メンタルヘルスを守るために大事な4つのこと
更新日:2022年2月22日
私たちは、体の健康のために、バランスの良い食事や十分な睡眠をとり、適度な運動をするように意識しています。また、体に良くないお酒の飲み過ぎや喫煙には注意をしています。年に1回、職場や地域の定期健診を受けますが、調子が悪い時には近所の病院にかかります。こうやって体の健康を守っていますが、それでは心の健康、メンタルヘルスのためには何かしているでしょうか。
やはりメンタルヘルスのためにも、日頃から意識すること、注意することがあります。ここではメンタルヘルスのために必要な4つのことを説明します。
【動画解説はこちらから】
メンタルヘルスを守るために必要な4つのこと
1.何がメンタルヘルスに良いか悪いかを知る
体の健康と同様に、バランスのよい食事、十分な睡眠、適度な運動はメンタルヘルスにも大切なことです。心が安定するためには、脳が健康的に働くことが必要だからです。
心理の面から考えると、メンタルヘルスに最も大切なことは、喜びと安心感のある生活です。そのためには、生きがい、家族や友人との交流、時間を忘れて没頭できる楽しみ、自然とのふれあい、人に感謝すること、人のために生きること、瞑想などが大切です。
逆に良くないことは、孤独・不安・怒り・恨みなどのネガティブな感情を抱えて我慢しすぎることです。こうした感情は放置しないで、早めに解消するために努力しましょう。悩みや問題を一人で抱え込まずに相談できる人や施設があることが必要です。
2.精神疾患の知識を持つ
癌は発見が遅いと、治療が手遅れになってしまいます。心の病気も初期の段階で早く気づくことが大切です。そのために、うつ病や精神病の初期症状を知っておくことが必要です。
特にうつ病は日常のストレスが引き金になり、誰でもかかりうる病気です。気持ちの落ち込み、不安感が2週間以上続くようならば、うつ病を疑いましょう。自分の問題だけでなく、食欲や睡眠にまで異常が出ているならば早めに医療機関を受診するようにしましょう。
3.メンタル不調の時に相談する場所を探せる
メンタル不調の時は、まずは休むことが大切です。それでも改善しない場合は、医療機関か心理カウンセリングに相談しましょう。気持ちの落ち込みや不安などの症状がある場合は精神科で、悩みの相談は心理カウンセリングです。悩みと症状で区別がつかない場合は電話などで事前に聞いてみましょう。
医療機関で心の問題を担当するのは精神科です。病院によっては心療内科、神経科、メンタルヘルス科、心療科と別の名称の場合もあります。呼び方は違っても、担当医が精神科専門医を持っているところを選びましょう。精神疾患の治療は、医師の人格や人生観が反映されやすく、他の科に比べて治療に差が出やすい傾向があります。精神科専門医ならば、学会のガイドラインに従った標準的で有効な治療を行ってくれます。
医療機関を探すのは、紹介されたり、近所で見かけたりと色々あると思いますが、最近はネットで検索する人が多いようです。東京都には「ひまわり」という医療機関案内サイトがあるように、都道府県ごとに医療機関の検索サイトがあります。最も情報が集まっている公的なサイトなのでぜひ利用しましょう。
パニックや過呼吸の発作などの緊急の場合は、救急車を呼んで病院の救急外来で診察できます。ただし、興奮状態は救急車では対応できないので、警察に対応してもらいましょう。
4.メンタルヘルスの間違った知識に振り回されない
精神疾患の治療で誤解が多いのは、「精神科の薬は体に悪いので飲まない方がよい」といったものです。こうした偏見により、症状があるのに受診を避ける人もいます。最近の精神科の薬は副作用が少なく、長期に服用してもほとんど問題はありません。むしろ薬の治療を恐れて症状を放置していると病気を慢性化させてしまいます。
また、精神疾患でスピリチュアルな治療を受ける人も多いようです。軽症のうつ気分や不安感に効果があることもありますが、確実に良くなるものではありません。また、統合失調症や躁うつ病には効きません。むしろ悪くなるケースもあります。イタリアのカトリック教会では、エクソシストという悪魔祓いを現在も行っています。ただし、まず精神科で統合失調症や躁うつ病でないことを診断して、初めて儀式を受けることができます。
最後に
以上、メンタルヘルスに必要な4つのことを紹介しました。メンタルヘルスの知識を含めて、知らないことはスマホで簡単に調べられます。しかし、ネットには間違った情報もたくさん流れています。常識的でない突飛な知識ほど、それを主張する人はたくさん情報を流そうとするため、デマほど先に目に入るようになります。こうしたデマに振り回されず正しい情報を選べるように注意しましょう。