50名未満の会社もストレスチェックを導入しよう|費用を抑えるために

 更新日:2023年12月19日

  2015年から50名以上の労働者を抱える事業場での、ストレスチェック実施が義務化されました。しかし、50名未満の事業場ではやらなくて良いのかというとそうではありません。50名未満の事業所でも努力義務として、ストレスチェックの実施を推奨されています。

 2019年度現在、ストレスチェック制度の実施が努力義務となっている労働者50名未満の事業場ではストレスチェックの実施率は12~56%との報告があります。

この数値をみると50名未満の事業場でのストレスチェック導入率は低いと言えます。

会社におけるメンタルヘルス対策が必須と言われている昨今、中小企業が日本の会社の9割以上を占めるということを考慮すると、より一層50名未満の事業場でのストレスチェックの導入率を上げることが今後の課題となっていきます。

では、50名未満の事業場でのストレスチェック導入率が低いのは何故なのでしょうか。そもそも義務化されていないからという理由もあげられるものの売上に関係のない費用を負担するほど中小企業には余裕がないという、費用面の問題も考えられます。

費用を抑えて、ストレスチェクを行うにはどうすれば良いのでしょうか。

【具体的な方法】

1.ストレスチェックについて

 ストレスチェックに関して、自社で実施することも可能ですが、実施者が必要になることや、手間を考えると外部に委託した方が良いと考えます。ストレスチェックの実施者としては、産業医、医師、研修を受けた公認心理師、看護師などを選任できますが、まずストレスチェックの実施のためだけにスポットで実施者を引き受けてくれる人を探すのは難しいです。

また、ストレスチェックのシステムに関しても、少し複雑であったり、アップデートを定期的に行うので自社で行うには手間がかかってしまいます。50名未満の事業所がストレスチェックを外部委託しても年1回であれば、数万円で済むので、そこまで負担でないと思います。

2.産業医について

 医師と嘱託産業医契約をすると医師にもよりますが、月額3~7万円ほどかかります。また、高ストレス者面談は1人あたり、2~3万円追加でかかることから、費用面で負担になります。

50名未満の事業場では産業保健センターで、産業医の面談が無料で利用できます。少し書類書きによる手間はかかりますが、無料で行えるというメリットがあるので、こちらを利用することをお勧めします。

3.ストレスチェックの課題点(メンタルヘルス対策・相談窓口について)

 ストレスチェックの課題として、高ストレス判定後、労働者が面談を受けにいくということがあげられています。高ストレス判定が出たとしても、会社側に開示しなくては、産業医面談を受けることができません。そのため、会社側に知られることなく、産業保健スタッフと面談を受けられる仕組みを導入することが求められています。

大企業であれば、自社でカウンセラーを雇用することができますが、中小企業がカウンセラーを雇用するのは現実的ではありません。そのために、相談窓口として外部委託することをお勧めします。

ストレスチェック、産業医面談だけでは、メンタルヘルス対策として十分とは言えないため、外部の機関に委託し、しっかりとしたメンタルヘルス対策を行うと良いでしょう。

まとめ

 50名未満の事業場でももちろんメンタルヘルス対策は必要です。会社として、費用面で負担になり過ぎないよう、うまく工夫しながら、メンタルヘルス対策をおこなっていきましょう。

【※参考文献 精神科 第36巻 第4号 「ストレスチェック制度に関する最近の話題」 (著 佐々木 那津、駒瀬 優、川上 憲人)】 

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