休職した方が良い7つのサイン
更新日:2022年8月10日
日本人は、責任感がある人、できる人ほど仕事にがんばります。高度成長期には「企業戦士」という言葉もあって、会社に命を捧げて働く人もいました。侍は主君に仕えましたが、近代の侍は会社に仕えるようになったのです。しかし、長時間労働、職場の過剰なストレスは、本来人間があるべき生活ではありません。ジワジワと心身を削り、ついには病気になってしまいます。
高度成長期の終わり頃に、長時間労働による突然死の問題が現れました。これを1978年に「過労死」と呼ぶようになりました。2000年を過ぎると、過労死は日本だけの問題ではないことが欧米でも知られるようになり、海外ではそのまま日本語で「KAROSHI」と呼ぶことがあります。
侍のように会社に人生を捧げようとするのは日本人特有のことです。海外の人はよほどお金に困っていない限り、健康を損ねても会社のために働くことはしません。そもそも、できる人は仕事の効率を優先するので、長時間働かないでプライベートを大切にします。
時代は変わり、日本でも欧米的な考え方が定着しつつあります。しかし、日本人は男性も女性も侍の血を引いています。健康を損ねても会社のために働こうとする人は今も後を絶ちません。そのために働きすぎによる、うつ病や適応障害などの心の病気は減ることがありません。
今回は、働きすぎて心身が悲鳴を上げ、休まなくてはならないサインを7つ紹介します。これらのサインに気付いたら、すでにうつ病や適応障害になっている可能性もあります。早めに精神科を受診して休職について相談しましょう。
【動画での解説はこちらから】
休職した方が良い7つのサイン
1.食欲がない
食欲がなく体重が減り、内科を受診しても大きな異常が見つからない場合、ストレスによる胃腸症状の可能性があります。脳の働きが低下し、自律神経が失調しているのが原因です。2週間以上続く場合は仕事を休んだ方が良いサインです。
これとは逆に、いくら食べても満腹感がない、吐いてでもたくさん食べたいなど、過食の症状もストレスによる危険なサインです。
2.眠れない
疲れているのに眠りにつくことができない、眠れても朝早くに目が覚めてしまう、お酒を飲まないと眠れない、こうした睡眠障害が2週間以上続く場合は放置せずに内科や精神科を受診しましょう。食欲や睡眠は心の健康状態のバロメーターになります。うつ病や適応障害はまず睡眠障害から始まることが多く、早めに対処すれば深刻な状態になるのを防ぐことができます。
3.仕事の能率が明らかに落ちている
仕事中に集中力の低下、物忘れがあり、土日に休んでも改善されない場合は、脳の機能にすでに異常が出ているサインです。このような状態で仕事を続けても効率が悪くなるだけで、ミスも多くなります。無理をすればするほどに状態は悪化します。早めに休みをとることを考えましょう。
4.理由もなく涙が出る
仕事中に理由もなく涙が出ます。これはストレスによる自律神経失調の症状です。他にも、原因不明のめまい、下痢や便秘を繰り返す、動悸がすうる、話そうとすると咳が止まらない、微熱が長く続いているなど、内科を受診して大きな異常が見つからない場合は、ストレスによる自律神経失調症です。脳の働きに異常が出ており、「これ以上働かないで欲しい」というSOSのサインなのです。
5.怒りっぽい
うつ病は気持ちが落ち込む病気と思われていますが、情緒の不安定さという形で現れることもあります。イライラして、普段怒らなかった人が怒りっぽくなる、人前で感情的になって泣いてしまう、不安で落ち着かないなどの症状があるならば要注意です。
6.消えてなくなりたい
1998年に、過労死に続いて「過労自殺」という言葉も日本で生まれました。長時間労働に精神的ストレスが加わると、「会社の役に立たない人間だ」と自分を責め続けるようになり、最後に死を選んでしまうのです。「人生をリセットしたい」、「世の中から消えてなくなりたい」というのも消極的な自殺願望です。これは、すでにうつ病にかかっている可能性があります。このような気持ちが消えない場合はすぐに精神科を受診しましょう。
7.家族や上司から休むように忠告された
うつ病や適応障害になると、自分の心の状態を測る物差しがおかしくなることがあります。はたから見れば、生気がなく、表情がこわばり、どう見ても休んだ方がいいのに、それでも責任感から働こうとする人がいます。周りの人の方が客観的に見ています。上司や家族から、「休んだ方がいいよ」とアドバイスされたら、素直に耳を傾けるようにしましょう。
まとめ
以上、仕事を休んだ方が良いサインを紹介しました。仕事への責任感、情熱を持つことは素晴らしいことです。それと同じくらい、自分の健康を考えて、休むこと、助けを求めることも大切なことです、いざ休むとなると、周りに迷惑をかけたくない、悪い評価をもらいたくない、と周りの目を気にしてしまうかも知れません。しかし、健康を取り戻して挽回すればいいのです。仕事の代わりをしてくれる人はいますが、自分の健康管理は自分にしかできません。
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