職場で気づかれるうつ病の10のサイン
更新日:2024年11月25日
うつ病は、生きるエネルギーが枯れ果てた状態と言えます。どんな人でも、1つくらいの心配事なら跳ね返す力を持っていますが、それが長引いたり、いくつかの心配事が重なると、生きるエネルギーは消耗されてしまいいます。
ジワジワと生きるエネルギーを失い、それを補充できないままいるとうつ病を発病します。「疲れかな」、「怠けかな」と感じているうちに、何の対策もしないでいると、大きな問題となってしまうのです。うつ病は、ある日突然襲ってくる病気ではなく、無理な生活の積み重ねの結果です。
職場の心配事の例としては、過重労働、人間関係の悩み、などがありますが、さらにプライベートや家庭の問題が加わることで、確実に心の限界を超えてしまいます。以前はうつ病になりやすい性格が重要視されていましたが、今では誰でもなる病気と考えられています。特に責任感のつよい人ほど無理をしてうつ病になりやすく、発病にも気づきません。ですから、周りの人が仲間の変化に気づいてあげることが大切です。
今回は、職場で気づかれるうつ病の10のサインを紹介しましょう。
【動画での解説はこちらから】
【職場で気づかれるうつ病の10のサイン】
1 怖い顔
心の状態は表情に出るものです。当然、うつ病になると人の表情は変わります。一番多いのは表情が険しくなり、周りから怒っているように思われることです。他にも、無表情になる人、疲れた表情になる人もいます。もちろん嫌なことがあれば、誰しも暗い表情になるのは当たり前ですが、2週間以上も顔つきが変わっているようならば、うつ病の疑いがあります。
2 ミスが目立つ
うつ病は、脳の機能が低下している状態です。記憶力や集中力が低下します。これによって、仕事はケアレスミスが目立つようになります。入力ミス、注文ミス、読み間違え、スケジュールの間違えなど、以前はなかったようなミスが目立つようになります。
3 ぼーっとしている
仕事への意欲や関心がなくなるため、仕事中も手が止まり、ぼーっとしていることがあります。疲れ果てているように見えたら周りも心配しますが、怠けている見える人もいます。そうなると、周囲から態度が良くないと誤解を受けてしまいます。
4 イライラしている
うつ病というと元気がない姿を思い浮かべるかも知れませんが、情緒の不安定さが目立つ人もいます。無理して働いているので、職場ではいつもイライラするようになり、ちょっとしたことで怒ったり、言葉がきつくなる人がいます。
5 落ち着かない
うつ病の大きな症状として不安があります。仕事中も不安で落ち着きません。席でジッと座って集中していられず、よく席を立つようになります。自律神経失調が伴うと、のどの渇きや頻尿が現れます。そのために仕事中にやたらと飲み物を飲み、トイレにも頻繁に行くようになります。
6 会話が減る
人との交流が苦痛になるため、人間関係に消極的になります。会議でよく発言していた人が話さなくなり、周りからは大人しくなったように見えます。付き合いも悪くなり、誘いを断るようになるでしょう。
7 ネガティブな発言
うつ病の症状で、自分が悪いと思う「自責感」をもつ人がいます。また、自分は価値のない人間だと思う「無価値感」をもつ人もいます。そのために、「自分が悪かった」とやたらと反省や謝罪が増えたり、「自分には能力がない」と言った自信のないネガティブな発言が増えます。
8 お酒やタバコが増える
タバコやお酒には一時的にうつ気分を解消する作用があります。以前はタバコを吸わなかった人が休憩時間にタバコを吸うようになったり、前日お酒を飲み過ぎて、酒臭いことが増えるようならばうつ病のサインです。特にアルコール依存症の多くは、うつ病が原因にあります。
もともとタバコやお酒がダメな人は、甘い物を過食することがあります。甘い物にもうつ気分を解消する作用があるためです。
9 やせる
食欲がなくなり、やせていきます。胃腸が悪いのかと思い、内科を受診しますが、大きな問題が見つかりません。下痢や便秘を繰り返す人もいます。内科で異常がないのに体重が減るようならばうつ病を疑いましょう。
10 遅刻や欠勤が増える
うつ病では、朝に倦怠感がつよく、寝床から出られなくなります。連絡なしで遅刻や欠勤が増えるようならば、うつ病の危険なサインです。周りの人は、「責任感がない」、「だらしがない」と叱り飛ばすのでなく、健康状態を確認しましょう。
まとめ
現在、50人以上の職場では、年に一度のストレスチェックが行われています。その中にはうつ病をチェックする項目も含まれています。「やるだけやったけれでも結果は見えていない」という人も多いようですが、職場でうつ病をチェックするよいチャンスです。
職場にうつ病を疑われる人がいる場合、職場を担当している産業医や産業カウンセラーに面談してもらうのも手です。精神科に行くことに抵抗がある人も多いので、産業医や産業カウンセラー通じて病気であることを伝えてもらうのが良いでしょう。
効率が優先される職場の雰囲気が、うつ病になる人を増やしています。職場のうつ病を予防するためには、支え合う仲間意識を持つことが大切です。互いに心配してあげる雰囲気があれば、仲間のうつ病が軽いうちに気づくことができ、大きな問題になる前に解決することができるでしょう。