ストレスチェックって意味あるの?【ストレスチェックは本当に意味があるのか】

 更新日:2023年12月19日

2015年12月より、ストレスチェック制度が始まりました。しかし、「ストレスチェックは意味がない!」という言葉もたびたび耳にします。果たして本当にストレスチェックは意味がないものなのでしょうか。今回は【ストレスチェックは意味があるのか】というテーマで解説していきます。

【何故ストレスチェックは意味がないと言われるのか】

ず、何故ストレスチェックは意味がないと言われているのでしょうか。

①毎年同じ質問

②年に1回のため、質問に回答した状態しかわからない

③適当に回答することができる

④高ストレスの判定は滅多に出ない

このような声をよく耳にします。

【ストレスチェックとは】

ストレスチェックとは、57項目の質問に回答することで、労働者の心理的ストレス程度や心理状況を把握することができる検査です。ストレスチェック制度とは、ストレスチェックの実施、産業医による面談指導、面談指導結果に基づく就業上の措置、ストレスチェック結果の集団ごとの集計・分析などの一連の取り組み全体を指します。

常時50名以上の労働者を使用する事業場は、年に1度ストレスチェック制度の実施が義務づけられています。この労働者の中には、アルバイトや派遣労働者も含まれます。

ストレスチェックは、仕事によるストレスの程度を把握し、早期に対応することでメンタル不調を未然に防止する「一次予防」を目的として実施されます。つまり、自分のストレスの状態を自分で見ることができる「セルフケア」の意味合いが強いのです、1年に1回、自分のストレスの状態をチェックして、メンタルヘルスに対する意識を持とう、ということです。

⇒ブログ:【ストレスチェック制度とは

【ストレスチェックは意味があるのか】

ストレスチェックの設問は、①仕事のストレス要因 ②心身のストレス反応 ③周囲のサポート の3つの領域から成り立っており、労働者のストレス状況、職場環境をはかるのに大変意味のあるものです。ストレスチェックの設問の中には、回答パターンを悟られないようなうまい工夫や、回答を4つにすることで当たり障りのない回答をできないようにしています。しかし、受検者が臨む姿勢で結果が左右されてしまうのも事実です。

極端な例ですが、面倒くさいので回答を全て「1」にしてしまうなどの適当な回答では適切な結果は出ません。また、「メンタル不調はあるが会社側に不調であることを悟られたくない」といったことで、「元気である人」を演じた回答をすることもできてしまいます。ストレスチェックを意味のあるものにするには、受検者の「今のありのままの心の状態を」回答すると言った、素直な気持ちで前向きに臨む姿勢が必要なのです。

また、ストレスチェックでは、集団分析といって職場全体、部署ごとのストレス度合いを測ることができます。これは個々の結果を集計して分析するため、適当に回答してしまう労働者が多いと、集団分析の結果も本来の職場のストレス状況と異なった結果が出てしまいます。

自分のためだけでなく、職場全体のことも含めて、ストレスチェックを行う際は、前向きな姿勢で臨むようにしましょう。ストレスチェックの質問内容は基本的に毎年変化はありませんが、自身の心の状態や生活環境は大なり小なり毎年変化があるはずです。「現在のありのままの」心の状態や、生活環境について回答することがストレスチェックを意味のあるものにします。

【ストレスチェック後の産業医面談】

ストレスチェック後には、産業医の面談を受けることができます。一方で、産業医の面談を受けるには、会社への申し出が必要となります。そのため、中には「人事評価が下がるのではないのか」、「違う部署に異動させられるのではないのか」と不安に思う方もいらっしゃるでしょう。

しかし、ストレスチェックの結果、産業医面談を受けること、を理由に人事評価を下げる、給与を下げる、降格させる、退職させることなどは法律で禁止されています。そのため、労働者は安心して会社に産業医との面談を申し出ることができるのです。

【産業医面談を受けない人が多い】

しかし、先行研究において「高ストレス者」と判定されている人のうち、産業医面談を申し出た人は18.6%であるという調査結果が得られています。これは、高ストレスと判定されても、多くの人が産業医面談を受けていないということを示しています。産業医面談を受けづらい場合には、会社に設置されている相談窓口に相談する、または近くの精神科クリニックを受診するという方法を取ることもできるでしょう。

⇒ブログ:【ストレスチェック後の産業医面談を受けない人が多い?

【高ストレス判定は滅多に出ない?】

高ストレス判定は滅多に出ないと思われていますが、会社でストレスチェックを実施すると10~20%の割合で高ストレス者が出ると言われています。基本的にストレスチェックの結果は誰か人に見せるものではありませんから、「高ストレス判定なんか本当に出るのか」と思うのは仕方ありません。

また、「仕事でストレスを感じているのに、高ストレスが出ない」ということで「意味がない」と感じる方もいるのではないでしょうか。しかし、ご自身で「ストレスを感じている」と思うのであれば、一度、産業医面談を実施してもらったり、カウンセリングや精神科に行くことをお勧めします。このようにストレスを自覚させることもストレスチェックとしての意義になります。

まとめ

ストレスチェックは、心理学、統計学的に信頼の置けるものであり、受検者が前向きに臨むことで、ストレスチェックは意味のあるものになります。とはいえ、これでメンタルヘルスケアが万全かというとそうではありません。あくまでも自分の心の状態に気付くきっかけをくれるテストです。

体調が悪い、気分が落ち込む場合には、たとえ高ストレス判定が出ていなかったとしても早めに専門家に相談しましょう。ストレスチェックは歴史が浅い制度です。しかし、労働者を守ることを目的に設置された、日本における最初の具体的なメンタルヘルス対策です。ストレスチェックを有効に活用していくことで、有意義なメンタルヘルスケアが可能となっていくのです。

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