テレワークによるストレス負担

 更新日:2021年7月31日

  現在も新型コロナウイルスが猛威を振るい、テレワークを導入している企業も多いかと思います。テレワークが導入され始めたのは、2020年3月頃からでした。

2020年3,4月では例年よりも自殺者が減り、これは会社に出勤することのストレス負担が減ったことが要因の一つとして考えられています。実際、当社でカウンセリングや相談対応をする中でも、出勤しなくて済むので、ストレスが減ったというような声も多かった印象でした。

しかし、約1年たった現在、テレワークは従業員にどのような影響を与えているのでしょうか。

最近よく言われていることとして、テレワークのために、勤務開始まで寝ていたり、日光にも当たらないので、生活リズムが崩れていくということがあります。また、通勤が唯一の運動時間であったにもかかわらず、それがなくなり、運動不足も問題として挙げられます。これらは抑うつ状態を発生させる大きな理由となります。

その他に当社でストレスチェックや相談対応をしていく中で、テレワーク中における様々な問題点が出てきましたので、ご紹介します。

⇒【ストレスチェックによる職場解析|テレワークによって職場のストレス負担が増えた例

  

【テレワークの問題点】

人間関係が悪くなる

 オンラインでのやり取りが基本となり、気軽に質問ができなかったり、上司の言い方がきつく聞こえたりして、心を病む方が増加しています。中途で入社した人は、最初からテレワークのため、右も左もわからないので、誰に聞いてよいか、どこまで聞いてよいのかなど様々な事で悩むと言います。

パワハラも増えていると言いますが、それは、従業員同士のコミュニケーション不足が招いている結果と言えます。適度な雑談は社内の雰囲気を良くさせ、従業員のストレス解消や、信頼関係の構築で大きな役目を果たします。パワハラを防ぐためには、適度な雑談も必要と言いますが、テレワークですと、気軽に職場の仲間と雑談をできないのも問題です。

孤独を感じやすい

 職場で落ち込んでいるとき、助けてくれるのは職場の仲間です。しかし、オンライン上であるとちょっとした相談もできず孤独を感じる方が多くなっています。それと同時に、上司が部下に対して叱った後、うまくフォローを入れていた方も多かったと思いますが、テレワーク導入後はそれも減っている印象です。

仕事効率が落ちる

 一見、通勤時間も減り、効率よく仕事ができると考えられるテレワークですが、実際には、ストレス負担が尋常ではなく、仕事効率が落ちているようです。

家庭環境が悪くなった

 テレワーク導入後から、DV相談が多くなってきました。家にずっといるとストレスがたまり、その上、学校も休みなので子供が家にいて、仕事をしながら子供の相手もしなくてはならない状態で、ストレス負担が増加します。

また、夫婦間でもお互いにずっと家にいる状態が続き、喧嘩が絶えず、家庭環境が悪くなったという声も聞こえてきます。

【解決方法】

では、どのような解決方法があるのでしょうか。

オフィス出社とテレワークをうまく使い分ける

完全テレワークですと、どうしてもストレス負担が大きく、つぶれてしまう可能性があります。うまく週ごとにオフィス出社する人とテレワークの人とで分けて、ストレス負担を軽減すると良いです。

いつもより言い方に気を付けて

 オンライン上だとどうしても言い方がきつく聞こえてしまう可能性があります。話す時には、いつもよりも言い方に気を付け、たまに笑顔を見せるなどすることが大切でしょう。

たまに雑談をしてみよう

 あえて、同僚などとずっとオンラインにして、たまに冗談を言い合ったり、分からないことをすぐに聞けるような体制にするのもよいでしょう。上下関係ですと、ずっとオンラインであると、部下は監視されるように感じて嫌がる可能性が高いです。したがって、それは避け、ために上司の方かた、「仕事どう?」というような形で様子をうかがったり、軽い雑談をしてあげても良いと思います。

あまり管理をしない

 コロナ状況下、みなさん普段よりもストレス負担が溜まっております。したがって、管理を徹底しないことも大切です。この時間帯に昼飯を食べなくてはダメ、昼休み以外の時間に外に出てはいけない、何分おきに今何をしているか報告をしなくてはいけないのは、よくありません。このような状況下、ある程度事業主側も許容しながら、従業員に仕事をしてもらうと逆に仕事効率は上がるものです。

まとめ

働き方は、職場ごとに決まっていますが、できるだけストレスがたまらないように工夫してみましょう。また、どうしてもストレスに耐えられなくなったら、人事に相談し、働き方を見直す提案をしてみても良いと思います。逆に事業主、人事の方は今回ご紹介したことが実際に様々な職場で起きているということを知っていただき、もう一度社内の働き方を見直していただけたら幸いです。

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