ストレスのあまり知られていない12のサイン

 更新日:2021年3月29日

厚労省の調査によると、日本人の約半分が何らかのストレスを感じながら生活をしています。ストレスの内容は世代ごとに異なっており、子供ならば受験や人間関係、大人では仕事やお金、高齢者では病気や介護の問題などが代表的なものです。

                          

ストレスとは、外から何らかの刺激を与えられて、それに負けないように踏ん張っている状態です。本来は物体が外から力を加えられて、それに抵抗して形が歪んでいる状態のことを意味しました。これを人間にも当てはめて、与えられる刺激とそれによるストレス状態の両方をまとめてストレスと呼ぶようになったのです。例えば、休みなく働いて疲労を感じる時、負担になる仕事のことをストレスと言いますし、仕事を抱えて耐え忍んでいる状態もストレスと言います。

ストレス状態の時、心も体も戦闘モードになります。非常事態を乗り切るために、脳内ではノルアドレナリンなどの物質がたくさん分泌され、交感神経は興奮状態となり、ホルモン系も活発になります。しかし、それを休みなく続けることはできません。限界を超えてもストレス状態が続けば、心も体も壊れてしまいます。具体的にはうつ病などの病気になって長い期間の治療が必要となるのです。

ストレス状態が長く続くと、それに早く気づいてもられるように、心と体にSOSのサインが出ます。限界がきている悲鳴に耳を傾け、問題が大きくなる前に対処することが大切です。

今回は、ストレスのあまり知られていない12のサインを紹介しましょう。

ストレスのあまり知られていない12のサイン

1 夢をたくさん見る・夜間にトイレで何度も起きる

ストレス状態では、脳から「寝ている場合ではないぞ!」という命令が出ているために、眠りが浅くなります。眠りについても夢ばかり見て、眠った気がしません。頻尿が起きて、夜中に何度もトイレに行くこともあります。また、ストレスから心臓の動悸で早朝目覚めるということもあります。

ストレスからの回復には睡眠が最も重要な役割を果たします。睡眠が十分とれないことは回復を遅らせてしまうので要注意なサインです。

 

2 味がしない・飲み込みにくい

ストレスは味覚にも影響を与えます。味がしない、変な味がする、美味しくない、といった味覚障害が起こります。食べることへの影響は、味覚だけではありません。食欲が落ちたり、食べ物を飲み込みづらくなる場合もあります。念のために内臓に問題がないかをチェックした方がよいのですが、問題がないのならばストレスによるものでしょう。

 

3 口内炎・口のトラブル

味覚だけでなく、口はストレスの影響を受けやすい部分です。口の中は敏感な粘膜でできており、口の周りにはたくさんの筋肉と神経も集まっているため、口周辺にトラブルが起きやすいのです。例えば、ストレスで免疫力が落ちると口内炎やヘルペスになりやすくなります。他にも食いしばりや歯ぎしりもストレスの影響です。口を開けにくく、あごの関節がカクカク音を出したり、痛みを感じるなどの病気を顎関節症と呼びますが、これもストレスの影響を受けやすいものです。

 

4 発熱

過労や心配事が長く続いた後に、体がだるく37度前後の微熱が何週間も続くことがあります。また、試験や発表などのイベントの前に突然40度近い高熱が出てしまい、イベントに参加できなくなることもあります。しかし、イベントが終わるとスーと熱が下がるのです。これらはストレスが原因であることが多く、心因性発熱と言われています。緊張や不安から自律神経系が刺激されることで体温が高く設定されてしまうのです。炎症が原因であるふつうの発熱と違うので、解熱剤がほとんど効きません。

 

5 咳

職場にいる時だけ咳が止まらず、大切な話ができなくなることがあります。不思議なことに、自宅や友人との飲み会では咳は出ません。これは心因性咳嗽と呼ばれ、ストレスにより自律神経系が刺激されているのが原因です。咳止めが効きにくく、マッサージやストレッチなどのリラクゼーションでよくなります。

発熱や咳以外にも、のどの痛み、鼻づまりなどもストレスから起きることがあります。これらが重なっていると、風邪の症状と全く区別がつきません。長く続く風邪症状の多くは、ストレスが原因なのです。

 

6 下痢や腹痛が続く

乗り物に乗った時、会議や試験で部屋を抜け出せない時などに限って、腹痛と便意をもよおすことがあります。これはストレスによる緊張がスイッチとなって、腸の動きが活発になっているのです。病院に行くと、過敏性腸症候群と診断されることもあります。慢性化して、外出する時に下痢止めを手放せなくなる人もいます。

7 めまい

突然平衡感覚がおかしくなり、周りが動いているように感じるのがめまいです。主に脳や耳に原因がありますが、ストレスから起きることがあります。

耳鼻科で、40代から60代の女性に多いメニエール病という病気があります。音が聞こえにくくなり、クルクル回るような回転性のめまい、耳鳴りなどが起こるものです。内耳という耳の奥の部分に問題が起きているのですが、実際はストレスの影響を大変受けやすい病気です。

 

8 コリや痛み

骨や筋肉の病気は整形外科の分野ですが、ストレスの影響を受けやすいものが意外と多いものです。長く続く緊張が骨や筋肉にもトラブルを起こします。レントゲンをとっても、大きな原因がみつからないような腰痛、首や肩のコリや痛みは、ストレスの影響がつよいでしょう。

 

9 肌のトラブル

肌は心の状態を反映します。ストレスが多いと、肌が敏感になり、肌荒れや蕁麻疹などの発疹も出やすくなります。脱毛症、アトピー性皮膚炎、帯状疱疹なども背景にストレスが隠れています。

 

10 血圧が上がる

血圧を上げる原因は、肥満・タバコ・塩分だけではありません。ストレスも大きな原因の一つです。血圧が高い状態が長く続くと、脳や心臓の血管が切れて死に至ることもあり、過労死の大きな原因になっています。

また、急に脈が早くなったり、たまに抜けてしまうような不整脈もストレスの影響を受けている場合があります。

 

11 ケガや事故にあう

脳の働きが弱るために、集中力が低下し、注意力が散漫になります。危険なのは、階段をふみはずしたり、料理で指を切ったり、火傷をしたりとケガをすることが増えることです。また、信号を見間違えたり、車や自転車の運転で操作を間違えたりと交通事故にもあうこともあるので要注意です。

 

12 けんか・もめ事が増える

イライラして、怒りっぽくなることがあります。ふだんは穏やかだった人が、職場や店で、ちょっとしたことで人に文句を言ったり、身近な人に当たり散らします。以前はなかったようなトラブルが増えるでしょう。

まとめ

ストレスによる知られていないサインを紹介しました。これらは大きな問題が出る前のSOSでもあります。小さなサインを見逃さないようにしましょう。

特に、生まれつき体の弱い部分に繰り返して問題が起きやすくなっています。例えば、胃腸が弱い人は、ストレスのサインは胃腸の不調で現れやすいのです。病気の症状である場合は、検査や治療を受けることが大切ですが、根本はストレスが原因になっていますので、仕事を休む、減らす、家庭の状況を変えてみるなど生活を変える必要があるかも知れません。

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