社員が休職した場合の対応|会社ですべきこと、すべきでないこと
更新日:2021年8月6日
WHOが発表した世界5大疾患の中に、精神疾患が入るなど、精神疾患は、我々の身近な病気になりました。精神疾患の中で、最も多いのが、うつ病と言われており、どの会社でもうつ病者が出る可能性があります。職場の過重労働問題、ハラスメント、人間関係などの自社による問題だけでなく、元々うつ病を患っていた経験があり、それが再発してしまうケースもあります。
どちらにせよ、全ての会社で、休職者が出た際にどのように対応するべきかのマニュアル整備をしておくことが求められています。今回は、休職者が出際に、会社は何をすればよいか、そして何をしてはいけないかを解説します。
【休職期間中の対応】
よくある勘違いとして、休職期間中に、頻繁に休職者に連絡を取ろうとする会社があります。毎日メールをしたり、週に1回の面談をセッティングをしたりします。しかし、これは大きな間違いです。休職期間中は、できるだけ仕事や、職場の人と離してあげることが必要です。頻繁に連絡をとるとそれが負担となり、余計具合を悪化させる可能性があります。また、心配だからと言って、本人の許可なしに家族に確認をとることもいけません。
あらかじめ日程を決めて、本人と連絡を取る日程を決め、それ以外は連絡を取るのを避けるようにします。ただし、本人も休職期間は大変孤独を感じやすくなります。何かあった際には、自由に相談できることや、社内にカウンセラーがいる場合は利用できること、社外に相談窓口がある場合は、そこでカウンセリングを行えるなどの案内をしておくことは大切です。しかし、強制は禁物で本人の自由意志に任せましょう。
【職場の見直し】
社員が休職してしまった場合、何が問題だったのか状態が落ち着いたのを確認してから、話し合いの場を設けるようにしてください。社内責任である場合は、二度と同じようなことが起こらないように職場改善を実施する必要があります。休職者が復職してきても、職場が改善されていなかった場合、また同じことの繰り返しになります。何がいけなかったのか、しっかり話し合うことで、再発防止だけでなく、第二、第三の休職者を出すことを防ぐことができます。
【他の社員にも気を遣う】
突然休職者が出た場合、休職した人の分のしわ寄せが他の人にいきます。会社側はその点もきちんと考慮した上で対応しましょう。他の社員にあれもこれも全て状況を話してしまうことがありますが、それは避けましょう。休職する前に、本人と話し合い、周りの人にどのように伝えるかを決めておく必要があります。
【復職したときのサポート体制の整備】
復職してきても、今まで通り働けるようになるまで時間がかかります。どのようにサポートしていくのか復職プログラムの形で決めておくことが必要です。基本的に直属の上司がケアをしていくことになりますが、仮にその上司がメンタル不調を発生させる原因であった場合、部署を変える、担当上司を変えるなどを考慮しましょう。
【復職が決定したら】
復職が決定したら、今後どのように働いていくか本人と話し合いの場を設けます。産業医がいる場合は産業医の意見を聞き、いない場合は主治医の意見書を参考に、今後の働き方について話し合いましょう。あらかじめ職場決めておいた選択肢の中から、部署異動させるか、元の部署に戻るか、担当上司を変えるかなど、ある程度本人の意向をくみ取るようにしてあげると良いでしょう。
また、職場に戻る際にどのように他の社員に伝えるかも本人と再度話し合いましょう。先走って、本人の許可なく他の人に色々話してしますと、本人も戻りづらくなってしまいます。どこまでを伝えて良くて、どこまでを伝えないかをあらかじめ確認してください。
まとめ
うつ病の再発率は非常に高く60%と言われています。また、復職したとしても再発により、再度休職や退職する可能性があります。休職者に対する対応を間違えてしまうと問題に発展しかねません。適切な対応を心がけましょう。
⇒「中小企業における職場復帰までのプラン(産業医がいないケース)」