発達障害の人を会社でサポートするには

 更新日:2022年6月14日

会社はチームワークで成り立っています。メンバー同士でいかにうまくコミュニケーションが取れているかで効率も変わってきます。

ところが、「いつも何を考えているのか分からない」、「こちらの気持ちがうまく伝わらない」、「問題がこじれると感情的になってしまい話し合いができない」、職場にこういったコミュニケーションに問題のある人はいないでしょうか。

このような人と職場で上下関係になり、密に交流しなくてはならない場合は特に困ってしまいます。「何を考えているのだろう」「なぜ気持ちを分かってもらえないのだろう」、「なぜ怒るのだろう」、こんなことで悩んでいるうちに、仕事を成功させるどころか、人間関係で心を病んでしまいます。

実際に、上司や部下にコミュニケーションの問題があり、対応の仕方で気を遣いすぎてうつ病になる人は大変多いのです。

【動画での解説はこちらから】

アスペルガー症候群とは

職場でコミュニケーションに問題がある人は、アスペルガー症候群の可能性が考えられます。アスペルガー症候群とは、相手の気持ちを理解する能力に欠けるために、場の空気を読めず、比喩や遠回しな表現を理解できません。

自分の話ばかりして、時に相手が傷つくことも悪気(わるぎ)なく言ってしまうこともあります。脳の発達の問題が原因であると考えられており、最近では自閉症スペルトラム障害、略してASDの一つとして扱われています。

アスペルガー症候群の特徴を理解しないで、いつものペースでコミュニケーションをとろうと思っても、うまく伝わらないばかりか、お互いが傷つくことがあります。極端な例えですが、日本語を知らない外国人に、一方的に日本語だけで話しかけても通じません。

アスペルガー症候群の男性と結婚した女性が、夫の障害に気づかずに生活を続けているうちに、気持ちが通じないことから心を消耗してしまうこともあります。これをカサンドラ症候群と言いますが、職場の上下関係でもカサンドラ症候群が起きてしまうのです。

 

今回は、職場の上司や部下がアスペルガー症候群である時に、どのような対応をしたらよいのかを説明しましょう。

 

発達障害の人をサポートする5つの方法

1 失礼なことを言われても腹を立てない

挨拶が苦手、社会常識を知らない、時間を守れない、失礼なことを平気で言ってしまう、といった傾向があり、いっしょにいる相手をイラつかせることがあります。

こうした言動は、やる気がないとか、相手を大切に思っていない訳ではありません。自分の言動で相手が傷つくことが理解できないため、悪気(わるぎ)なくやってしまうことなのです。

この人はコミュニケーションの能力に問題があるのだと思い、「あれ?」と感じる言動があっても一歩引いた立場で受け止めてあげて、こちらは感情的にならないようにしましょう。

 

2 指示や返事は具体的に

冗談や比喩を文字通りに解釈してしまいます。例えば、上司が応援するつもりで「頑張れよ」言ったことが、「これ以上頑張らなくてはならないのか?」と嫌味として解釈してしまいます。

言葉の背後にある気持ちを理解できずに、そのまま受け取って誤解してしまうので、あいまいな言い方、冗談は言わないようにしましょう。報告や連絡は、口頭でなく書類やメールなどで文字にするようにして、具体的で簡潔なものにしましょう。できれば図や表などの視覚的に伝わるものを利用するのも良いでしょう。

 

3 無理に食事会や飲み会に誘わない

飲み会などの集団の場は苦手です。空気を読めずに話に加われなかったり、場が白けているのに一人でしゃべっていることもあります。自分でも集団の場が苦手と分かっているので、無理に飲み会には誘わないようにしましょう。

 

4 部下がアスペルガー症候群だったら

頭ごなしに注意されると、拒否反応を起こしやすい傾向があります。基本的に、褒めて伸ばしてあげるのが良いでしょう。同じ失敗を繰り返すことがありますが、「社会人なんだから自分で解決できるだろう」と本人任せにしないで、「これで3度目だから、何が良くなかったのかいっしょに考えよう」といった感じで話しかけて、失敗しない方法を具体的に順序だてて教えてあげましょう。

仕事をうまくできないのは、本人が努力しないからではありません。個性と職場の歯車がかみ合っていないのです。個性は変えられないので、どう職場で活かしてあげられるかを考えてあげましょう。アスペルガー症候群の人は、人間関係が多く、内容に変化の多い仕事には向いていません。

むしろ、決まったスケジュールにそって規則性があるものにはミスがありません。また、データを扱ったり、緻密(ちみつ)さを求められる作業が得意です。仕事の種類では、経理、法務、システムエンジニア、研究、設計には向いていると言われています。興味があるものには、集中し全力で取り組むことができます。

アスペルガー症候群の人は、生まれつき自律神経系やホルモン系が崩れやすく、緊張や無理をすると体調不良を起こします。大事な仕事で穴をあけてしまうこともありますが、これはさぼっている訳でも、逃げている訳でもありません。

遅刻や欠勤を何度も繰り返すようならば、「メンタルの問題があるかも知れないよ」と精神科を受診することを優しく勧めましょう。体調不良が長く改善しないようならば、現在の職場が向いていないことを優しく伝えてあげることも必要かも知れません。

 

5 上司がアスペルガー症候群だったら

仕事での評判や効率が悪くても「俺流」を貫きます。自分のルールへのこだわりがつよいのです。思いつきで指示を出したり、思いやりに欠ける言動も見られます。それが良くないことを指摘しても、自分の非を認めないどころが、感情的になって怒ります。

こうした上司とは、コミュニケーションに問題があると理解して、距離を置いてつきあうしかないでしょう。感情的に言われたことは、真に受けないようにしましょう。職場にはうまく付き合えている人もいるはずですので、その人に仲介に入ってもらうことも手かも知れません。

ただし、場合によっては、上司の言動がハラスメントになることもあります。ハラスメントは犯罪です。そう感じられる場合は、さらに上の上司や人事に相談しましょう。

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