物事を犠牲にしてまで飲んでしまう状態です。明日大事な仕事があるのに遅くまで飲んでしまい仕事に失敗する、家事や育児があるのにそれをしないで昼から飲酒してしまう、糖尿病や肝臓の病気になっているのに酒がやめられない、こういった感じです。依存症は単にその人の体質や性格の問題だけでなく、置かれている環境の問題なども絡みながら起こります。

今回はアルコール依存症になりやすい人について説明します。ここに当てはまる方はお酒の飲み方に注意してください。

【アルコール依存症になりやすい人】

1.十代から飲酒していた

飲酒を開始する年齢が早いほど、依存症になる危険性が高いことが統計的に知られています。飲酒の開始が1年早まるたびに依存症になる可能性が5%ずつ上がるとも言われています。

2.家族や親友に酒飲みが多い

家族に飲酒する習慣があると、依存症への警戒心が低いことがあります。未成年の子供に飲酒を認めてしまうこともあります。また、よく会う親友が酒飲みであるとその影響も受けやすくなります。

3.親がアルコール依存症

アルコール依存症の親をもつと、その人が依存症になる確率は4倍に上がります。依存症の原因の半分は遺伝にあると言われています。またアルコール依存症の家庭は、夫婦喧嘩が悪く、子供が暴力を振るわれることもあります。子供の情緒が不安定になり、大人になってからアルコール依存症になりやすい家庭環境と言えるでしょう。

4.男性よりも女性

アルコール依存症の数は男性の方が多いのですが、最近は若い女性が増える傾向にあります。依存症になるまでの期間は男性よりも女性の方が短く、同じ飲酒量でも女性の方が血液のアルコール濃度が高くなり、さまざまな問題が起きやすいと言われています。

5.孤独

最近はお年寄りのアルコール依存症も増えています。きっかけは退職や配偶者との別れなどによる孤独が原因です。お酒は酔うことで一時的に孤独感を解消してくれます。本来なら人間関係で満足されるべき心の満足感や安心感が簡単に得られるのです。しかし、これは幻想の充実感です。酔いがさめたとたんに現実に引きずり戻されます。その度に飲酒で解決していると飲酒量が多くなりアルコール依存症になってしまいます。

6.うつ病やパニック症の人

うつ病の人の4割にお酒の飲み過ぎの問題があると言われています。お酒は一時的にうつ気分をなくしてくれます。脳のドーパミンを増やしてくれる手っ取り早い薬みたいなものです。そのためにうつ病からアルコール依存症になることも多く、またアルコール依存症の人がうつ病になることもあります。

実は、お酒の飲み過ぎはうつ病を長引かせている原因でもあります。うつ病から回復を遅らせたり、抗うつ薬も効きにくくなります。自殺率も上昇し、酔って人間関係が壊れることもあります。

【アルコール依存症の治療法】

少し前までは、アルコール依存症になったら、ともかく酒をやめなければならない、いわゆる断酒が治療であると言われていました。しかし、最近では少しでも量を減らすことが大切であると考えられています。量が減れば減るほど、それに比例してアルコールに伴う問題は少なくなります。できれば問題が起きにくい低リスク飲酒量というところまで減らせることができたら良いでしょう。

WHOの定める低リスク飲酒量とは、1日のアルコール量が男性で40g、女性で20gまでです。具体的には、

・5%のビールやサワーでは、男性は500mL缶で2本まで、女性は500mL缶で1本まで。

・15%の日本酒では、男性は2合・360mLまで、女性は1合・180mLまで。

・12%のワインでは、男性は400mLまで、女性は200mLまで。

・43%のウイスキーやブランデーでは、男性は120mLまで、女性は60mLまで。

お酒の減らし方は、まず毎日の飲酒量の記録をつけることから始めます。空けた缶を捨てる前に、飲んだ本数をカレンダーに書いておきましょう。

お酒を飲むことは、脳のドーパミンを上昇させ、本来は人間関係で満たされる喜びをバーチャルで体験していることです。それならばお酒を減らすためには本来の人間関係で喜びを満たしていけば良いわけです。お酒から逃げて、それに代わる楽しみを見つけましょう。飲みたくない体質になることは難しいことですが、飲むのを忘れるような環境作りならばできるはずです。

まとめ

すでに日本のアルコール依存症は100万人とも言われています。ところが治療を受けている人はその1割もいません。9割の人が治療を受けていないのです。なぜなら、病院へ行って酒をやめさせられるのが嫌だからです。「酒をやめるなら死んだ方がまし」と言う人も多いのです。しかし、最近の治療は断酒だけでなく、減酒もあります。お酒を飲みたい気持ちを減らしてくれる減酒薬を使う治療もあります。アルコール依存の問題は一人で抱えずに精神科に相談してみてください。

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